支配株主等とは?定義や「支配株主」との違いについて解説

企業法務
投稿日:2024.09.24
支配株主等とは?定義や「支配株主」との違いについて解説

「支配株主等」とは証券取引所の「有価証券上場規程」にて使用されている言葉です。


支配株主と聞くと多くの方が親会社を想像すると思いますが、親会社以外にはどういった株主が支配株主になるのでしょうか。

 本記事では、この「支配株主等」の対象や規程について説明します。


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支配株主とは?

「支配株主等」について説明するため、まずは「支配株主」について説明します。

 

「支配株主」とは次の4つのうち、①②のいずれかに該当する者のことを指します。

 

① 親会社(議決権の過半数を所有している等)

 

② 主要株主で、当該主要株主が自己の計算において所有している議決権と、次に掲げる者(③と④)が所有している議決権とを合わせて、上場会社の議決権の過半数を占めているもの)

 

③ 当該主要株主の近親者

 

④ 当該主要株主及び③が、議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等(会社、指定法人、組合その他これらに準ずる企業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。)及び当該会社等の子会社」(証券取引所の資料より引用、一部改)

 

①の親会社は理解しやすいですが、②を言い換えると以下のようになります。

 

  • 主要株主であり、かつ、
  • 当該主要株主が自分の利益のために所有している議決権と、③と④が所有している議決権とを合わせて、上場会社の議決権の過半数を占めている者、かつ、
  • 親会社ではないもの

 

また、③は株主の二親等内の親族のことです。④は主要株主とその二親等以内の親族が、自分の利益のために、議決権の過半数を所有している会社等と当該会社等の子会社のことです。

 

②を言い換えると、以下を合わせれば議決権の過半数になるということです。

 

  • 主要株主が持つ株式
  • 主要株主の二親等以内の親族が持つ株式
  • 主要株主とその二親等以内の親族が、自分の利益のために、議決権の過半数を所有している会社等と当該会社等の子会社が持つ株式

 

つまり「支配株主」とはこれらの場合の①親会社と②主要株主(親会社以外の支配株主)のことになります。


「支配株主等」とは?

「支配株主等」とは上記①・②・③・④又は⑤財務諸表等規則第8条第17項第4号に規定する「その他の関係会社」のいずれかに該当する者のことです。「支配株主」よりも対象が広がることになります。

 

では⑤の財務諸表等規則第8条第17項第4号に規定する「その他の関係会社」とはどんな会社でしょうか。

 

その他の関係会社とは「親会社、子会社及び関連会社並びに財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等」のことです。親会社・子会社はすぐに理解できると思うのですが、関連会社とはどんな会社なのでしょうか。

 

そもそも関連会社には原則として持分法が適用されます。持分法とは投資会社が被投資会社の純資産及び損益のうち投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の額を連結決算日ごとに修正する方法です。 


持分法適用関連会社になる会社の要件

持分法適用関連会社になる会社の要件は以下の通りです。

 

  • 当社が他社の議決権の20%以上を所有している場合
  • 当社が他社の議決権の15%以上を所有している場合であって、「一定の要件」に該当する場合
  • 当社及び特定の者が他社の議決権の20%以上を所有している場合であって、「一定の要件」に該当する場合

 

この「一定の要件」とは、以下の要件です。

 

  • 他の会社の代表取締役、取締役またはこれらに準ずる役職に当社の役員等が就任していること(役員の兼務)
  • 他の会社等に対し、重要な融資、重要な技術の提供、重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること

 

このどちらかの要件を満たすということです。

 

つまり親会社・子会社・関連会社・財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等とは、イメージとしては、自社の属する企業グループのどれかの会社が他社に持分法を適用されている場合のその会社等のことになります。

 

ここまでで「支配株主等」について具体的にイメージしていただけたと思いますが、そもそもこの「支配株主等」という言葉は証券取引所の有価証券上場規程411条の見出し(支配株主等に関する事項の開示)で使用されています。これはどんな規程なのでしょうか?


有価証券上場規程411条とは?

有価証券上場規程411条1項

支配株主又はその他の関係会社を有する上場会社は、事業年度経過後3か月以内に、支配株主等に関する事項を開示することが義務付けられています。


有価証券上場規程411条2項

有価証券上場規程411条2項により、上場会社に親会社等が存在する場合には親会社等の四半期財務諸表等を開示する必要があります。

 

「親会社等」とは親会社と上記の「その他の関係会社」又はその親会社のことです。 


開示書類:「支配株主等に関する事項について」

上場規程第411条第1項、施行規則第412条に基づいて開示される書類である「支配株主等に関する事項について」では以下の項目の開示が必要になります。

 

a.親会社、支配株主(親会社を除く。)、その他の関係会社又はその他の関係会社の親会社の商号等

商号以外には以下を記載します。

 

  • 上場会社の議決権に対する所有割合
  • その発行する株券等が上場されている金融商品取引所等の商号又は名称

 

b.親会社等が複数ある場合は、そのうち上場会社に与える影響が最も大きいと認められる会社等の商号又は名称及びその理由

仮に複数の会社等が上場会社に与える影響が同等であると認められる場合は、そのすべての会社について記載し、影響が同等であると認められる理由を記載することになります。

 

ちなみに親会社等が複数でない場合等は、この項目を設ける必要はありません。


c.非上場の親会社等に係る決算情報の適時開示が免除されている場合、その理由

親会社等が、上場株券等の発行者でない場合で、当該親会社等について非上場の親会社等に係る決算情報の適時開示が免除されているときは、当該免除を求めるにあたり当取引所に提示した理由を記載します。

 

d.親会社等の企業グループにおける位置付けその他の親会社等との関係

親会社等の企業グループにおける上場会社の位置付けや親会社等からの独立性の確保の状況等について記載します。

 

e.支配株主等との取引に関する事項

 

f.支配株主を有する場合は、支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策の履行状況

コーポレート・ガバナンス報告書の「支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針」に定める方策の履行状況を記載します。

 

コーポレート・ガバナンス報告書とはコーポレートガバナンス(企業統治)についての会社の取組みや目的などを記載した報告書のことです。東京証券取引所は上場企業に「コーポレート・ガバナンス報告書」の提出を求めています。

 

g.その他投資者が会社情報を適切に理解・判断するために必要な事項

 

まとめ

以上にて「支配株主等」について詳しく説明しました。細かい規定が存在するので分かりにくく感じた方もいらっしゃるかもしれません。

  

支配株主又はその他の関係会社を有する上場会社は、事業年度経過後3か月以内に、「支配株主等に関する事項について」という書類を開示する必要があります。「支配株主等に関する事項について」開示に関わることになった際は、ぜひ本記事をご参考ください。


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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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