ものづくり補助金は自分で申請できる?代行・コンサルとの費用や採択率を徹底比較

補助金申請
投稿日:2025.11.28
ものづくり補助金は自分で申請できる?代行・コンサルとの費用や採択率を徹底比較

「ものづくり補助金に興味はあるけど、申請までの準備が大変そうだし難しそう…」 「コンサルに依頼すればなんとかなりそうだけど、費用が高そう…」

最大数千万円という大きな金額が動く「ものづくり補助金」。 活用したいと考える経営者様の多くが、最初にぶつかる壁が「自社でやるか、専門家に頼むか」という選択です。

結論から話しますと、どちらが正解ということはありません。 「時間をかけてでもコストを浮かせたいか」、それとも「お金を払ってでも採択率と時間を買いたいか」。この経営判断がすべてです。

ただ、ものづくり補助金は数ある補助金の中でも難易度が高いので、特別な経験がない限りはコンサルなどの専門家に依頼した方が採択率があがることはほぼ間違いありません。

この記事では、ものづくり補助金の基本から、自社申請と代行依頼(コンサル)のメリット・デメリット、費用感、採択率の違いまでを徹底比較します。

「ものづくり補助金」とは?

比較に入る前に、まずは「ものづくり補助金」がどのような制度なのか、その全体像を解説します。

1. 制度の目的

あまり知られていませんが、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、 中小企業が革新的な製品・サービスの開発や、生産プロセス改善のために行う「設備投資」を支援する制度です。
簡単に言えば、「新しい機械やシステムを導入して、会社の生産性を大きく上げたいなら、その費用の一部を国が負担します」というものです。

2. 補助金額と補助率(枠による)

  • 補助上限額
    • 製品・サービス高付加価値化枠
      • 750万円(従業員1~5人)
      • 1,000万円(従業員6~20人)
      • 1,500万円(従業員21~50人)
      • 2,500万円(従業員51人以人)
    • グローバル枠
      • 3,000万円
    • 大幅な賃上げに係る補助上限額
      • 100万円(従業員1~5人)
      • 250万円(従業員6~20人)
      • 1,000万円(従業員21~50人)
      • 1,000円(従業員51人以人)
    • 最大の補助金額は「グローバル枠」+「大幅な値上げ額」で合計4,000万円になります。
    • (※省力化(オーダーメイド)枠や製品・サービス高付加価値化枠など、申請する「枠」や従業員数によって大きく異なります)
  • 補助率: 1/2 または 2/3
    • 例:1,500万円の機械を買う場合、最大1,000万円が補助されるイメージです

※補助金上限額・補助率は「第22次公募」の内容になります。詳しくは最新の公募要領をご確認ください。

3. 重要な特徴

  • 審査がある: 要件を満たせば全員もらえるわけではなく、「事業計画書」を作成して審査を受け、採択される必要があります。
  • 後払い(精算払い): 先に自社で資金を用意して設備を購入し、実績報告をした後でお金が振り込まれます。一時的な資金繰りの確保が必要です。


自分で申請するのと代行・コンサル依頼の比較

自社で申請する場合と代行・コンサルに依頼する場合の違いを、一覧表にまとめました。まずは結論をご覧ください。

比較項目

自社で申請

代行・コンサル依頼

費用(金銭)

0円

着手金:10〜30万円

成功報酬:採択額の10〜15%

費用(時間)

(100時間〜)

※本業への支障あり

(10〜20時間程度)

※ヒアリング・確認のみ

難易度

極めて高い

公募要領の読解から必要

低い

専門家がリードしてくれる

採択率

不確実

ノウハウがないと厳しい

高い傾向

加点要素などを網羅するため

こんな人に

時間がある、文章が得意

コストを絶対かけたくない

時間がない、文章が苦手

採択の確率を上げたい

ものづくり補助金の自社申請が「極めて難しい」と言われる3つの理由

比較表では「自社申請=費用0円」とお伝えしましたが、実際に自社申請に挑戦した経営者の多くがこれほど大変だとは思わなかったと途中で断念したと口を揃えているようです。
なぜ、ものづくり補助金はこれほどまでにハードルが高いのでしょうか? それは他の補助金とは次元が異なる「3つの壁」が存在するからです。

