権利義務取締役(役員)とは?基礎知識から発生する条件を解説

役員任期
権利義務取締役(役員)とは?

何やら聞き慣れない「権利義務取締役(けんりぎむとりしまりやく)」という単語。

権利義務取締役(役員)とは、取締役や監査役などの役員を任期満了で退任または辞任した後も役員としての権利を持ち続け、義務を負う人のことをいいます。

通常、役員を辞任もしくは退任する場合、在任する役員や後任の役員等により、必要な役員の定数が維持できますが、これがなんらかの理由で欠けてしまった場合に発生する役割です。

本記事では「権利義務取締役」について、その定義からどんなケースで発生するかまでを解説します。

権利義務取締役(役員)とは?

会社の取締役や監査役などの役員には必ず任期が設定されています。通常では2年(監査役は4年)ですが、定款で任期を定めている会社もあります。
任期が満了すると改選の手続きを行い、退任や重任、新任といった手続きを経て、定めた定数内の役員数を維持されるように運用されます。

しかし、何らかの理由で定数を下回ってしまった場合、その直前に取締役だった人は定数が欠けている間は取締役としての権利を持ち義務を負うことが法律で定められています。

つまり、本人は役員でなくなったつもりなのに自分の代わりが決まるまでは続けなくてはならないということです。

このような理由により役員である状態を「権利義務取締役」といいます。
これは、突然会社の経営陣がいなくなることで会社が機能しなくなってしまうことを防ぐために法律で定められた地位なのです。

権利義務取締役(役員)はどんなときに発生するのでしょうか?

もっとも多いのは手続き上のミスによるものです。

取締役の任期が決まっていても、いつ就任したかにより任期満了のタイミングは異なります。
そのため、意図せずに任期が切れてしまっているというケースです。もし、任期満了とともに別の人物の就任を予定していれば気づきやすくなりますが、変更を予定していない場合、任期が切れていることに長期間気づかないという可能性もあります。

この場合、取締役本人も自分が取締役であるという自覚を持ったままでいる可能性もありますが、法律上は権利義務取締役に該当します。

権利義務取締役が発生してしまったらどうすればいいですか?

法定の取締役の員数を満たせるように取締役を選任します。
これまで取締役でなかった人でもいいですし、任期満了となってしまった人の再任でも問題ありません。

取締役の選任には株主総会での決議が必要なので、必然的に株主総会の招集、開催、議事録作成といった作業も必要になります。
ただし、この時点で取締役選任懈怠になりますので、過料の対象になってしまう可能性があることに注意してください。

選任後は、就任の手続き(就任承諾書の受領など)を行い、最後に取締役の就任を登記申請します。
すでに懈怠になってしまっているので、手続きはなるべく早く行いましょう。

特に登記申請は書類の修正が必要になったり、登記簿への反映に時間がかかる場合がありますので、ネット上で登記申請書や添付書類を自動作成できるサービスの利用もおすすめです。AI-CON登記なら、自動で現在の登記内容を反映できますので、変更点を入力すればたった最短15分で登記申請に必要な書類がそろいます。

おわりに

権利義務取締役(役員)は役員任期管理上の理由で発生することがほとんどです。
後で気づいて慌てたり、高額な過料を課せられることのないよう余裕のある確実な準備を行っていただければ幸いです。

執筆者:AI-CON登記 編集部(GVA TECH株式会社)

AI-CON登記のマーケティングやコンテンツ作成を担当しています。GVA TECH株式会社では、オンライン登記書類作成サービス「AI-CON登記」や契約書チェック支援支援「AI-CON」などのリーガルテックサービスを提供しています。