この記事では株式を分割する際に必要となる手続きを解説しています。会社の株式を分割する場合は株式分割登記が必要ですが、株式分割登記前にやらなければならない手続きがあります。これから株式分割を控えている方は、ぜひこの記事を参考にして頂ければと思います。
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株式分割をしたら株式分割登記が必要です
冒頭でも触れましたが、発行済株式の総数は登記簿謄本の記載事項になっているため、株式を分割した場合は必ず株式分割登記申請が必要です。株式分割に限らず、本店移転や役員変更など、登記簿謄本の記載事項に変更があった場合は変更登記申請が必要ですので覚えておきましょう。
株式分割登記申請には期限がありますのでご注意ください
株式分割登記に限ったことではなく、商業登記には変更が発生してから2週間以内に変更登記申請を行わなければならないという規定が設けられています。株式分割の場合は「効力発生日から2週間以内」に変更登記申請をする必要があります。
期限を過ぎても変更登記を申請することはできますが、登記懈怠(とうきけたい)扱いとなり代表者個人が過料の制裁を受けてしまう可能性がありますので注意が必要です。実際に制裁を受けてしまった事例がインターネット上でも紹介されていますので、制裁を受けることのないよう、必ず2週間以内に申請をしましょう。
株式分割登記申請前に必要な手続き
1.株式を分割する目的を明確にする
株式を分割する主な目的としては「株式の流動性を上げる」「上場する市場を変更(指定替え)する」「配当や株主優待の方針を変更する」など様々な理由があります。株式を分割する理由として特に多いのは、企業が成長による投資家の増加や時価総額の変化に対して、設立時に定めた株式数が適切ではなくなるパターンです。このような場合は株式の分割を行い、株式数を増やすことになります。株式分割のメリット・デメリットは下記の関連記事でもまとめてありますのでご確認ください。株式を分割する目的は明確にしておきましょう。
関連記事:株式分割の登記とは?基礎知識から手続きの流れ、分割後の登記まで解説します
2.取締役会または株主総会による決議を行う
株式を分割する為には、取締役会設置会社では取締役会、取締役会非設置会社では株主総会を開催し、株式分割の分割比率、基準日、株式分割の効力発生日、種類株式を発行している場合には株式分割する株式の種類を決議する必要があります。詳しくは関連記事をご確認ください。
関連記事:株式分割の準備と手続きの流れを解説します
株式の分割が議決されたら速やかに変更登記申請をしましょう
先ほどもお話しましたが、変更登記期限は「効力発生日から2週間以内」です。制裁を受けることのないよう、必ず期限内に変更登記申請を済ませましょう。株式分割登記に必要な書類は以下の通りです。
- 株主総会議事録(取締役会非設置会社の場合)又は取締役会議事録(取締役会設置会社の場合)
- 株主リスト(株主総会の決議を行った場合のみ)
- 委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)
各書類の見本を記載しますのでご確認ください。変更登記申請書に関しては書き方も解説していますのでご確認ください。
変更登記申請書
<記載項目の解説>
会社法人等番号:分かる場合のみ記載
商号:会社名を記載
本店:本店住所を記載
登記の事由:「株式の分割」と記載
登記すべき事項:変更日、発行済株式の総数(※下記の画像を参照して下さい)
登録免許税:金30,000円
添付書類:株主総会議事録と株主リスト(又は取締役会議事録)
委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)
申請日:申請日を記載してください
会社本店住所と会社名を記載してください
代表取締役住所の住所と氏名を記載し、会社実印を押印してください(法務局へ登録している印鑑)
代理人の住所と氏名を記載し、認印を押印してください(代理人に依頼した場合のみ。代理人に依頼した場合は代表取締役の押印は必要ありません)
〇〇法務局 御中(提出する法務局名を記載してください)
下記の画像が実際の変更登記申請書の例です。
下記の例は株主総会議事録と株主リストを添付書類とし、代理人に申請を依頼した場合です。※添付書類は本記事を参考に、十分にご注意下さい。
株主総会議事録
取締役会議事録
株主リスト
委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)
株式分割登記申請には3つの方法があります
ここまでお読みになられた方は、株式分割登記の期限や必要書類などが確認できたと思いますので、あと必要なのは変更登記申請の方法の確認です。変更登記申請には以下の3つの方法がありますので、ご自分の状況に合わせてご選択ください。
1.自分で変更登記申請を行う
これは変更登記申請に極力お金を掛けたくない人向けの方法です。司法書士に変更登記申請を依頼すると専門家報酬の支払いが必要となりますが、自分で書類の作成から申請までを行う場合は費用は発生しません(登録免許税の支払いは必要)。
ただし、お金を節約できる半面必要書類を全て自分で準備しなければならないというデメリットがあります。また、足りない書類や記入に不備がある場合、申請は受理されませんので、自分で申請する場合は登記申請の知識を身に着ける必要があります。その為、時間のない方にはあまりオススメできない方法です。
2.司法書士に依頼する
一番簡単な方法です。司法書士は登記の専門家なので、司法書士へ依頼すれば書類の作成から申請まですべてを任せることができます。忙しい方などは自分の時間を使わなくて良いことが最大のメリットですが、専門家報酬の支払いが発生する、何回かのやり取りが必要になり申請までに時間が掛かる場合があるなどのデメリットもあります。
申請期限まで時間があり、予算にも余裕がある方は司法書士に任せてしまうことも一つの手ですが、急いでいる場合や、自分で申請するのは無理だけど予算は出来る限り削減したいという方はもう一つの方法があります。
3.オンラインサービスを利用する
最近は便利なオンラインサービスが色々と登場していますが、変更登記申請をサポートしているオンラインサービスがあることをご存知でしょうか?特徴としては司法書士へ依頼する場合に比べ費用を抑えることができ、時間を掛けずに申請を済ませることが挙げられます。費用を抑えて時間を掛けずに登記申請をしたい方はぜひご利用ください。
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株式分割の登記は、本店移転などに比べると手間がかかる印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?取締役会の設置/非設置や、発行可能株式総数に変化があるかどうかで手続きが違ったりと専門知識が求められることもあります。
とはいえ、士業など専門家にお願いするとしてもやりとりに意外に手間がかかるもの・・・でも社内では自分(=代表者や役員)が対応するしかない、という方も多いのではないでしょうか?
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登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。
本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。
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さいごに
今回は株式分割登記の必要書類について解説させて頂きました。この記事を読まれている方は会社の成長に伴う自社の株式の分割を控えている方もいらっしゃると思います。貴社の成長を応援すると共に、今後の変更登記をサポートさせて頂ければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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