1. 「穴埋め」ではなく「論文」の執筆力が求められる

小規模事業者持続化補助金などは、決まった様式の空欄を埋めていく「穴埋め形式」に近い部分があります。 しかし、ものづくり補助金の事業計画書には、決まったフォーマットがありません。
「その1:補助事業の具体的取組内容」「その2:将来の展望」といった大枠のテーマだけが与えられ、A4用紙10枚〜15枚程度の「論文」を、ゼロから構成して執筆しなければなりません。 「何を書けばいいか分からない」という状態で白紙のワードファイルを前にして、数日で手が止まって断念してしまうケースが多いようです。

2. 単なる「設備投資」では通らない(革新性の壁)

審査員が最も重視するのは「革新性」です。 単に「古い機械を新しい機械に入れ替えて効率化します」というだけでは、ほぼ間違いなく不採択になります。

  • 他社にはない、自社独自の強みは何か?
  • その機械を入れることで、業界の中でどれほど新しい取り組みができるのか?

これらを論理的に証明する必要があります。自社のことを客観視し、審査員(中小企業診断士など)を納得させるストーリーを作るには、高度な経営知識が求められます。

3. 厳格な「数値計画」の算出

文章だけでなく、3〜5年分の緻密な数値計画(付加価値額の算出)も必須です。 「給与支給総額を年率1.5%以上向上」「付加価値額を年率3%以上向上」といった国の定める厳格な計算式に則って数値を組み上げる必要があり、計算ミスが一つあるだけで要件不備となるリスクがあります。
【ここが落とし穴】 自社申請で最も恐ろしいのは、苦労して書き上げたのに書類の不備で審査すらしてもらえない(形式要件不備)ケースです。専門家なら絶対に犯さないミスで、100時間の努力が水の泡になるリスクがあることは覚悟しなければなりません。


徹底検証①自社申請と専門家に依頼「費用」はどれくらい違う?

1. 自社申請の場合

外部に支払う費用は「0円」で、これが最大のメリットです。 しかし、タダではありません。社長や担当者が申請作業に費やす膨大な時間に対する「人件費(残業代)」や、その間営業活動などができなくなる「機会損失(見えないコスト)」が発生することを忘れてはいけません。

2. 代行・コンサル依頼の場合

一般的な相場は以下の通りです。

  • 着手金::10万円 〜 30万円
    • 書類作成の初期作業費として、採択・不採択に関わらず発生します。
  • 成功報酬:採択金額の 10% 〜 15%
    • 採択された場合のみ支払います。(例:1,000万円採択なら100〜150万円)

合計すると100万円単位のコストになることも珍しくありません。しかし、補助金という成果が得られた時だけ支払うという成功報酬型が多いため、リスクはある程度コントロールできます。

徹底検証②「手間」と「時間」の現実

「自分でやったけど、途中で挫折した」という声が多いのがこの部分です。

1. 自社申請の手間

ものづくり補助金の申請には、以下のような作業が必要です。

  • 公募要領の読解: 約50ページある専門用語だらけのルールブックを読み込む。
  • GビズIDの取得: 行政手続き用のID申請(数週間かかることも)。
  • 事業計画書の作成: 上述の通り、A4用紙10〜15枚分の専門文書を作成。
  • 電子申請: 複雑なシステムへの入力作業。

慣れていない方が上記の作業を一から行うと、トータルで100時間以上かかることも珍しくありません。

2. 代行・コンサル依頼の手間

専門家に依頼した場合、経営者の仕事は以下の3点に絞られます。

  1. ヒアリング: 「どんな事業をしたいか」を口頭で伝える。
  2. 資料提供: 決算書などの必要書類を渡す。
  3. 最終確認: 出来上がった計画書を確認し、申請ボタンを押す。

面倒な「文章化」や「様式の整合性チェック」は全て任せられるため、本業への負担を最小限に抑えられます。

徹底検証③気になる「採択率」の差は?

