ものづくり補助金は個人事業主でも申請できる?対象種類・金額、注意点を解説

補助金申請
投稿日:2025.11.27
ものづくり補助金は個人事業主でも申請できる?対象種類・金額、注意点を解説

「補助金」と聞くと、自社とは関係ないと思ってしまったり、中でも特に「ものづくり補助金」という名称からは、「在庫を持たないサービス業や、個人事業主の私には関係ない」と判断してしまう方もいらっしゃるかもしれません。ですが、ものづくり補助金こそ革新的なサービスを開発する個人事業主も対象になり得るということをご存知でしょうか?

この記事では、個人事業主の方に向けて、ものづくり補助金の基礎や条件から、採択されるためのポイント、注意点を解説します。

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前提として、補助金・助成金は個人事業主でも利用できる

まず大前提として、国の支援制度である「補助金」や「助成金」は、法人のためだけのものではありません。個人事業主(フリーランス)であっても、要件さえ満たせば問題なく申請・受給が可能です。
ただし、全ての制度が使えるわけではありません。まずは「助成金」と「補助金」の違いを理解し、個人事業主が狙うべき立ち位置を把握しましょう。

助成金:雇用関係がメイン(個人事業主にはハードルが高め)

一般的に「助成金」と呼ばれるものの多くは厚生労働省が管轄しています。これらは「雇用の安定」や「職場環境の改善」を目的としています。

  • 特徴: 要件を満たせば受給できる可能性が高い。
  • 個人事業主にとっての壁: 雇用保険の適用事業所であることが前提となるケースが大半です。つまり、従業員を一人も雇っていない個人事業主(一人社長的な動き方)の場合、対象外となることがほとんどです。


補助金:事業成長がメイン(個人事業主のチャンスあり)

一方で「補助金」は、経済産業省や中小企業庁が管轄しています。これらは「事業の発展」「生産性の向上」「創業支援」を目的としています。

  • 特徴: 審査があり、採択されないと貰えない(コンテスト形式)。
  • 個人事業主にとってのメリット: 雇用していなくても、「これから新しい事業を始めたい」「システムを入れて効率化したい」という事業計画そのものが評価対象となります。そのため、一人でビジネスをしている個人事業主でも十分に採択のチャンスがあります。

これからビジネスを拡大したい、法人成りを視野に入れているという方にとって、狙うべきは補助金といえます。

個人事業主の補助金の選択肢のひとつが「ものづくり補助金」

数ある補助金の中で、最大規模の金額と知名度を誇るのが「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)」です。

「ものづくり」=「製造業」だけではない

この名称のせいで誤解が生まれている可能性もありますが、正式名称に「商業・サービス」とある通り、製造業以外のサービス業、小売業、IT業、コンサルティング業なども等しく対象です。在庫を持たないビジネスモデル(無形商材の販売、コンサルティング、デジタルコンテンツ販売など)であっても、「新しいサービスを開発する」「提供プロセスを劇的に改善する」ための投資であれば申請可能です。

個人事業主に合致しやすい事業領域

「在庫を持たないビジネス」を展開する個人事業主の場合、以下のような投資計画が対象になり得ます。

  • Webプラットフォームの開発:既存のプラットフォーム(ココナラやLancersなど)に依存せず、自社独自の顧客マッチングシステムや予約・決済システムを構築し、新サービスとして展開する。
  • 業務プロセスの自動化(DX):これまで手作業で行っていたコンサルティングレポート作成を、AIや専用ツールを導入・カスタマイズして自動化し、提供スピードと品質を劇的に向上させる。
  • オンラインスクールのシステム構築:対面で行っていた講座をオンデマンド化し、新たな顧客層を獲得する。

つまり、「あなたの知識やスキルを、システムやツールを使って『新しいサービス』として製品化する」ための費用が対象になるのです。

個人事業主でもチャレンジしやすいものづくり補助金の種類

ものづくり補助金にはいくつかの申請「枠」があり、それぞれ目的や要件が異なります。個人事業主、特に在庫を持たないビジネスモデルの方が狙いやすい枠を以下で紹介します。 ※公募回によって名称や要件が変更されるため、最新の公募要領を確認してください。

