会社が新たに株式を発行し、株式を引き受けてもらうのと引き換えに出資金を得ることを「増資」「出資」「新株発行」と呼んだりしますが、会社法上の名称は「募集株式の発行」といいます。
融資と並んでよく用いられる資金調達方法ですが、急成長するスタートアップにおける資金調達や、資本提携によってステークホルダーを増やすなど、資金面はもちろんですが、経営における戦略的な打ち手になることもあるのが特徴です。
募集株式の発行は融資と比較すると社内での決定の手続きは多くなります。入金や着金などの金銭面の処理に加え、株主総会の開催〜決議、決議後の登記申請が必要になります。
登記申請の手続きは従来であれば司法書士にお願いするのが一般的でした。たしかに増資は他の登記申請に比べると頻度も少なく、発生したら考えればいいという面もあるでしょう。ただ、いざ発生すればなるべく手間のかからない方法、節約できる方法を探す方も多いようです。
その代表的な方法が「自分で申請する」ことです。法務局のWebサイトではPDF形式のテンプレートも配布されていますが知識のない方が独力で申請するのは現実的でないという課題がありました。
ですが、この数年、司法書士に依頼せずにインターネット上のWebサービスを利用して申請する選択肢が増えてきました。当初は認知度も低かったですが徐々に利用者数も増えていると思われます。
本記事では、従来の司法書士に依頼する場合の課題から、依頼しないでWebサービスを活用して申請する方法、法的に問題ないのか?利用して問題がないのか?といった疑問にお答えします。
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司法書士に募集株式の発行(増資)の登記申請を依頼する場合の課題
募集株式発行の登記申請を司法書士に依頼して済むのであればそれに越したことはありませんが、なぜWebサービスを利用して自分で申請するケースが増えているのでしょうか?それを知るにはまず、司法書士に依頼する際の問題点を確認しましょう。
大別すると以下のような問題が考えられます。
- 5万円程度の報酬が発生する
- 司法書士に依頼して書類の作成や申請を代理してもらいますので、依頼した業務に対する報酬が必要になります。依頼先や内容によっても異なりますが、新株発行では報酬の相場は5万円前後となっています。
- 報酬額の詳細については、以下の記事もご参考ください。
関連記事:法人登記における司法書士の報酬・手数料を解説
なお、報酬に加えて登録免許税などの費用がかかりますが、これはどんな方法で申請しても必要です。
- 時間や手間がかかる
- 司法書士に依頼すれば基本的には丸投げでできますが、どの司法書士に依頼するのかを比較・問い合わせたり、依頼先を決めたら登記申請する内容の打ち合わせも必要になります。相手があることなので、平日の日中にせざるをえないこともあり、本業の負担になることもあります。
創業間もない会社であれば数万円でも節約したいですし、日中に社長が本業以外の業務に数時間取られてしまうのはできれば避けたいと考えるでしょう。ただし、募集株式の発行は、決定事項や用意する書類が多く、資本金額や株式数の変動も伴うため、比較的難易度の高い手続きといえるため、専門家を持っている専門家に依頼することが望ましいケースもあるでしょう。
Webサービスを使って募集株式の発行の登記を申請するメリット
では司法書士に依頼せずにWebサービスを利用して登記申請するのにはどんな違いがあるのでしょうか?直接のメリットは上述した課題を解決するポイントが中心です。
- 費用が安い
- サービスや申請する登記種類にもよりますが、数千円〜1万円程度で申請書類が作成できます。書類を作成したら自分で印刷・製本して申請したり、オプションで印刷・製本をおまかせしたり、登録免許税納付のための収入印紙を同時購入できるものもあります。
- 司法書士に依頼する場合は、書類作成から申請までを報酬内で完結できますので単純な比較が難しいですが、どちらにしても自分が必要な部分だけを選んで安価に申請することが可能です。
- なお、本記事で紹介しているGVA 法人登記であれば募集株式発行の登記申請書類作成は1万円(オプション除く、税抜)となっています。
- 短時間かつ時間を選ばない
- Webサービスであれば、入力作業のみなので、早ければ10分程度で完了します。早朝や夜間、週末などに作業をすることも可能です。作業時間が短いことはもちろんですが、本業が忙しいタイミングを避けて申請できるのは大きなメリットになります。
募集株式の発行では、登記申請書自体に加えて、株主総会議事録や出資金の払込みを証する書類の添付が必要です。Webサービスにおいてもこれら添付書類は一緒に作成されますので、株主や株式数が多くないような複雑な背景でなければWebサービスでも十分に対応可能です。
この方法は、できるだけ時間を効率化したり、やったことなくても自分で調べることに抵抗がない方にとっては向いている方法といえます。反対に、絶対に失敗をしたくなかったり手厚いサポートを期待する方は司法書士に依頼するのが妥当です。特に企業価値や株価の算定は公認会計士などのサポートも必要になる場合がありますので、他の登記申請に比較すると注意深く検討されることをおすすめします。
募集株式の発行の登記申請書類が作成できるWebサービスとは?
