補欠監査役の選任について解説します

役員変更(監査役)
投稿日:2024.01.25
監査役

株式会社の監査役の人数は定款により定められますが、監査役の任期途中の辞任や解任、死亡などの理由により、必要人数を欠けてしまう場合があります。このような場合に備えて補欠の監査役を選任しておくことが可能です。本記事では、日本監査役協会の「補欠監査役選任制度に関するQ&A集」を参考に「補欠監査役選任制度」について解説します。

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監査役とは

補欠監査役の前に、まずは監査役について説明します。監査役は株主総会で選任され、取締役および会計参与の職務の執行を監査する役割があります。一般的には会社の規模を問わずに計算書類等の監査を行う会計監査と、取締役の職務の執行を監査する業務監査の役割があります。

具体的な監査内容

  • 取締役が職務を執行するにあたり、法令や定款に違反する不当な行為を行っていないか
  • 取締役が忠実に義務を遂行し、善管注意義務に違反していないか
  • 会社法が定める計算関係書類等の内容が、適正に処理されているか


監査の過程で不当だと判断した場合は、主に以下の任務を遂行します。

  • 取締役会(設置していない場合は取締役)への報告
  • 株主総会への報告
  • 違法行為の差し止め請求
  • 取締役との間の訴えにおいて会社を代表すること


役員(取締役・監査役・会計参与)の任期

役員の任期については、以下のように期間が定められています。

  • 取締役:原則として2年
  • 監査役:原則として4年
  • 会計参与:原則として2年


原則として、それぞれの任期は、選任後、上記の期間内に終了する最終事業年度に関する定時株主総会の終結の時までですが、取締役・監査役及び会計参与の任期については、非公開会社の場合、10年まで任期を伸長することができます。

ここで一つ注意が必要なのですが、役員の任期満了日を迎えた場合、定時株主総会にて「任期満了による退任」か「次期継続(重任)」の判断をする必要がありますが、「うっかり任期満了日を忘れていて手続きを怠ってしまった」という話しをよく聞きます。特に任期を10年に伸長している場合は、各役員の任期満了日がいつなのかをしっかりと管理しておくよう注意しましょう。


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補欠監査役選任制度とは?

「補欠監査役選任制度」とは、法令または定款で定める監査役の人数が、次期定時総会までの間に任期途中の辞任や解任、死亡などの理由により欠けることになる場合に備え、予め定時総会または臨時総会で監査役の補欠を選任しておき、監査役の人数が法令または定款で 定める数を欠いたときは、予め選任されている「補欠監査役」が「監査役」に就任することができるというものです。

「補欠監査役選任制度」は、平成15年4月9日付け法務省民商第1079号により
通知された「定時株主総会における社外監査役補欠者の予選の可否について(通知)」
によって認められることになりました。

参考資料:補欠監査役選任制度についての法務省の解説 

補欠監査役選任制度が創設された背景

株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律が適用される大会社については、社外監査役を半数以上選任しなければならないとされており、選任しなかったときは100万円以下の過料に処せられます。

その為、任期途中の辞任や解任、死亡により社外監査役の必要人数が欠けてしまった場合は、臨時株主総会を開催して後任者を選任するか、裁判所に仮監査役の選任を請求する必要がありました。

しかし、臨時株主総会の開催には多額の費用がかかることや、定時株主総会の直後であった場合は、直ちに臨時株主総会を開催できない可能性があります。

このような不測の事態に備え、法律または定款で定める人数よりも多い社外監査役を選任する会社が多く見られ、結果的に報酬の支払いや対応が会社にとっての負担となっています。

このような状況を改善するため「補欠監査役選任制度」が創設されました。この制度の適用により、予め補欠の監査役を選任することが可能となり、必要人数を欠けた際には、予め選任されている「補欠監査役」が「監査役」に就任することができることになりました。

なお、社外監査役の他に、社内出身の監査役が欠ける場合に備えても「補欠監査役」を選任することができます。

補欠監査役の選任を行うための手続き

 補欠監査役の選任を行うには、次のような手続が必要です。
 

  • 定款変更(補欠監査役を選任することができる旨を規定)
  • 「補欠監査役」は、監査役が欠けたときは「監査役」に就任することになるので、補欠監査役候補者として株主総会議案とするには、監査役の選任議案と同様に監査役会の同意が必要。
  •  補欠監査役の選任を株主総会議案とするには、その旨の取締役会決議を経て、株主総会招集通知に添付する参考書類に補欠監査役に関する事項を記載しなければならない。
  •  株主総会で補欠監査役選任の決議要件(定足数)は、監査役を選任する場合と同様であり、また、議決した場合には補欠監査役の氏名および補欠監査役である旨を株主総会議事録に明記しなければならない。


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定款に補欠監査役を選任することができる旨を規定した場合は、必ず選任が必要?

