合同会社の持分譲渡とは?自分でやる手続きと必要書類を解説

合同会社の社員・持分変更
投稿日:2026.08.05
合同会社の持分譲渡とは?背景や手続きについて解説

外資系の企業などが日本法人を作る際によく用いられる会社形態が合同会社です。この合同会社は合資会社、合名会社と並んで持分会社と呼ばれ株式会社とはいくつか異なる点があります。

合同会社のような持分会社では、社員の入れ替わりに伴い「持分譲渡」という手続きが必要になります。株式会社の株式に近いイメージを持たれがちですが、必要な手続きは大きく異なります。特に、登記申請を伴うような手続きの場合は手間や費用がかかります。

本記事では、合同会社を設立して初めて持分譲渡や社員変更を迎える経営者の方に向けて、登記申請を伴う手続きや必要書類を解説します。

持分譲渡とは?

前述の通り合同会社には持分という概念があります。持分会社について触れつつ、持分とはどのようなものなのかについて解説します。

持分とは?

合同会社は「持分会社」の一種です。持分会社には合同会社のほか合資会社・合名会社があり、いずれも出資者である「社員」によって構成されます。ここでいう社員とは従業員ではなく、出資を行った者を指す点に注意してください。

持分とは、この社員が会社に対して持つ地位や権利のことです。出資割合に応じて利益の配当を受ける権利や、会社の意思決定に関与する権利などが含まれます。株式会社における株式に近い性質を持ちますが、同一のものではありません。

なお、持分会社のうち合同会社は社員全員が「有限責任社員」(出資額の範囲でのみ責任を負う)である点が特徴です。合資会社は有限責任社員と無限責任社員が混在し、合名会社は無限責任社員のみで構成されます。合同会社は株式会社に近い有限責任のメリットを持ちながら、設立費用が安く運営の自由度も高いことから、年々設立数が増えています。

株式との違い

株式会社の株式は、原則として自由に譲渡できます(定款で譲渡制限を設けることも可能)。株式会社は所有(株主)と経営(取締役)が分離しており、株主が変わっても会社の経営に直接影響しないためです。

一方、合同会社などの持分会社は「人的な結びつき」を重視する組織です。出資者である社員がそのまま経営にあたるため、社員の入れ替わりは会社の運営に直接影響します。そのため持分の譲渡には、原則として他の社員全員の同意が必要となります(定款に別段の定めがある場合を除く)。

項目

株式会社(株式)

合同会社(持分)

譲渡の自由度

原則自由(定款で制限も可)

原則、他の社員全員の同意が必要

譲渡に必要な手続き

株主名簿の書き換え等

総社員の同意、定款変更、(場合により)登記

登記事項との関係

株主は登記事項ではない

業務執行社員・代表社員は登記事項

持分譲渡とは?

持分譲渡とは、社員が保有する持分の全部または一部を、他の社員や第三者に譲り渡すことです。持分を譲り渡して会社を抜ける社員を「退社」、新たに持分を譲り受けて社員になる者を「加入」といいます。

持分譲渡を行うと、定款に記載された社員の氏名・住所などの変更や、場合によっては資本金額の変更を伴います。契約の締結だけでなく、社内手続きや登記申請まで対応が必要になるケースがある点を押さえておきましょう。

持分譲渡において登記申請が必要になるケース

持分譲渡そのものは、登記事項ではありません。不動産登記で見かける「持分移転登記」のように持分の譲渡自体を登記する制度は、合同会社にはない点に注意してください。

登記申請が必要になるのは、持分譲渡の結果として「登記事項に変更が生じる場合」です。具体的には次のようなケースが挙げられます。

  • 持分譲渡によって業務執行社員や代表社員が交代する場合(氏名・住所が登記事項のため)
  • 持分譲渡に伴い社員の入退社が生じ、それが登記事項に反映される場合
  • 新たな社員の加入にあたり出資が行われ、資本金の額が変更になる場合


逆に、業務執行社員でない社員同士だけで持分を譲渡し、資本金額にも変更がない場合は、登記申請が不要なこともあります。ただし、定款の変更(社員の氏名等の記載変更)自体は必要になるため、社内書類の整備は欠かせません。

自社の定款に社員全員の氏名・住所が記載されているか、業務執行社員をどう定めているかによって、登記申請が必要かどうかの判断は変わります。持分譲渡を検討する段階で、まず自社の定款を確認しておくとスムーズです。

持分譲渡と社員変更における登記の手続き

ここでは、業務執行社員の新たな加入に持分譲渡を伴うケースを前提に、登記申請までの流れをステップで解説します。

  1. 総社員の同意を得る:持分譲渡を行うこと、及びそれに伴う定款変更(社員の氏名・住所等の変更)について、総社員の同意を取得します。譲渡人が業務執行社員でない場合は、業務執行社員のみの同意で足りるケースもあります(定款の定めによる)。
  2. 持分譲渡契約を締結する:譲渡人・譲受人の間で持分譲渡契約書を作成し、譲渡の対象や条件を明確にします。
  3. 就任承諾書等を作成する:新たに業務執行社員として加入する場合は、就任を承諾したことを証する就任承諾書を作成します。
  4. 添付書類を整える:総社員の同意書、持分譲渡契約書、就任承諾書のほか、退社を伴う場合は退社届などを揃えます。
  5. 法務局へ変更登記を申請する:効力発生日(譲渡日)から2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局へ変更登記を申請します。


