本記事では役員の任期について解説しています。役員の任期を把握していないと、気づいたら任期が切れていて役員変更登記を失念していた…などというリスクもあります。
私たちの生活では携帯電話など自動継続のサービスはたくさんありますが、役員の任期に関しては任期満了時には必ず手続きが必要になります。この役員の任期、年数は決まっていますが、はたしてそれはいつからいつのことを指すのでしょうか?
本記事では、そんな意外に知られていない役員の任期の数え方について解説します。
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役員(取締役)の任期の規定
株式会社の役員(取締役や監査役)には必ず任期があります。この任期、通常は2年(監査役は4年)ですが、定款の規定により最長10年(非公開会社の場合のみ)まで伸長している会社もあります。
任期が到来した役員は原則として退任になります。ただし、任期満了後も継続して役員を務める場合は、重任(再任)の手続きを経ることで、退任後直ぐに役員に選任されるということになります。任期満了後、選任を放置した場合、自動的に継続とはなりません。
なお、取締役の任期は、会社法で「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」と定められています。(会社によっては定款で変更することも可能です)
取締役の任期がジャスト2年になるケース
例えば、決算月が3月の会社において、2020年6月の定時株主総会で選任された取締役の任期は、2年後の2022年6月の定時株主総会の終結までとなります。
これは任期がジャスト2年に近くなるパターンです。
任期2年でも選任日が数日違うだけで取締役の任期が1年近く変わる
では、任期が変わってしまうパターンとはどんなタイミングなのでしょうか?
2つのケースで比較しながら数え方を解説します。
①2020年3月30日に選任された場合の数え方
2020年3月30日に選任された場合、任期の起算日としては3月31日からとなります。(選任された初日は、初日不算入の原則により任期に含めない)
この場合「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のもの」とは2021年3月期となり、
任期満了日は、2021年5月~6月頃に開催される定時株主総会までになります。
②2020年4月1日に選任された場合の数え方
任期の起算日としては4月2日からとなります。
この場合、任期満了日は2022年5月~6月頃に開催される定時株主総会までになります。
このように選任日が数日違うだけで任期が1年近く変わる可能性があるのです。
任期の計算をする際は注意しておきましょう。
役員変更の登記懈怠による過料が発生する場合もあります
上記のような理由から、任期の認識を間違えてしまうケースもあります。
この場合、取締役の選任自体を怠る(選任懈怠)というケースに該当するので、気づき次第すぐに選任の準備を行いましょう。
選任後は忘れずに役員変更の登記申請を行います。
登記申請期限である2週間を超えて登記していないと、過料(かりょう)という制裁金が科される場合があります。
もし懈怠してしまっていることがわかったら、すぐに登記申請を行い、登記簿に最新の役員状況を反映しておきましょう。
なお、登記申請をせずに長期間放置してしまうと「みなし解散」という手続きの対象になる可能性があるので注意しましょう。以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ご存知ですか?休眠会社のみなし解散が増えています
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おわりに
役員の任期満了後の手続きは、慣れてしまえばたいしたことありませんが、気づき辛く、後になって行おうとすると煩雑な手続きが必要です。
必要な手続きを理解し、余裕をもって準備できるようにしましょう。
執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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