合同会社の職務執行者交代の変更登記とは?申請方法と必要書類を解説

合同会社の社員・持分変更
投稿日:2024.10.24
合同会社の職務執行者交代の変更登記とは?申請方法と必要書類を解説

本記事では、合同会社の職務執行者交代に関する変更登記の申請方法と必要書類について解説します。

合同会社とは、会社法において、社員相互の信頼関係を基礎とした人的会社として認められた持分会社の一形態です。最近では合同会社が用いられるケースも増加してはいますが、一般的な株式会社と比較すると、未だ馴染みがない方も多いかもしれません。また、「職務執行者」については、その合同会社の代表社員・業務執行社員が法人である場合にのみ選任が必要とされており、特に難しいと感じられる方もいらっしゃるかと思います。

そこで、本記事では、まず、合同会社における職務執行者がどのようなものであるかを簡単に概説した上で、職務執行者の交代にあたり必要となる社内手続きや、職務執行者の交代に関する登記申請の方法・必要書類について解説します。

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合同会社の職務執行者とは?

まず、合同会社の職務執行者とは、どのような場合にどのような目的で選任される者をいうのでしょうか。

代表社員や業務執行社員が法人の場合に登記される

合同会社においては、自然人だけではなく法人も社員になることができますが、会社法上、代表社員や業務執行社員が法人である場合には、当該法人は、実際の業務を執行する者(職務執行者)を選任し、代表社員の職務執行者の氏名及び住所は登記しなければならないこととされています。この職務執行者の制度は、業務執行に関する義務及び責任等の所在を明確にし、それによって債権者(取引先や金融機関など)を保護すること等が目的とされています。

代表社員や業務執行社員である法人と当該法人が選任する職務執行者との法律関係は、両者間で締結される契約によることとなりますので、委任契約や雇用契約等の様々な形態があり得ます。そして、社員である法人による具体的な業務執行は、実際には職務執行者である自然人を通じて行われることになることから、職務執行者は、当該法人が合同会社に対して負担するのと同様の義務を負うものとされています。ただし、職務執行者は、合同会社の社員ではありませんので、代表社員や業務執行社員のように合同会社の持分を有するものではありません(したがって、職務執行者による出資は不要です)。

なお、職務執行者の資格には制限がないことから、代表社員や業務執行社員である法人に所属しない者であっても選任することができ、また、複数人を職務執行者として選任することもできるとされています。したがって、例えば、社員である法人の役員(社長等)や従業員ではない、顧問弁護士、顧問税理士、コンサルタント等を職務執行者として選任することも可能です。

そして、代表社員や業務執行社員である法人が職務執行者を選任した場合には、後述の変更登記に関する手続を行うほか、他の社員に対して当該職務執行者の氏名・住所を通知することが必要とされています。

職務執行者に変更が生じたら登記申請が必要

職務執行者が新たに就任する場合や、職務執行者が交代したり退任する場合には、2週間以内に変更登記の申請が必要となります。もし期限を徒過してしまった場合には、過料の制裁の対象となる可能性もありますので、注意が必要です。

職務執行者の交代とは?

職務執行者の交代とは、本記事では、代表社員や業務執行社員それ自体には変更がないものの、当該社員が選任した職務執行者のみを変更する手続きを指しています。職務執行者の交代に関する手続には、一般に、前任者の退任と新任者の就任に関する各手続が含まれており、それに伴って代表社員・業務執行社員である法人においても、取締役会決議などの選任手続が必要となります。

なお、職務執行者については、株式会社の役員変更のように任期満了による退任が存在しないため、自らの意思による「辞任」(選任者である法人の意向に応じて自ら退任する場合を含みます。)が基本的な退任事由となります。厳密には、辞任による退任の他にも、解任や死亡による退任といったケースも存在はしますが、本記事においては、一般的な退任のケースである「辞任」による退任を対象として解説しています。

合同会社における職務執行者交代の手続き

次に、合同会社における職務執行者の交代に必要な手続について、前任者の辞任に関する手続と新任者の就任に関する手続に区別して、みていきましょう。

前任者の辞任に関する手続き

職務執行者の辞任にあたっては、職務執行者が選任者である法人に対して辞任の意思表示を行うことが必要です。ここでは、合同会社に対する意思表示ではない点にご注意ください。

そして、この場合には、退任を証する書面として、辞任する職務執行者による辞任届を作成します(後述のとおり、登記申請にあたり必要となります。)。

新任者の就任に関する手続き

職務執行者の就任にあたっては、代表社員・業務執行社員である法人における選任手続と、新たに職務執行者となる本人による就任承諾が必要です。

代表社員・業務執行社員である法人における職務執行者の選任手続については、会社法上とくに規定されていませんが、当該法人の業務執行の決定機関における決定が必要と解されています。

例えば、選任者が取締役会設置会社である株式会社である場合には、取締役会決議が必要となります。また、取締役会が設置されていない株式会社が選任者である場合には取締役の決定、合同会社が選任者である場合には社員の過半数による決定が、それぞれ必要になると考えられます。なお、この場合には、選任者において、株主総会の決議、総社員の同意等を取得する必要まではありません。

