会社設立を依頼する費用の相場は?司法書士と各サービス

会社設立サービスの比較
投稿日:2026.10.06
会社設立を依頼する費用の相場は?司法書士と各サービス

会社設立を依頼したときに支払う報酬の相場は、依頼先によって0円から15万円前後まで開きがあります。一方で、公証役場と法務局に納める実費は、資本金100万円未満・電子定款の条件で16万7,000円前後。こちらはどこに頼んでも変わりません。

検索すると「設立代行0円」と「報酬15万円」が同じ画面に並びます。金額がこれほど違うのは、料金に含まれる作業の範囲と、その価格が成り立つ前提条件が違うためです。とくに登記申請の代理まで行えるのは司法書士と弁護士に限られており、ここが報酬差の背景にあります。

この記事では、実費と報酬の分け方、依頼先ごとの相場を並べた早見表、報酬0円が成り立つ3つの前提、見積もりを比べるときの確認点を順に整理します。

会社設立の費用は「実費」と「依頼先に払う報酬」に分かれる

「会社設立 代行 費用」で表示される金額には、性質の違う2つが混ざっています。実費(法定費用)は公証役場と法務局に納めるお金で、依頼先を変えても金額は変わりません。報酬は依頼先に支払うお金で、依頼先によって変わるのはこちらだけです。


株式会社を電子定款で設立する場合、実費の内訳は次のとおりです。


項目

金額

決まり方

定款認証手数料

1万5,000円〜5万円

資本金の額等と定款の内容で変わる

電磁的記録の保存手数料

300円

電子定款の保存にかかる

同一の情報の提供手数料

1,700円前後

1通700円+書面1枚につき20円

登録免許税

15万円〜

資本金×0.7%と15万円の高い方

合計

16万7,000円前後

認証手数料が1万5,000円の場合


定款認証手数料は、2024年12月1日施行の公証人手数料令の改正で区分が増えました。資本金の額等が100万円未満で一定の条件を満たすと1万5,000円、満たさない場合は3万円、100万円以上300万円未満は4万円、300万円以上は5万円です。。条件は「定款認証の手数料は?1.5万円になる条件を資本金で解説」で解説しています。紙の定款を使う場合は、これに印紙税4万円が加わります。

依頼先ごとの費用相場【早見表】

依頼先に支払う報酬の目安と、対応してもらえる範囲を並べると、金額差の理由が見えてきます。


依頼先

報酬の目安

対応範囲

法務局に申請する人

司法書士

5万〜15万円

書類作成+登記申請の代理

司法書士

税理士・会計事務所

0円〜5万円

提携する司法書士が登記に対応

提携先の司法書士

行政書士

3万〜5万円

定款の作成・許認可申請

本人

書類作成サービス

0円〜3万円

設立書類の作成

本人

自分で手続き

0円

すべて自分で行う

本人


報酬の目安は、各依頼先が公開している料金表や相場情報をもとにした金額です。「0円」と表示されている場合は、設立後の顧問契約や会計ソフトの契約が条件になっていることがあります(後述)。


金額差を読み解く鍵は、右端の列にあります。登記申請の代理を業として行えるのは司法書士と弁護士だけで、行政書士や書類作成サービスが対応できるのは書類を作るところまでです。報酬が5万円を超えるかどうかの境目は、おおむねこの線引きと重なります。


どこまで任せられるかの違いは「会社設立はどこまで丸投げできる?依頼先ごとの対応範囲」、自分で進める場合との費用差は「会社設立を自分でやる手順と依頼した場合との費用比較」で比較しています。


司法書士に依頼する場合の相場は5万〜15万円

日本司法書士会連合会の「報酬アンケート結果(2024年3月実施)」によると、株式会社設立登記の報酬の全国平均は10万7,887円でした。発起人2名・資本金500万円の株式会社を発起設立する場合という前提の金額です。回答は8万円台から12万円台に集まっており、5万〜15万円がおおよその相場感になります。


この報酬には、定款の作成から登記申請の代理までが含まれます。依頼したあとに自分で法務局へ出向く必要はありません。


総額を見るときは、実費と前提を揃える必要があります。平均額と同じ資本金500万円なら定款認証手数料は5万円になるため、実費は約20万2,000円、報酬と合わせた総額は31万円前後です。資本金100万円未満で認証手数料が1万5,000円になる条件なら、総額は27万円前後に下がります。



報酬の内訳は「会社設立を司法書士に頼む費用・報酬相場5〜15万円の内訳」で解説しています。


「設立代行0円」が成り立つ3つの前提と、確認したいこと

報酬0円をうたうサービスもあります。無料になる条件は各社が公表しているもので、おおむね次の3つのいずれかです。

1. 設立後の顧問契約が条件になっている

税理士事務所が、設立後の税務顧問契約を条件に設立時の報酬を無料としているケースです。顧問料は契約が続くあいだ毎月発生するため、比べるときは設立時の報酬だけでなく顧問料も合わせて見る必要があります。

2. 会計ソフトの契約・利用が条件になっている

会計ソフトを提供している会社のサービスで見られる条件です。ソフトの有料プランを契約すると電子定款の手数料が無料になる、といった設計になっています。

3. 一部の費用が別建てになっている

サービスの利用料そのものは0円でも、電子定款の作成手数料が別途かかる場合があります。


いずれも隠れた費用ではなく、条件として公開されているものです。見積もりを比べるときは、①0円になる条件は何か、②条件を外れた場合はいくらか、③紙の定款か電子定款かを確認します。③を挙げたのは、紙の定款には印紙税4万円がかかるためです。報酬が4万円安くても、紙定款が前提なら差は相殺されます。(「定款の印紙税4万円はなぜ不要?電子定款との違いを解説」)。

依頼先を選ぶときの判断材料

「どこがいいか」は、手続きのどの部分を自分で引き受けるかによって変わります。判断材料を整理すると次のようになります。


重視すること

候補になる選択肢

費用を最優先したい

自分で手続きする(実費のみ)

法務局に行く手間を省きたい

司法書士(申請の代理まで)

書類作成の負担を減らしたい

書類作成サービス

設立後の税務もまとめたい

税理士(顧問契約とセット)

許認可が必要な業種

行政書士(許認可申請)


GVA TECHが合同会社の経営者228名に実施した調査では、71.5%※が設立手続きを自力で行っていました。定款認証が不要な合同会社が対象の調査ですが、自分で進める人が一定数いることの目安になります。同じ調査で「会社設立の申請方法がわからない」を挙げた人は26.3%おり、つまずきやすいのは書類の作成と申請の工程です。※GVA TECH調べ



設立全体の流れは「株式会社設立の流れ9ステップ|登記申請の方法と費用」、依頼先ごとの料金と対応範囲の一覧は「会社設立サービス比較6選|料金と対応範囲の違いで選ぶ」にまとめています。


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