税理士なしで会社設立はできる?必要になる場面を解説

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投稿日:2026.10.09
税理士なしで会社設立はできる?必要になる場面を解説

税理士がいなくても会社は設立できます。定款の作成・認証と法務局への設立登記の申請には、税理士が関わる工程がありません。税理士の担当は設立後の税務で、その税務も、自分の会社の分であれば自分で申告できます。

「会社設立と顧問契約はセット」と考えがちですが、税理士が必要かどうかは設立の時点ではなく、設立後の事業の規模や取引の内容で変わります。従業員を雇う、消費税の課税事業者になるといった場面で、自分で対応するか、税理士に頼むかの判断が必要になります。

この記事では、税理士なしの場合に自分で行う税務手続きを期限つきで一覧にし、税理士が必要になりやすい5つの場面、設立前に相談しておくと判断材料が増える事項、税理士なしを選ぶ場合の準備を整理します。

会社設立の手続きに税理士は必要ない

株式会社の設立手続きと、それぞれを頼める士業は次のとおりです。


手続き

自分で

頼める士業

定款の作成・認証

できる

行政書士・司法書士

設立登記の申請

できる

司法書士

設立後の税務の届出

できる

税理士


税理士が担えるのは3つ目の届出だけで、定款や登記は業務範囲外です。設立の手数料を割り引く条件として顧問契約を求める事務所もあるため、設立だけを頼みたい場合は条件を確認しておきます。士業ごとの業務範囲は「会社設立は行政書士・税理士に頼める?業務範囲の違い」で比べています。

税理士なしの場合に自分で行う税務手続き【期限一覧】

手続き

期限

法人設立届出書

設立の日以後2か月以内

給与支払事務所等の開設届出書

開設の日から1か月以内

青色申告の承認申請書

設立から3か月を経過した日と最初の事業年度終了日のうち早い日の前日まで

源泉所得税の納付

給与を支払った月の翌月10日まで(納期の特例を受ければ7月10日・1月20日の年2回)

法人税等の確定申告

事業年度終了の日の翌日から2か月以内


出典:国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」「No.2505 源泉所得税の納付期限と納期の特例」


都道府県・市町村にも法人設立届を出します。法人住民税の均等割は赤字でもかかり、資本金1,000万円以下・従業員50人以下の会社では標準税率で年7万円です。


税理士法52条が禁じているのは、税理士でない人が「他人の」税務を代行することです。自分の会社の申告を代表者や社員が行うことは制限されていません。

税理士が必要になりやすい5つの場面

1. 従業員を雇い、給与計算が始まったとき

毎月の源泉徴収に加え、年末調整や法定調書の作成が必要になります。役員1人の会社と比べて、作業量が大きく増えます。

2. 消費税の課税事業者になったとき

設立1期目・2期目は原則として消費税が免除されますが、資本金1,000万円以上で設立した場合は1期目から納税義務があります。1期目の最初の6か月間で課税売上高と給与の支払額がどちらも1,000万円を超えると2期目から、インボイスの登録をするとその時点から課税事業者になります(国税庁「No.6503」)。

3. 在庫や固定資産で決算が複雑になったとき

棚卸資産の評価や減価償却の計算が入ると、法人税申告書の別表の作成が難しくなります。

4. 融資や補助金で決算書を提出するとき

金融機関や補助金の審査では、決算書や申告書の内容が確認されます。

5. 税務調査の連絡が来たとき

調査への立会いや、税務署への意見の申述は、税理士に依頼できる業務です。

設立前に税理士へ相談すると判断材料が増える事項

税理士なしで進める場合でも、設立前に一度だけ相談する方法もあります。設立後に変えにくい次の事項は、税務への影響を知ったうえで決めると判断しやすくなります。


  • 決算月:繁忙期と申告時期が重ならないか、1期目の長さをどうするか
  • 資本金の額:1,000万円以上かどうかで、1期目の消費税の扱いが変わる
  • 役員報酬:損金に算入するには、原則として設立から3か月以内に額を決め、その後は毎月同額で支給する必要がある(国税庁「No.5211」)

税理士なしを選ぶ場合に準備しておくこと

  • 会計ソフトを用意する:仕訳から決算書の作成までを自分で行うため、法人向けの会計ソフトを設立直後から使うと記帳が途切れません
  • 帳簿書類を7年間保存する:確定申告書の提出期限の翌日から7年間(欠損金が生じた年度は10年間)の保存義務があります(国税庁「No.5930」)
  • 電子取引のデータを保存する:メールやWebで受け取った請求書・領収書は、紙に印刷せず電子データのまま保存する必要があります

税理士に頼むかどうかの判断と依頼先の選び方

GVA TECHの調査では、設立前後に接点のある士業の1位は税理士(71.1%)でした(GVA 法人登記ユーザー135社調査)。一方で、合同会社の経営者228名への調査※では、設立手続きを自力で行った人が71.5%にのぼります。設立は自分で行い、税務は事業の状況を見て税理士に頼む、という分け方も選択肢の一つです。※GVA TECH調べ



税理士が会社設立でどこまで支援できるかは「税理士は会社設立をどこまで支援できる?業務範囲を解説」で解説しています。依頼先ごとの料金と対応範囲は「会社設立サービス比較6選 料金と対応範囲の違いで選ぶ」、設立手続き全体の流れは「株式会社設立の流れ9ステップ|登記申請の方法と費用」をご覧ください。


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