定款の目的に違反したらどうなる?登記簿での記載例から罰則、デメリットを解説

目的変更
投稿日:2024.02.15
定款の目的に違反したらどうなる?登記簿での記載例から罰則、デメリットを解説

ご存知の方は意外に少ないかもしれませんが、会社がどんな事業を行うか、その目的は定款や登記簿に記載されています。実は会社はどんな事業でも好き勝手やってよいわけではないのです。

となると次に出てくるのが「記載にある目的以外の事業を行った場合どんな影響があるのか?」という疑問ですよね。そこまで知っている方は少ないのではないでしょうか?

本記事では、定款や登記簿の目的について、その意味から罰則、デメリットまでを解説します。

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定款・登記簿に記載される事業目的とは?

以下は会社登記簿に記載されている目的の例です。

目的変更

このように、通常は10個前後の目的が記載されることが多いようです。

設定される目的は何でもよいというわけではなく、基本的には3つの要件を満たしている必要があります。

明確性:目的の対象が過度に抽象的になっていないか、解釈の幅が広すぎないか
合法性:法律に違反することは目的にできません。たとえば「ねずみ講の運営」や「違法薬物の販売」などは記載できません。
営利性:企業なので営利目的であるである必要があります。「ボランティア活動」や「寄付活動」などは基本的には記載できません。

また、厳密には合法であっても内容によっては融資が受けづらくなったり許認可が取りにくくなる目的もあります。たとえば、出会い系サイトや風俗店、FXや仮想通貨への投資などが挙げられます。必ず問題となるわけではありませんが「将来やるかもしれない」くらいの目的なら入れないでおきましょう。

逆にいうと、それぞれの目的の関連性は問われません。たとえば飲食店の事業者が一見すると畑違いのアパレル販売を目的にすることも可能です。

事業目的をたくさん記載するのは問題ないのでしょうか

よく質問されるのが「目的の記載が必要なのはわかりました。では、可能性のありそうな目的をかたっぱしからたくさん入れておいてもいいのでしょうか?」というものです。記載される事業目的が多いことに問題はあるのでしょうか?

回答としては「かたっぱしから入れるのはダメですが、予定しているならできるだけいれておきましょう」となります。

将来予定しているもの、進出が考えられる領域についてはある程度先回りして入れつつ、最後に「附帯する一切の事業」を入れておくのがよく見られる書き方です。

目的は多すぎると外部からみて会社の実態が見えにくくなり、少なすぎても将来登記変更が発生することで費用がかかってしまいますのでバランスの取れる書き方としてだいたい10個前後に落ち着くのだと考えられます。

また、事業目的の考え方として「目的の達成に必要な行為は認められる」というものがあります。たとえばある業界向けのSaaS事業を提供していて、導入前後のタイミングで短期間のコンサルティングが必要になる場合などです。この場合SaaS事業に従属してコンサルティング業務が発生するため、単独で目的としての記載は不要という考え方です。明確な定義はありませんが、リソースの集中具合や売上の比率などで総合的に判断しましょう。

記載された目的以外のことをやったときの罰則やデメリット

「では目的に書いてあること以外のことをやったら罰則などあるのでしょうか?」
これもよく出てくる疑問です。

結論から申しますと事業目的として記載されている以外の事業を行った場合の罰則はありません。代わりにいくつかデメリットが考えられます。

①特定業界の許認可などへの影響

事業活動に許認可が必要な業界(たとえば建設や労働者派遣、不動産業など)において、会社の実態がわかりにくくなることで審査に影響が出る可能性があります。

②新規取引などへの影響

新規の取引を開始する前に、与信調査の一環として登記を確認するケースがあります。この際に事業目的がわかりにくかったり、当該取引に関係のない目的が多すぎる場合など取引開始に影響が出る場合があります。

③融資など資金調達への影響

金融機関からの融資や、出資による資金調達では必ず登記内容の確認が行われます。この際に調達目的となっているはずの目的が記載されていなかったり、関連のない目的の記載が多い場合に信用が得られなくなる可能性があります。

提供側からすれば「資金を出しても当初と違う目的に消費されるのではないか?」という印象を与えてしまいます。できれば指摘される前から適切な目的にしておきましょう。

登記簿の「目的」を変更する方法

設立時に作成された定款から目的に変更に加え、登記を変更する必要があります。

定款の変更は株主総会の特別決議を経る必要がありますが、変更した定款をどこかに提出する必要は原則ありません。

少し手間がかかるのが登記簿(登記事項証明書)に記載の目的変更です。
目的変更登記は法務局に申請をして行いますが、この変更方法には主に3つがあります。

①ゼロから自分でやる

登記申請方法を勉強し、自分で必要な書類を作成し郵送もしくは持参して法務局に申請する方法です。
「目的を変えるだけなら簡単」と思いがちですが、目的変更に至る会社の機関決定の議事録などの準備も必要で、未経験者がやるにはハードルの高い作業となるでしょう。

②司法書士に依頼する

最もポピュラーなパターンです。司法書士に依頼して必要な書類を作成してもらいます。依頼にかかる費用は数万円程度が中心です。

③オンラインで登記書類の作成を支援するサービスを使う

最近増えてきた方法です。サービスのWebサイトに会員登録し、登記内容を入力すると申請書類やその他の必要書類をセットで自動作成できます。印刷、押印して郵送すれば登記申請ができます。スピードが早く自分の好きな時間に作業ができ、費用も安く済むことが特徴です。

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おわりに

普段なんとなく目にしていた定款や登記簿内の事業目的について解説しました。
目的は、会社のフェーズや設立からの経過に伴い変更が生じる可能性が高くなります。他の登記事項と比べると気づきにくい箇所ですが、常に会社の状態を最新の状態にメンテナンスしておきましょう。

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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