会社に対する訴訟を6つの類型から解説します

企業法務
会社に対する訴訟を6つの類型から解説します

会社を経営していく過程では、トラブルから訴訟に巻き込まれてしまう可能性もあるでしょう。会社がかかわる訴訟には様々な類型があり、個人間の訴訟にはない特徴を有している訴訟類型も存在しています。


この記事では、会社に対する訴訟について、関わることの多い6つの訴訟類型を通じて解説します。トラブルとなった場合だけでなく、トラブルを未然に防ぐためにも、どのような訴訟類型があるのかを確認しておく上でご参考ください。


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株主代表訴訟

株主代表訴訟とは、株主が会社を代表して原告となり、取締役などの役員に対して、責任を追及する訴訟のことです(会社法847条1項)。

 

取締役などの役員が会社に損害を与えるなどした場合、本来であれば、取締役会や監査役によって責任追及がされるべきです。


しかし、取締役が問題を起こしたとしても、取締役会のメンバー同士の馴れ合いによって、適切な責任追及がされない危険性があります。また、監査役も会社内部の人間であるため、取締役との個人的な関係から、監督や責任追及を怠る可能性があります。


そのため、会社が役員への責任追及をしない場合でも、株主が責任を追及するために株主代表訴訟が認められているのです。

 

株主であれば誰でも株主代表訴訟を提起できるとすると、言いがかりのような訴訟が提起されてしまう可能性もあるため、株主代表訴訟を提起できる株主は、公開会社の場合は6か月前から引き続き株式を有する株主に限られます。

 

株主代表訴訟は、株主が原告として即座に提起できるものではありません。株主が会社に対して責任追及の訴訟を提起するよう請求してから60日以内に、会社が責任追及の訴訟を提起しなかった場合に限り、株主が原告となって株主代表訴訟を提起することができます(会社法847条3項)。

 

(株主による責任追及等の訴え)
第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。
引用:e-Gov法令検索

 

役員に対する損害賠償請求訴訟

取締役などの役員は、会社と委任関係にあり、業務執行について善管注意義務や忠実義務を負っています(会社法330条)。そのため、役員が任務を怠って、会社に対して損害を与えた場合には、会社に対して損害賠償責任を負います(会社法423条1項)。

 

会社が役員に対して、この損害賠償を請求する場合、監査役設置会社では監査役が会社を代表し(会社法386条1項)、それ以外の会社では代表取締役が会社を代表することになります(会社法349条4項)。

 

ただし、取締役の業務執行は、リスクを伴うもので、会社に損害を与えたとしても、ただちに賠償責任を負うものではありません。取締役の業務執行における経営判断がそもそも不合理であった場合に限って責任を負うことになります。

 

(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用:e-Gov法令検索

役員の解任の訴え

取締役などの役員の職務執行において、不正な行為又は法令もしくは定款に違反する重大な事実があったとしても、その取締役が多数派に属する者である場合には、株主総会での解任議案が否決される可能性があります。


この場合、当該役員を解任する手段が他になければ、多数派による不正な職務執行を抑止することができません。


そこで、持株数などの要件を満たした株主は、会社と役員双方を被告として、役員解任の訴えを提起することができます(会社法854条1項)。


解任の訴えを提起できるのは、解任議案が否決された株主総会の日から30日以内です。解任の訴えの目的は、不正を行った取締役を解任することにあるため、訴訟係属中に当該取締役が退任した場合などは訴えの利益がなくなり、訴訟は却下されます。

 

(株式会社の役員の解任の訴え)
第八百五十四条 役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
引用:e-Gov法令検索

 

役員の地位確認請求訴訟

役員の地位確認請求訴訟は、その者が現に取締役などの役員であることを確認する訴訟のことです。会社法などで特別の規定がある訴訟類型ではありませんが、従業員の地位確認請求訴訟などと同じく、一般的な訴訟類型として認められています。


地位確認請求訴訟とは逆に、役員の地位にないことを確認する、役員の地位不存在確認請求訴訟の訴訟類型もあります。

 

地位確認請求は、取締役であるにもかかわらず、会社がその者を取締役として扱わず、職務執行を認めなかったり、役員報酬の支払いをしなかったりするケースで提起されることが多いです。不存在確認は、退任した取締役が引き続き取締役であるかのように振舞っているケースなどで争われます。


債務不存在確認請求訴訟

債務不存在確認請求は、その名の通り、債務が存在していないことの確認を求める訴訟です。

会社を運営する過程では、取引先や顧客から身に覚えのない請求を受けることもあり得ます。このような場合、話し合いで解決できることがほとんどですが、まれに過剰な請求が続くなどして、業務に支障をきたしてしまうようなこともあります。


裁判は請求する側が提起するのが一般的ですが、債務不存在確認請求は、自身に債務がないことをはっきりさせるため、相手が訴訟を提起する前の段階で自ら訴訟を提起するものです。

そのため、審理の結果として、自身が起こした裁判をきっかけとして債務が認められてしまう危険もあるという点には注意しましょう。


特許権侵害訴訟

会社の業務を原因として、第三者に損害を与えてしまった場合、会社は、第三者に対して不法行為に基づく損害賠償責任を負うことがあります(民法709条)。そして、会社だけでなく、取締役個人も、職務執行によって第三者に損害を与えた場合には、個人として損害賠償の責任を負う可能性があります(会社法429条1項)。

 

特許権侵害が問題となった大阪地裁令和3年9月28日判決では、取締役個人に会社法429条1項に基づく損害賠償責任を認めました。

 

取締役として会社の業務を執行する場合には、特許権侵害など、第三者に損害を与え得る事項全般について、損害賠償責任を負うリスクがあるという点には十分に注意が必要です。

 

(役員等の第三者に対する損害賠償責任)
第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
引用:e-Gov法令検索


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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)

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