次に、新たに職務執行者となる者による就任承諾の意思表示についても、辞任の場合と同様に、合同会社ではなく選任者である法人に対して行うことが必要です。そして、この場合にも、就任承諾を証する書面として、新任の職務執行者による就任承諾書を作成します(こちらも、後述のとおり、登記申請にあたり必要となります。)。

職務執行者交代の登記申請

職務執行者の交代を登記するためには、上記の辞任・就任の各手続の実施を証する各種書類と登記申請書を準備し、登記申請を行う必要があります。また、司法書士等の第三者に登記手続の代行を依頼する場合は、委任状も必要となります。登記申請に際して必要となる書類の詳細については、後述をご参照ください。

職務執行者の交代にあたり登記すべき事項は、(変更後の)職務執行者の氏名・住所及び変更年月日です。なお、代表社員や業務執行社員の地位に変更がなく、職務執行者のみが交代した場合又は増員・減員になった場合でも、登記情報システム上、代表社員・業務執行社員と職務執行者とは1つの登記事項の単位となっているため、全体について変更の登記をすることとされている点には、ご注意ください(後述の登記事項の記載例をご参照ください。)。

合同会社の職務執行者交代の登記の必要書類

それでは、職務執行者の交代に関する登記申請を行うにあたり、具体的にどのような書類を準備する必要があるのでしょうか。

登記申請の必要書類

職務執行者の交代に関する登記申請に必要となる書類は、大要以下のとおりです。なお、司法書士等の第三者に登記申請を依頼する場合には、当該第三者に対する委任状も必要となります。また、下記のとおり、選任者となる法人の属性等の個別事情に応じて、必要となる書類の内容が異なり得る点にはご留意ください。

  1. 登記申請書
  2. 前任者の退任を証する書面(辞任届等)
  3. 登記事項証明書
  4. 当該法人の業務決定機関において職務執行者を選任したことを証する書面(取締役会議事録、 取締役や社員の一致を証する書面等)
  5. 新任者の就任承諾書(選任者である法人を意思表示の相手方とするもの)


職務執行者の交代の登記申請の書式は法務局Webサイトで配布されていないので注意

合同会社における代表社員・業務執行社員の職務執行者の交代に関しては、登記申請書の様式等が法務局のwebサイトでは配布されていません。したがって、法務局のwebサイトにおいて配布されている業務執行社員の変更に関する登記申請書の様式記載例を参考にしつつ、職務執行者の交代にあわせて適宜内容を変更する必要がありますので、ご注意ください(例えば、登記事由や登記事項については、以下のように変更することが考えられます。)。

登記の事由 職務執行者の変更
登記すべき事項
「社員に関する事項」
「資格」代表社員
「住所」○○県○○市○○町○丁目○番○号
「氏名」株式会社○○
「職務執行者」
「住所」○○県○○市○○町○丁目○番○号
「氏名」職務執行者 ○○○○
「原因年月日」令和○年○月○日変更

合同会社の職務執行者交代の登記にかかる費用

合同会社における代表社員・業務執行社員の職務執行者を交代する場合には、登記申請を行う必要がありますので、一定の登記費用がかかります。

登記申請にかかる費用

登記申請に要する費用としては、まず、登録免許税が挙げられます。合同会社の職務執行者の交代に関する登録免許税額は、申請1件につき1万円(資本金の額が1億円を超える合同会社については3万円)とされています。

その他の費用として、場合によっては、法務局までの交通費や郵送費などが発生することもあるかもしれません。また、登記申請の手続を司法書士に依頼する場合には、司法書士に対して支払う報酬(依頼する司法書士にもよりますが、数万円程度のケースが一般的)も必要になります。

職務執行者の交代に不安がある場合は専門家への依頼も検討しましょう

これまでみてきたように、合同会社における代表社員・業務執行社員の職務執行者の交代については、登記申請書の様式等が法務局のwebサイトでは配布されておらず、また、個別の事情によって必要となる書類も異なりますので、必ずしも容易な手続ではありません。

もちろんご自身で必要書類を作成して手続を行うことも可能ですが、もし不安がある場合には、信頼できる専門家に依頼することもご検討ください。

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ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

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GVA 法人登記で作成できる合同会社の代表社員・業務執行社員等の変更に必要な登記書類


  • 登記申請書
  • 総社員の同意書
  • 業務執行社員の決定書
  • 辞任届
  • 就任承諾書
  • 定款(原本証明書)
  • 社員決定書(法人社員が代表社員として就任する場合)
  • 取締役決定書(法人社員が代表社員として就任する場合)
  • 取締役会議事録(法人社員が代表社員として就任する場合)
  • 理事決定書(法人社員が代表社員として就任する場合)
  • 理事会議事録(法人社員が代表社員として就任する場合)


※手続き状況に応じて、作成される書類が異なります。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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