1. 製品・サービス高付加価値化枠

最もスタンダードな枠です。2025年現在はこの枠、もしくは「グローバル枠」の2つがありますが、個人事業主にとっては現実的でないため、実質的に「製品・サービス高付加価値化枠」が対象になります。

  • 狙い目:革新的な新サービス開発を行う場合。
  • 個人事業主へのメリット:単なる機材購入ではなく、「自社独自の強みを生かした新サービス」を作る場合に適しています。例えば、独自のノウハウをアルゴリズム化した診断ツールの開発などが該当します。
  • 金額:従業員数にもよりますが、750〜2500万円(補助枠の設定もあり)

個人事業主がものづくり補助金を申請する際の注意点

ものづくり補助金は金額が大きい分、審査や手続きの難易度も高いです。特に個人事業主ならではの「弱点」になりやすいポイントを事前に押さえておく必要があります。

「後払い」であることの資金繰り

補助金は、原則として「事業完了後の後払い」です。 例えば300万円のシステムを発注する場合、先に自腹で300万円を支払う必要があります。その後、完了報告をして検査に合格してから補助金が入金されます。一時的に数百万円の現金が出ていくことになるため、手元資金が十分にない場合は、補助金が入るまでの「つなぎ融資」を検討する必要が出てくるかもしれません。

事業計画書の作成負荷

申請には、10〜15ページ程度の詳細な事業計画書の作成が必要です。

  • 市場分析
  • 競合優位性
  • 具体的な実施体制
  • 3〜5年間の数値計画 これらを、専門家が審査して納得するレベルで書き上げる必要があります。本業を行いながら一人で全て作成するのは、時間的にも精神的にもかなりの負担となります。


賃上げ要件のクリア

ものづくり補助金には必須要件として「給与支給総額の増加」や「事業場内最低賃金の引き上げ」があります。 従業員がいない個人事業主の場合、「給与」という概念がないため混乱しやすいポイントです。個人事業主の場合は、「みなし賃金」や「事業者の所得」などをベースにした独自の計算・誓約が求められることがあります(公募回により規定が異なります)。

個人との取引実績がないベンダーへの発注

補助事業でシステム開発などを発注する際、大手ベンダーの中には「個人事業主とは直接取引しない(与信の問題)」という企業もあります。見積もりを取る段階で、個人事業主としての発注が可能かを確認しておく必要があります。

法人成りのタイミング

もし補助事業実施期間中に「法人成り」をする場合、手続きが煩雑になったり、契約の引継ぎが認められるかどうかの事前確認が必要になったりします。補助金を申請する主体を「個人のまま」にするか「法人化してから」にするかは、戦略的に決める必要があります。

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補助金・助成金の申請に必要な登記変更や登記簿謄本が必要になったら

補助金や助成金の申請における添付書類の代表格が法人の登記簿謄本(登記事項証明書)です。
書類の用意はもちろんですが、その内容にも注意が必要なことをご存知でしょうか?

  • 補助金対象の自治体に本店や支店の登記が必要になる
  • 補助金の対象となる事業目的が登記簿謄本内にも記載されていなかった
  • 代表者や役員の住所変更時の登記を申請しておらず、古いままになっていた


このようなことがあれば、審査通過以前の問題ですし、慌てて登記申請したとしても補助金申請の締切に間に合わないという可能性があります。
今後補助金申請を検討している方は、現在の登記簿謄本の内容を確認して、必要なら時間に余裕をもって変更登記を申請しておきましょう。
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個人事業主も十分可能ですが、準備のハードルが高いことも理解しておきましょう

補助金、中でも「ものづくり補助金」においても個人事業主が申請することは可能です。ただし、リソースの少ない個人事業主であればなおさら、準備の労力が求められることは理解しておきましょう。また、補助金の要件がクリアできても、対象となる事業者との契約条件にも注意が必要です。法人の場合の申請に比べて、前もって確認することが多いという前提で準備することをおすすめします。

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