「専門家に頼めば必ず受かるの?」という疑問に対する答えです。

事務局は「誰が書いたか」を見ていない

審査において、「自社申請だから加点」「代行だから減点」といった差別は一切ありません。

それでも専門家の方が採択されやすい理由

しかし、結果として専門家が支援した方が採択率は高くなる傾向があります。理由は「審査のツボ」を押さえているからです。

  • 審査項目の網羅: 審査員が採点するポイント(革新性、収益性など)を漏らさずアピールできているか。
  • 加点項目の活用: 「賃上げ表明」や「事業継続力強化計画」など、取れる加点をすべて取っているか。
  • ストーリーの明確さ: 第三者が読んでも「なるほど、これなら儲かるな」と納得できる論理構成になっているか。

自社申請の場合、熱意はあるものの「独りよがりな文章」になってしまい、審査員に伝わらず不採択になるケースが少なくありません。

自社申請?専門家へ依頼?判断するためのフローチャート

ここまでの比較を踏まえ、自社はどちらを選ぶべきか判断しましょう。

「自社申請」にチャレンジすべき人

  • 文章を書くのが得意・苦ではない。
  • 比較的時間に余裕があり、100時間程度の作業時間を確保できる。
  • ITツールや電子申請の操作に抵抗がない。
  • 万が一「不採択」になっても、修正して次回再挑戦する根気がある。

「代行・コンサル」に依頼すべき人

  • 本業が忙しく、まとまった執筆時間を確保できない。
  • 文章作成やPC作業が苦手。
  • 多少費用がかかっても、「採択」という結果にこだわりたい。
  • 事業のアイデアはあるが、それをどう計画書に落とし込めばいいか分からない。


失敗しない申請方法の見極め方

もし「専門家への依頼」を選んだ場合、業者選びで失敗しないための注意点があります。 「代行」と名乗っていても、単なる入力代行から高度なコンサルティングまで質は様々です。

  1. 「認定経営革新等支援機関」であるか
    • ものづくり補助金は、国の認定を受けた機関(認定支援機関)のサポートが必須要件となるケースがほとんどです。必ず資格の有無を確認しましょう。
  2. 「完全代行(丸投げ)」はNG
    • 「IDとパスワードを預けてくれれば、勝手に申請しておきます」という業者は規約違反であり、非常に危険です。
    • 申請ボタンは、必ず事業者自身(社長など)が押す必要があります。
    • 行政書士や中小企業診断士に依頼することもできません。
  3. 「代行」か「コンサル」か
    • 単に言われたことを書くだけの「代行屋」ではなく、事業計画のアイデア出しや市場分析から相談に乗ってくれる**「コンサルティング能力のあるパートナー」**を選びましょう。


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今回の記事はものづくり補助金の解説ですが、それ以外にも自社が対象となる補助金・助成金を無料診断してみませんか?GVA 補助金診断では、3分程度の簡単な入力で、自法人に合った補助金・助成金や受給金額のシミュレーションができます。
診断だけでなく、認定経営革新等支援機関である株式会社ライトアップの支援担当とのオンライン相談もできますので、ものづくり補助金を含め、補助金・助成金について検討している場合は、考え込むよりもまずは行動してみることをおすすめします。

自社に合った申請方法を選びましょう

ものづくり補助金の申請は、単なる「書類作成」ではなく、自社の未来の設計図を描く重要なプロセスです。

  • コスト削減を最優先し、経験としてノウハウを蓄積したいなら自社申請。
  • 時間をお金で買い、採択の確実性を高めたいなら代行・コンサル依頼。

重要なのは、補助金をもらうこと自体ではなく、その先にある「事業の成長」です。 自社のリソース(ヒト・カネ・時間)と相談し、後悔のない選択をしてください。

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