【2025年版】スタートアップが知っておきたい補助金・助成金一覧

補助金申請
投稿日:2025.11.18
【2025年版】スタートアップが知っておきたい補助金・助成金一覧

革新的な技術やアイデアで世の中を変えようとするスタートアップにとって、事業を軌道に乗せるまでの資金調達は大きな課題です。

VC(ベンチャーキャピタル)からの出資や金融機関からの融資と並び、有力な資金調達手段の一つとなるのが、国や地方公共団体が提供する「補助金・助成金」です。ニュースで「宇宙関連スタートアップに大型補助金」といったトピックを目にして自社でも活用できないかと考えた方もいらっしゃるかと思います。

しかし、補助金・助成金は種類が非常に多く、制度も複雑です。「申請が難しそう」「創業間もない企業は対象外ではないか」といったイメージから敬遠している会社もあるでしょう。本記事では、イノベーション志向のスタートアップ経営者が知っておきたい補助金・助成金の活用事例や例を解説します。

補助金・助成金はスタートアップでも利用できる

まず結論ですが、スタートアップ企業であっても、補助金・助成金は問題なく利用できます。むしろ、新たな産業の創出やイノベーションの促進を目的とした制度(創業支援補助金など)は数多く存在します。

「補助金」と「助成金」の違い

まず、似た言葉である「補助金」と「助成金」の違いについて簡潔に触れておきます。

助成金

  • 主に厚生労働省系(雇用、労働環境改善など)が多い
  • 定められた要件を満たせば、原則として受給できるのが特徴(例:従業員を正社員化した、育休制度を整備した、など)


補助金

  • 主に経済産業省系(事業拡大、研究開発、設備投資など)の政策目標達成のために用いられる
  • 公募期間内に事業計画書などを提出し、審査を経て「採択」される必要がある
  • 予算が定められており、応募者多数の場合は、より優れた事業計画が選ばれる


これらの違いにより、スタートアップが事業の核となる研究開発や販路開拓で活用を検討するのは主に後者の「補助金」になることが多いですが、人材採用のフェーズでは「助成金」が役立つ可能性もあります。

以下のページでは、法人の設立時、創業フェーズで利用できる補助金や助成金を紹介しています。スタートアップでも利用できる一般的な補助金について触れているので、ぜご参考ください。

参考リンク:法人の設立時・創業時に申請できる補助金・助成金を解説

分野によってはスタートアップが対象の高額の補助金もある

宇宙開発、AI、量子コンピュータ、カーボンニュートラル、先端素材、ライフサイエンスなどディープテックと呼ばれる分野は、国の成長戦略や政策目標と合致することもあります。そのため、これらの領域におけるイノベーションを推進するため、数千万円から数億円規模の大型補助金(研究開発支援)が組まれることもあります。

ただし、こうした大型補助金は、創業から間もないスタートアップにとって、申請のハードルが非常に高いことも事実です。

  • 求められる計画の解像度:技術的な優位性や革新性はもちろん、市場規模、事業化までの明確なロードマップ、社会実装された際のインパクトなどを精緻に示した事業計画が求められます。
  • 実績や体制:「アイデアはあるが、まだ何も着手していない」という段階では採択は難しく、一定の研究開発実績(PoC:概念実証の完了など)や、それを遂行できるだけの研究開発体制(専門人材の確保)が問われます。
  • 資金力:補助金は、原則として事業費の全額ではなく、一部を補助するものです。つまり、残りの自己負担分を賄えるだけの自己資金(またはVCからの調達資金や融資など)がすでにあることが前提となります。 また、補助金は原則「後払い」のため、事業期間中の経費をすべて立て替えるだけのキャッシュフローが必要です。


シード期やアーリー期のスタートアップが単独で応募するのは難しい場合もありますが、自社の技術領域に関連する大型予算の存在を知っておくことは、将来の事業戦略を描く上で有用になります。

特定領域のスタートアップ向けの補助金・助成金

参考例として、ディープテック領域など、特定のイノベーション分野を対象とした、より専門的で大型の制度を3つご紹介します。

1. NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のディープテック・スタートアップ支援基金

  • 概要:NEDOは、日本の技術開発を推進する国立研究開発法人です。その中でもディープテック系スタートアップ、GX(Green Transformation)分野のスタートアップを対象とし、技術シーズの実用化開発・事業化を支援するものです。
  • 対象分野:技術の確立や事業化・社会実装までに長期の研究開発と大規模な資金を要し、リスクは高いものの国や世界全体で対処すべき経済社会課題(カーボンニュートラル、資源循環、経済安全保障等)の解決にも資すると考えられる革新的な技術の研究開発


2. SBIR(中小企業技術革新制度)

  • 概要:「中小企業技術革新制度」とも呼ばれます。各省庁(経済産業省、文部科学省、環境省、国土交通省など)が提示する「研究開発課題(テーマ)」に対し、スタートアップ等が応募する形式の補助金制度です。
  • 対象分野:宇宙、ロボット、防災、先進医療・農業などの先端技術分野など、国の政策課題に直結したテーマが設定されます。


3. 事業再構築補助金(グリーン成長枠)

  • 概要:国が掲げるグリーン成長戦略における14分野の課題解決に関する取組を実施する事業者を対象とする補助金の申請枠です。元々はコロナ禍からの事業転換を支援する目的でしたが、現在は「成長分野への大胆な事業再構築」を支援する制度となっています。
  • 補助上限額:企業規模にもよりますが、最大1.5億円(グリーン成長枠)など、非常に大型のものもあります。

補助金・助成金の申請に必要な登記変更や登記簿謄本が必要になったら

補助金や助成金の申請における添付書類の代表格が法人の登記簿謄本(登記事項証明書)です。
書類の用意はもちろんですが、その内容にも注意が必要なことをご存知でしょうか?

  • 補助金対象の自治体に本店や支店の登記が必要になる
  • 補助金の対象となる事業目的が登記簿謄本内にも記載されていなかった
  • 代表者や役員の住所変更時の登記を申請しておらず、古いままになっていた


このようなことがあれば、審査通過以前の問題ですし、慌てて登記申請したとしても補助金申請の締切に間に合わないという可能性があります。

今後補助金申請を検討している方は、現在の登記簿謄本の内容を確認して、必要なら時間に余裕をもって変更登記を申請しておきましょう。
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執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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