登記事項証明書と履歴事項全部証明書の違いや記載事項を解説

登記簿謄本
投稿日:2024.10.04
登記事項証明書と履歴事項全部証明書の違いや記載事項を解説

国への許認可等の申請、行政への手続き、補助金・助成金の申請、金融機関への手続き、賃貸契約時の手続きなど、会社の登記簿謄本の提出を求められるシーンは多岐に渡ります。いざ登記簿謄本が必要となった場合、過去に取得経験のある方なら問題ありませんが、取得経験のない方は

「登記簿謄本ってどうやって取り寄せればいいの?」

と、困っている方もいることでしょう。
本記事では登記簿謄本の概要と取得方法を分かりやすくご紹介しておりますので、ぜひお読みください。

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登記簿謄本(登記事項証明書)とは?

まずは登記簿謄本とは何かを説明します。会社の登記情報は法務局で管理されていますが、昔は紙ベースの登記簿台帳で管理されておりました。その登記簿台帳から記載事項を全て写したものが登記簿謄本です。

時代が進み、現在では紙ベースでの管理からデータでの管理に移行しました。つまり、「登記簿謄本とは登記簿台帳から記載事項をすべて写したもの」であることから、厳密に言うと、閉鎖謄本を除き、現在は登記簿謄本の取得はできません。

登記簿謄本の取得ができないって…どういうことなのでしょうか?

登記簿謄本とは現在の「履歴事項全部証明書」を指します

結論から言いますと、登記簿謄本とは現在の「履歴事項全部証明書」という書類を指します。「登記簿謄本」という言葉が名残として残ってしまっているためややこしいですが、

登記簿謄本=履歴事項全部証明書

ということになりますので、登記簿謄本の取得とは、履歴事項全部証明書の取得を指します。
※正確にいうと、現在は「登記簿謄本」の取得はできず、登記事項証明書をの取得となります。

履歴事項全部証明書って何?

現在、会社の登記内容を証明する書類として「登記事項証明書」という書類があります。この登記事項証明書には種類があり、その中の「履歴事項全部証明書」が登記簿謄本と同じものを指します。また、各書類には一部の情報のみ記載されている一部証明書と全ての情報が記載されている全部証明書があります。

登記簿謄本=履歴事項全部証明書と覚えておきましょう。

登記事項証明書の種類

  • 現在事項証明書(現在の登記事項が記載されている書類)
    • 現在事項一部証明書
    • 現在事項全部証明書


  • 履歴事項証明書(現在効力がある登記事項と、一定期間内の抹消された登記事項が記載されている書類)
    • 履歴事項一部証明書
    • 履歴事項全部証明書


  • 閉鎖事項証明書(過去に閉鎖された登記事項が記載されている書類)
    • 閉鎖事項一部証明書
    • 閉鎖事項全部証明書


  • 代表者事項証明書(代表者に関する情報が記載されている書類)


履歴事項全部証明書の記載事項

履歴事項全部証明書の主な記載内容は以下の通りです。

  • 会社法人番号
  • 商号 / 原因年月日 / 登記年月日
  • 本店所在地 / 原因年月日 / 登記年月日
  • 公告をする方法
  • 会社設立年月日
  • 目的(事業内容)
  • 発行可能株式総数
  • 発行済株式の総数並びに種類及び数
  • 株券を発行する旨の定め
  • 資本金の額
  • 株式の譲渡制限に関する規定
  • 役員に関する事項 / 資格 / 氏名等 / 原因年月日 / 登記年月日
  • 取締役会設置会社に関する事項
  • 監査役設置会社に関する事項
  • 登記記録に関する事項


履歴事項全部証明書の取得・取り寄せる方法

履歴事項全部証明書は法務局の窓口で直接取得できる他、オンラインで申請し、最寄りの登記所や法務局証明サービスセンターで受け取る方法、オンラインで申請し郵送で取得する方法があります。法務局は大変混み合いますので、時間に余裕がある場合はオンライン申請による郵送での取得をオススメします。

履歴事項全部証明書の主な取得方法は3パターン

  • 法務局の窓口で申請し、直接取得
  • オンラインで申請し、最寄りの登記所や法務局証明サービスセンターで受け取る
  • オンラインで申請し、郵送で取得


履歴事項全部証明書の詳しい取得方法について以下のページもご参考ください。

関連記事:登記簿謄本の取得方法や請求に必要なものを解説

履歴事項証明書の取得申請書

履歴事項証明書の取得申請書の見本と申請書への記載事項は以下の通りです。
申請書は法務局ホームページより取得できます。



申請書への記載事項

  1. 申請人又はその代表者(当該代表者が法人である場合にはその職務を行うべき者。登記事項要約書の項において同じ。)もしくは代理人の氏名
  2. 請求の目的
  3. 請求する書面の通数
  4. 手数料の額
  5. 年月日
  6. 登記所の表示

※記載事項についての詳細は法務局へお尋ねください。
法務局ホームページはこちら

履歴事項全部証明書の有効期限

履歴事項全部証明書自体には有効期限は定められておりませんが、提出先ににより期限を定めている場合があり「3か月以内に取得した履歴事項全部証明書」と定めている場合が多いようです。詳しくは提出先にご確認ください。

履歴事項全部証明書の内容が最新でないことに気づいたら…

履歴事項全部証明書を取得したら、記載内容が最新のものになっているかを必ず確認しましょう。万が一最新の内容でなかった場合は変更登記申請が必要です。例えば代表取締役の引越し、任期満了による役員の変更、オフィスの移転など、登記申請を忘れているものがあれば早急に変更登記申請が必要です。

変更登記申請の期限について

変更登記の期限は、変更が生じてから2週間以内という規則があります。例えば会社の引越しをしたらオフィス移転日から2週間以内に申請が必要です。2週間以上過ぎている場合は早急に変更登記申請を済ませましょう。

関連記事:あなたの会社、 登記変更期限に 間に合いますか?

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・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
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・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション

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ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

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・印鑑届出書
・就任承諾書(役員就任・重任)
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・準備金・剰余金の額に関する証明書(剰余金の資本組み入れ)
・総社員の同意書(合同会社)
・業務執行社員の同意書(合同会社)

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さいごに

今回は、会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の概要と取得方法を解説しました。「登記簿謄本とは履歴事項全部証明書のことを指す」と覚えておきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

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