申請期限を過ぎると過料の対象となる可能性があるため、スケジュールには余裕を持って進めましょう。なお、新たな社員が出資を行い資本金の額が増加する場合は、上記のステップに加えて資本金額の変更を証する書面(払込みを証する書面や資本金の額の計上に関する証明書など)の準備も必要になります。持分譲渡のみで資本金額に変更がない場合は、この追加対応は不要です。

持分譲渡に伴う登記申請の必要書類

持分譲渡に伴う登記申請で、一般的に必要となる書類は次の通りです。会社の状況(譲渡の対象が業務執行社員かどうかなど)によって、必要な書類は多少変わります。

書類名

概要

合同会社変更登記申請書

登記の内容を法務局に伝える基本の申請書

総社員の同意書

持分譲渡や定款変更について社員全員が同意したことを証する書類

持分譲渡契約書

譲渡人・譲受人の間で持分の譲渡が行われたことを証する書類(原本還付可)

就任承諾書

新たに業務執行社員として加入する者が就任を承諾したことを証する書類

退社届

退社する社員が退社の意思表示をしたことを証する書類(退社を伴う場合)

資本金の額の計上証明書

出資により資本金額が変更になる場合に必要

委任状

司法書士など代理人へ申請を依頼する場合に必要

このうち、総社員の同意書は特に作成に迷いやすい書類です。GVA 法人議事録にある以下のテンプレートを参考にすると、記載すべき項目のイメージがつかみやすくなります。

参考:同意書(業務執行社員の新たな加入に伴う総社員の同意(持分譲渡))
会社の状況によって必要書類は前後するため、不安な場合は事前に管轄法務局へ確認しておくと安心です。

持分譲渡に伴う登記申請にかかる登録免許税

業務執行社員の加入に伴う変更登記の登録免許税は、資本金の額が1億円以下の会社であれば10,000円、1億円を超える会社であれば30,000円です。この金額は社員の人数にかかわらず、1件の申請につき定額でかかります。複数名の社員変更を1つの申請でまとめて行う場合も、原則としてこの金額は変わりません。

一方、新たな社員の加入にあたり出資を行い、資本金の額が増加する場合は、業務執行社員の加入にかかる登録免許税に加えて、増加した資本金額の1000分の7(この金額が3万円に満たない場合は3万円)が別途かかります。既存社員からの持分譲渡のみで資本金額に変更がない場合は、この加算は生じません。

例えば、資本金1億円以下の合同会社で、既存社員からの持分譲渡により業務執行社員が1名加入するだけであれば、登録免許税は10,000円で済みます。一方、同時に200万円の新規出資を受けて資本金額を増加させる場合、200万円×1000分の7=14,000円となりますが、最低額の3万円に満たないため実際の税額は30,000円となり、業務執行社員の加入分10,000円と合わせて合計40,000円の登録免許税がかかる計算になります。

登録免許税の納付方法は、書面で申請する場合は登録免許税額分の収入印紙を申請書に貼付するのが一般的です。オンライン(電子)申請の場合は、インターネットバンキングやペイジー対応のATMを通じて電子納付することも可能です。収入印紙の購入や貼付の手間を省きたい場合は、オンライン申請と電子納付の組み合わせを検討するとよいでしょう。

持分譲渡の登記は自分で申請することも可能

ここまで解説してきたように、持分譲渡に伴う登記申請は、必要書類さえ正しく揃えれば、初めての方でも自分で作成し、法務局へ申請することは十分可能です。書式自体は決まったものが多いため、テンプレートを参考にしながら、自社の状況に合わせて内容を当てはめていけば対応できます。

とはいえ、「定款の変更内容が正しいか不安」「業務執行社員の加入と資本金の変更が同時に発生していて複雑」といった場合は、弁護士や司法書士など法律の専門家に相談しながら進めるのも一つの方法です。特に初めての社員変更では、書類の不備による法務局からの補正対応に時間を取られがちなので、専門家のチェックを受けておくと安心です。

また、費用と手間のバランスを重視するなら、「GVA 法人登記」のようなオンライン登記書類作成サービスを利用するのもおすすめです。画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで、持分譲渡や社員変更に必要な登記書類一式を作成できるため、専門知識がなくても効率よく手続きを進められます。会社の状況に合わせて、自分で行う・専門家に相談する・サービスを活用するという選択肢を組み合わせながら、無理のない形で手続きを進めましょう。

合同会社の社員(持分)変更登記の必要書類はGVA 法人登記で自動作成|何が必要か調べず、入力するだけで最短7分

合同会社の社員(持分)変更登記は必要書類が複数あり、何をどの書式で用意するか調べるだけでも手間がかかります。GVA 法人登記なら、画面の案内に沿って変更情報を入力するだけで必要書類一式を最短7分で自動作成。司法書士監修の様式なので、記載ミスや法務局での補正リスクも抑えられます。ひな形探しや書き方調べに時間をかけたくない方におすすめです。

GVA 法人登記

GVA 法人登記の詳細を見る →

【期間限定】1,000円OFFクーポン配布中!

クーポン利用手順

GVA 法人登記の会員登録(無料)
②購入前のクーポンコード入力画面で【 Ug3JNAS7sB 】を入力





\Webでカンタン自分で変更登記/

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなく法務オートメーション「OLGA」などのリーガルテックサービスを提供しています。

今すぐ変更登記手続きを始める