では実際にどんなサービスがあるのでしょうか?2022年の時点で、国内では本サイトで提供するGVA 法人登記に加え、いくつかのサービスがあります。
各社のサービスについては以下の記事でも詳しくまとめているのでご参考ください。
関連記事:ネットで使える商業登記申請支援サービスを徹底比較。「LegalScript」「変更登記ひとりでできるもん」「GVA 法人登記」を価格、登記種類、機能から表形式で比較
自分で申請することに法的な問題はないのか?本当に申請が反映されるのか?
Webサービスを使って募集株式発行の登記を申請するのは従来はなかった方法ということもあり、利用するのに不安を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。おもな不安としては以下の2つがあげられるでしょう。
- 自分で書類するとはいえ、司法書士以外のサービスを利用することに法的な問題はないのか?
- この方法で申請して本当に申請が反映されるのか?できなかった場合の対策はあるのか?
法律では、登記の申請を業として受任できるのは司法書士(と弁護士)のみに認められています。もちろん自分で申請することは問題ありませんので、代表者はもちろん会社の管理部門の社員が申請するのも問題ありません。
ではWebサービスを使って申請するのは違法でないのか?という観点ですが、これも問題ありません。あくまでも本記事で紹介したWebサービスは、ご自身の登記書類作成を支援するものであり、作成した書類で行う登記申請もご自身で行っていただくサービスだからです。
また、申請が確実に反映されるか、についてはサービスごとに返金制度や確実に申請できるための機能を用意していることもあります。例えばGVA 法人登記では30日以内の返金保証制度を用意しています。詳しくは各社のサービスサイトを確認いただければと思います。
GVA 法人登記なら、増資(募集株式の発行)の登記書類を自分で作成、法務局に行かずに申請できます
株式会社の増資の登記は、本店移転などに比べると手間がかかる印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?資本金額や株式数に変化が生じたりと、専門知識が求められることもあります。
とはいえ、士業など専門家にお願いするとしてもやりとりに意外に手間がかかるもの・・・でも社内では自分(=代表者や役員)が対応するしかない、という方も多いのではないでしょうか?
GVA 法人登記なら、申請する登記に合わせた変更情報を入力すれば手続きに必要な書類を最短7分、10,000円(税別)で自動作成。法務局に行かずに申請できます。通常の増資に加え、DES(債務や貸付金の株式化)にも対応しています。
書類作成だけでなく、印刷や製本、登記反映後の登記簿謄本(登記事項証明書)の取得をサポートするオプションプランも充実。申請に必要な収入印紙もセットで購入できるので、増資額が大きい場合の印紙購入があっても安心です。
募集株式の発行についての詳細はこちら
ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます
登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。
本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。
GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(募集株式の発行の場合)
- 登記申請書
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 払込証明書
- 取締役会議事録
- 総数引受契約書
- 資本金の額の計上を証する書面
- 会計帳簿(DESの場合)
さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。
オプションのかんたん郵送パックを利用すれば、書類作成後、押印し郵送するだけで登記申請ができるため、法務局に行かずに登記申請が可能です。仕事が忙しく法務局に行く時間がない方や、効率的に手続きを進めたい方におすすめです。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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