法人の登記簿謄本(登記事項証明書)は、法務局の窓口に行かなくても取得・閲覧できます。方法は大きく分けて、①登記・供託オンライン申請システムで請求して郵送で受け取る、②同システムで請求して最寄りの登記所や法務局証明サービスセンターで受け取る、③登記情報提供サービスでインターネット上のPDFとして確認する、の3つです。
この記事ではこの3つの方法を手数料と受け取りまでの日数で比較したうえで、それぞれの使い方や注意点を解説します。
法人の登記簿謄本を法務局に行かず閲覧する3つの方法
法人の登記簿謄本を法務局に行かず取得する3つの方法
まずは3つの方法を一覧で比較します。
方法 | 手数料(1通) | 受け取りまでの目安 | 正式な証明書か |
|---|---|---|---|
オンライン請求(郵送受取) | 520円 | 電子納付後、発送〜郵送日数分 | ○ 登記官の証明文あり |
オンライン請求(窓口受取) | 490円 | 最短当日〜翌業務日 | ○ 登記官の証明文あり |
登記情報提供サービス(PDF) | 330円 | 即時表示 | × 証明文なし・参考情報 |
(参考)登記所窓口 | 600円 | 窓口の営業時間内に即日 | ○ 登記官の証明文あり |
出典:法務局「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です」(更新日:2026年2月2日)、法務省「登記情報提供サービスの利用料金等一覧」(令和8年4月1日改定)
登記・供託オンライン申請システムで請求する
「登記・供託オンライン申請システム」(登記ねっと)を使うと、パソコンやスマートフォンから登記事項証明書の交付を請求できます。Webブラウザ上で手続きが完結する「かんたん登記・供託申請」が令和8年2月2日にリニューアルされており、専用ソフトのインストールは不要です。手数料はインターネットバンキングやPay-easy対応ATMで電子納付するため、収入印紙を用意する必要はありません。
受け取り方法は、指定した住所への郵送(1通520円)と、最寄りの登記所や法務局証明サービスセンターでの窓口受取(1通490円)の2種類です。急いでいる場合は窓口受取を選ぶと待ち時間の短縮につながりますが、いずれも法務局での納付確認後に発行されるため、請求のタイミングによって所要時間は変わります。
受付時間は平日午前8時30分から午後9時までで、午後5時15分以降の請求は翌業務日の扱いになる点は覚えておきましょう。
詳しくは登記・供託オンライン申請システムのサイトをご覧ください。
登記情報提供サービスでPDFを取得する
登記の内容だけを確認したい場合は、「登記情報提供サービス」を使うとインターネット上でPDFとして登記情報を取得できます。全部事項(不動産・商業法人共通)の料金は1件330円で、請求後すぐに画面上に表示されます。平日は午前8時30分から午後11時まで、土日祝日も午前8時30分から午後6時まで利用できるため、平日の日中に時間が取りにくい場合はこちらのほうが都合がよいこともあります。
ただし、登記情報提供サービスで取得できるのは登記官の証明文が付かないデータであり、正式な登記事項証明書(登記簿謄本)ではありません。金融機関への提出など、原本の証明力が必要な手続きには使えないことが多いため注意してください。
詳しくは登記情報提供サービスのサイトをご覧ください。登録手順や画面操作の詳細は、登記情報提供サービスとは?利用時間や料金、使い方を解説もあわせてご覧ください。
原則として、無料で閲覧する方法はない
上記のとおり、法人の登記簿謄本をオンラインで確認する方法にはいずれも数百円の手数料がかかり、原則として無料で閲覧する方法はありません。
例外として、法人番号や本店の所在地については、国税庁の法人番号公表サイトで無料検索できます。もっとも、これは登記事項の一部にとどまり、役員や資本金などの情報は確認できません。無料閲覧の可否や登記情報提供サービスとの違いをより詳しく知りたい方は、登記簿謄本はオンラインで無料閲覧できる?登記情報提供サービスを調べましたもあわせてご覧ください。
会社の登記簿は無料で閲覧できるのか、以下の動画でも説明しています。
登記簿謄本(登記事項証明書)の記載内容と使う場面
