商業登記簿を使って取引先の信用を調査する方法

登記事項証明書
登記事項証明書

みなさんは商業登記簿という言葉を聞いたことがあるでしょうか。商業登記簿とは、簡単にいうと「会社法などで定められた登記すべき事項(商号・本店・資本金・役員など)が記載されたもの」です。

国(法務局)が記録して一般に公開される情報ですので、その信用度は高く取引先の信用調査の第一段階として、商業登記簿のチェックは欠かせません。今回は、商業登記簿を使って取引先の信用を調査する方法を解説します。

なぜ商業登記簿を見るのか

多くの方は、「インターネットで探せば会社概要が出てくるのでは?」と考えるでしょう。しかし、その情報は正しいとは限りません。不特定多数が書き込むインターネットで正しい情報を正確に見抜くことは至難の業です。


一方、商業登記簿は会社法や商業登記法などで記載すべき事項が決まっています。もしウソの情報を記載すると刑法157条の公正証書原本不実記載罪に該当する場合があります。

つまり、商業登記簿に記載された情報はとても信用度が高いわけです。


商業登記簿のチェックポイント

商業登記簿を調べる方法には、以下の2つがあります。

・法務局の窓口または郵送で登記事項証明書を請求する。

・インターネット上で登記情報提供サービスに登録し、登記情報を請求する。


また、法務局で請求できる証明書には、いろいろありますが取引先の信用調査をするなら、履歴事項全部証明書を請求しましょう。現在の情報および請求日の3年前に属する日の1月1日以降の情報が記載されており、より多くの情報を入手できるからです。


なお、登記事項で下線が引かれているものが出てくるときがあります。これは抹消事項ですので、何らかの変更があったことを示しています。

本来なら、隅々までチェックすることが望ましいですが、今回はチェックポイントを絞って説明します。


会社法人等番号をチェック

 会社法人等番号は会社ごとに付与され、基本的に変更はされません。検索の際に同一会社名がヒットする場合や会社住所から特定しづらい場合は、会社法人等番号を頼りに会社を特定するといいでしょう。


 なお、初めの4ケタは「登記所コード」、次の2ケタは会社形態(株式会社・有限会社など)、最後の6ケタは法務局で登記した順に付した番号を表します。


商号は変わっていないか?

商号とは会社名のことです。商号を変更するにはそれなりのコスト(たとえば看板・名刺・印鑑などの変更コストや取引先に覚えてもらう手間)がかかりますので頻繁に商号が変わっている際は、「そこまでの代償を払ってまで商号変更した理由は?」と考えてください。旧商号で検索すると不祥事などのネガティブ情報が見つかる可能性があります。


なお、「商号が変わっている=怪しい」ではありません。「会社設立○○年の節目で会社名を変更」「サービス名に統一する」「合併による会社統合のため」などの理由で商号変更を行う会社も多数存在します。


本店はどこ?

本店とは会社法上「会社の住所」を指します。ちなみに、本社とはその会社の中枢機能を有する拠点のことで、法律用語ではありません。本店を地図アプリなどで検索し、ピンポイントで出てこなかった場合は「実際の本店と登記簿上の本店が異なっている」という可能性があります。


また、本店はその会社の基盤であり、急激に成長しているなどの特殊な事情を除き、頻繁に本店移転は行われません。本店を変更することは会社として重大な決断です。それを特段の事情がないにもかかわらず、頻繁に繰り返している場合は、少し注意しましょう。


なお、例外として、

・登記している本店住所は「創業の地」であり本社機能は別住所

・当初は自宅で事業を行っていたが事業所を持った(自宅なので変更の必要がない)

ということもあります。


本店と本社が違う会社は数多く存在しますので、「本店と本社が違うから怪しい」とはなりません。これは商業登記簿のみでは判断できず、企業の実態調査が必要です。


会社成立年月日はいつ?

 会社成立年月日とは「会社設立の登記をした日」のことです。この事項だけは商業登記簿上変更できません。ちなみに、創業は「会社登記前に個人事業として始めた日」として使われることが多いです。


 一般的には、設立が古いと老舗の会社で信用できると考えるでしょう。しかし、実際には、設立は古いが長い間休眠会社だった、古い会社を買収したといったこともあり得ます。会社成立年月日が古い会社だから大丈夫という考えは捨て、あくまで1つの情報として考えることが重要です。


会社の目的は?

商業登記簿の目的欄には会社の事業内容が記載されます。会社は基本的に登記された目的を中心に事業を行っています。


新規事業を開始するために事業内容を変更することはよくありますが、あまりにも頻繁に事業内容を変更したり、本業に全く関係ない事業が記載されていたりする場合は少し注意しましょう。


なお、商業登記簿の目的欄の事業内容と国の許認可は一致しません。たとえ、許認可については実際に事業を行うまでに取得すれば良いものもありますので、許認可を取得していない状態でも、目的欄に事業として記載されている場合もあります。


資本金の額は?

資本金とは、「株主が会社に出資したお金」のことです。会社法上、資本金1円でも株式会社を設立することはできます。しかし、実際には定款認証や登録免許税として20万円ほどかかりますので、1円だけで株式会社を設立することはできません。

また、資本金が多ければ多いほど信頼できるかといえば、一概にそうとも言えません。確かに、資本金が多ければ一定の規模感の会社であると判断はできますが、資本金の額がそのまま現金や預金として会社は保有しているとは限りませんので、資本金だけでは財務状況を把握することはできませんので、注意しましょう。

役員は頻繁に変わっていないか?

会社の取締役や監査役を役員といいます。役員の就任や退任は商業登記簿で確認できます。まずは役員の氏名で検索してみるとネガティブ情報が見つかる可能性があります。


また、役員が頻繁に変わっている会社は要注意です。グループ会社間の人事異動などの特別な理由があるなら別ですが、役員の交代が多い場合、経営状態が不安定もしくは経営者間での紛争がある可能性もあります。


なお、役員が退任する場合は「辞任・退任・解任」という原因が登記されます。辞任は「役員の自らの意思で辞めること」、退任は「任期満了その他の資格喪失で退くこと」、解任は「会社側の意思決定で強制的に役員を辞めさせられること」を指します。


まとめ

今回は商業登記簿を使って取引先の信用を調査する方法について解説しました。商業登記簿を使えば信用度の高い情報が手に入りますので、これを使わない手はないです。まずは、今回記載した7つのポイントを使って取引先の信用を調査してみてください。


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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)

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