定款に「補欠監査役を選任することができる」と規定していれば、会社が必要と考える場合のみ補欠監査役を選任すればよいことになります。しかし、「補欠監査役を選任する」と規定した場合には、補欠監査役を選任しなければならないと解されることになります。

「補欠監査役選任制度」のその他の規定について

補欠監査役選任制度について詳しく知りたい方は日本監査役協会の補欠監査役選任制度に関するQ&Aをご確認ください。本記事で紹介している内容以外にも、以下のような内容が記載されています。

  • 補欠監査役に報酬の支払いは必要か?
  • 「補欠監査役」を選任するための定款の規定について
  • 定款の変更と同時に「補欠監査役」の選任を行うことができるか
  • 「補欠監査役」の選任の効力について
  • 「補欠監査役」の複数選任と就任順序
  • 会社の取締役や従業員を「補欠監査役」に選任することができるか
  • 「補欠監査役」は登記が必要か
  • 「補欠監査役」が「監査役」に就任する場合の手続き
  • 「補欠監査役」が「監査役」に就任した場合の「監査役」としての任期について
  • 「補欠監査役」に選任された者が「監査役」就任を辞退した場合


監査役を変更したら役員変更登記が必要です

補欠監査役は登記の必要はありませんが、監査役の任期途中の辞任や解任、死亡などの理由により補欠監査役が監査役に就任した場合は役員変更登記が必要です。役員変更登記には期限があり、2週間以内に申請する必要があります。

2週間を過ぎてからも役員変更登記の申請は可能で、書類に不備がなければ通常どおり受理されますが、期限を過ぎてからの申請は「登記懈怠(とうきけたい)」となり、代表者個人が過料(100万円以下)の制裁を受けてしまう可能性がありますので注意が必要です。

登記申請期限の起算日について

2週間以内に変更登記申請が必要となりますが、それでは2週間をカウントする初日はいつのなるのでしょうか?答えは、初日不算入の原則により「変更が生じた日」の翌日が起算日となります。例えば監査役が重任した場合は、監査役の重任日の翌日が起算日となります。

ただし、「その期間が午前0時から始まる場合は、初日算入」となります。
株主総会の終結により退任・就任した場合は翌日が起算日となりますが、株主総会の翌日を就任・退任日とした場合は初日が起算日となります。

役員変更登記に必要な登録免許税

役員変更登記申請には登録免許税の納付が必要です。金額は以下の通りです。

  • 資本金が1億円超えの場合:3万円
  • 資本金が1億円以下の場合:1万円


役員変更登記申請を行うには3つの方法があります

役員変更登記申請の方法には主に3つの方法があります。それぞれの申請方法のメリット・デメリットを紹介しますので、自分に合った申請方法をご確認ください。

1.自分で書類の作成から申請までを行う

費用を極力掛けずに申請をする場合は、自分で書類の作成から申請までを済ませることができます。ただし、書類を作成する為には登記についての正しい知識が必要となり、登記申請の経験が無い方には大きな手間が掛かるのがデメリットです。書類を全て揃えるのには大変な時間が掛かりますので、オススメしない方法です。

2.司法書士に依頼する

依頼に際して報酬が発生しますが、これが一番楽で簡単な方法です。司法書士は登記の専門家なので、司法書士へ依頼すれば書類の作成から申請まで任せることができます。自分のリソース(時間)を使わなくて良いことが最大のメリットですが、専門家報酬の支払いが発生する、何回かのやり取りが必要になり、申請までに時間が掛かる場合があるなどのデメリットもあります。

申請期限まで時間があり、予算に余裕がある方は司法書士に丸投げしてしまうことも一つの手ですが、司法書士へ依頼するよりも時間を掛けずに費用を抑えて簡単に登記書類の作成・申請を済ませる方法があります。それは、次に紹介するオンラインサービスを活用する方法です。

3.オンラインサービスを利用する

最近は色々なオンラインサービスが登場していますが、変更登記申請をサポートしているオンラインサービスがあることをご存知でしょうか?司法書士へ依頼する場合に比べ費用を抑えることができ、時間を掛けずに申請を済ませることができますので、費用を抑えて時間を掛けずに登記申請をしたい方はぜひご利用ください。


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まとめ

今回は会社の監査役の補欠選任制度について解説させていただきました。なるべく任期途中の辞任や死亡などがなく任期満了することが望まれますが、万が一の事態に備えて補欠監査役を選任しておくことをオススメします。会社の規模にもよると思いますので、監査役について詳しく知りたい方は日本監査役協会ホームページをご確認ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

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