登記簿謄本とは、会社の基本的な事項を記載した公的書類です。現在は登記情報がコンピューター化されているため、正式には「登記事項証明書」という名称になりますが、以前の名残から「登記簿謄本」「会社謄本」と呼ばれることも多く、いずれも同じ書類を指します。「履歴事項全部証明書」「商業登記簿謄本」といった呼び方も同様です。
なお、登記簿謄本には不動産の権利関係を記録する不動産登記簿謄本と、法人の基本情報を記録する法人登記簿謄本の2種類があります。この記事で扱うのは後者です。
法人の登記簿謄本には、主に次の事項が記載されています。
- 法人の名称・商号(会社名)
- 本店の所在地
- 資本金
- 役員(代表取締役、取締役、監査役等)の氏名
- 発行済株式の数
- その他の登記事項
登記簿謄本は、次のような場面で使用されます。
- 法人と取引を行う際の相手方の調査(取引先が適法に設立されているか、債務超過状態でないかなどの確認)
- 融資(資金調達)の審査(金融機関が財務状況・経営状況を確認するため)
- 法人設立(設立登記の申請書類として)
- 変更登記(本店移転や目的変更などの登記申請書に記載する会社情報の確認)
会社の登記事項に変更が生じた場合、会社法第915条第1項により、2週間以内に変更登記をしなければならないと定められています。社名の変更、本店移転、目的の変更、役員の変更などが生じた際は、登記簿謄本で現在の登記内容を確認したうえで、変更登記の手続きを進める必要があります。
実務でつまずきやすいポイント
登記簿謄本の取得方法を選ぶときは、手数料や日数だけでなく、次の点にも注意が必要です。
一つは、登記情報提供サービスのPDFが「正式な証明書」ではない点です。融資審査や入札参加資格の申請、行政機関への提出など、登記官の証明文が付いた原本が求められる手続きでは、登記情報提供サービスのPDFでは代用できないことがあります。事前に提出先へ、登記事項証明書(原本)が必要か、登記情報の確認で足りるかを確認しておくと二度手間になりません。
もう一つは、利用できる曜日・時間帯の違いです。登記・供託オンライン申請システムは平日午前8時30分から午後9時までの受付ですが、登記情報提供サービスは土日祝日(午前8時30分から午後6時まで)も利用できます。週末に登記情報を確認したい場合は、登記情報提供サービスのほうが選択肢になります。
登記情報提供サービスのPDFで代用してよいかのチェックリスト
- □ 提出先が「登記官の証明文つき」の正式な証明書を求めていないか確認した
- □ 融資審査・入札参加資格など、原本提出が必須な手続きでないか確認した
- □ 社内確認・自己参照が目的であれば、PDF(登記情報提供サービス)で十分
会社情報を変更したときは別途、変更登記が必要
登記簿謄本や登記事項証明書は、あくまで会社情報を「確認」するための書類です。役員や本店所在地など、会社の登記事項そのものを変更するには、別途、変更登記の申請が必要になります。
自分で変更登記を行う場合、必要書類の準備や記載事項の確認に手間がかかります。GVA 法人登記なら、必要な情報をフォームに入力するだけで、本店移転や役員変更など20種類以上の変更登記に必要な書類をオンラインで自動作成でき、オプションの郵送パックを使えば郵送のみで申請まで完了します。
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また、この記事で紹介した登記簿謄本の取得そのものを代行してほしい方は、「GVA 登記簿取得」を使うと、スマホやPCから履歴事項全部証明書などの取得申請ができます。金融機関などへの提出を予定しておらず、登記情報の確認だけで足りる場合はPDFでの取得がおすすめです。
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会社情報を変更したら登記が必要です|GVA 法人登記なら役員変更・本店移転などの書類をオンライン作成・郵送申請
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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