合同会社の持分の相続・評価について解説

合同会社の社員・持分変更
投稿日:2024.09.02
合同会社の持分の相続・評価について解説

合同会社の持分は相続時の評価において、どのような特徴があるのでしょうか。

合同会社は、社員全員が有限責任を有する会社形態です。特に相続においては株式会社とは異なるルールとなっているため、円滑な相続・事業承継のためにあらかじめ理解を進めておきたいものです。本記事では、持分を中心として、合同会社の相続・評価について解説します。

自分で変更登記をするなら司法書士監修のGVA 法人登記が便利です

必要情報をフォームに入力するだけでかんたん書類作成
費用と時間を抑えて変更登記申請したい方におススメです

【各リンクからお進みください】
①会員登録前に利用方法を確認できる無料体験実施中
②GVA 法人登記の料金案内(専門家に依頼する場合と比較できます)
③オンラインサービスを利用して登記手続きを検討されている方はこちら

合同会社の持分とは?

合同会社は社員=出資者の原則があります。合同会社への出資割合を示すのに用いられるのが持分です。位置づけとしては、株式会社の各株主に付与される株式と近いですが、異なる点もあります。

合同会社とは?

合同会社と株式会社、両者の最も大きな違いは、出資者=会社の所有者兼経営者である合同会社であるのに対し、株式会社は出資者である株主は会社の所有者ですが、必ずしも経営者とはならず、所有と経営が切り離されている点です。

合同会社に出資した者のことを「社員」と呼びますが、この場合の意味は会社在籍の有無ではなく、持分を所有していることを指します。各項目に分けて比較してみましょう。

(合同会社と株式会社の違い)

合同会社

株式会社

意思決定

1人1票の議決権のもと、総社員の同意

所有株式数に応じた議決権

経営者と出資者

原則同一

原則分離

出資者責任

間接有限責任

間接有限責任

役員・役職の任期

任期なし

最長10年

代表者の名称

代表社員

代表取締役

決算公告

不要

必要

定款

認証不要

認証必要

利益配分

定款で自由に規定

出資比率に応じる

設立費用

約10万円

約25万円

合同会社は株式会社よりも定款自治の裁量が大きいことが特徴です。そのため、持分の相続や贈与に関しても、時間に余裕のあるうちから個別に備えることが重要になります。

持分とは?

合同会社に限らず、合名会社や合資会社は持分会社と呼ばれます。持分の考え方は出資金に応じて株式比率の高い株式会社と似ていますが、議決権は1人1つであるのが大きな違いです。
つまり持分会社で安定して意思決定をするためには、議決権分に応じた人数を揃えなくてはなりません。

会社以外では、不動産所有における持分がよく知られています。ひとつの不動産を複数人で共有する場合、「持分所有」という言い方をします。合同会社も不動産の持分を所有することができるため、合同会社自体の持分の話なのか、所有している不動産の持分の話なのか、よく確認するようにしましょう。

合同会社における持分

合同会社に利益が発生した際には、持分に応じて利益分配が行われます。では、持分を所有する社員が退職をするとき、持分はどのように処理されるのでしょうか。
社員が退社する場合、持分は譲渡もしくは払い戻しとなることが一般的です。
株式会社では株式を所有する役員が退社をした後も所有を続け、株主として存在することができますが、合同会社における持分は社員であることが前提であるため、退社後に持分のみを所有することができません。
払い戻しができる権利は、持分の払戻請求権といいます。ただ合同会社の経営状況により、出資した金額と払い戻しの金額が異なる場合もあります。

持分と株式の違い

持分と株式の違いで論点となりやすいのが、価値の評価方法と、譲渡や相続における制限です。

持分の譲渡や相続に関する制限

合同会社の出資者が所有する持分を譲渡することは制限されています。出資者=合同会社の経営陣であるため、不特定の第三者が持分を所有し、合同会社の経営に参画してくることを防止するためです。

持分は株式市場のように自由に売買することはできません。退職する場合は、これまでお伝えしてきたような払戻しもしくは譲渡となることが一般的です。譲渡する場合は、原則として他の社員の全員の承諾(業務を執行しない社員の持分を譲渡する場合は、業務を執行する社員全員の承諾でも可)が必要となります。

合同会社は経営権と持分が同一の原則です。そのため、持分の譲渡には上記のように制限が設けられています。ただし、株式会社でも未上場の場合は第三者への自由な譲渡は想定していないため、譲渡に制限がかかるという意味では、現実的にはあまり変わらないともいえます。

持分の相続

では持分の所有者が死亡した場合はどうなるのでしょうか。社員の死亡時に、相続の立場にあるものが自動的に社員である地位自体を引き継ぐことはありません。この場合、上記で説明したように、持分の払戻請求権を相続します。

実務上、このような場合に備えて合同会社は、定款にて持分の相続に関する定めを設けることが一般的です。

(1)定款に定めがない場合
合同会社の社員である地位は相続によって承継されない原則に従い、持分は遺産分割協議の対象とはなりません(会社法607条)。

(2)定款に定めがある場合
定款に「死亡した社員の相続人が社員の持分を承継する」という定めがある場合は、その相続人に地位が承継されます(会社法608条)。

持分会社の所有権を有している場合は、早めに定款の内容を確認しておきましょう。実際に相続が発生してから限られた時間のなかで動くよりも、時間的余裕のあるうちに対策を進めておきましょう。

合同会社の相続について注意すべきポイント

将来的に自身が合同会社の承継権を得る場合は、早めの対策が不可欠です。実際の相続の場では、円滑な持分の承継が進まずに、会社の経営自体に著しい損害が発生するケースがあります。将来的な会社の後継者にとっては、特に持分まわりを早めに整備しておくことが大切です。

合同会社を維持するかどうかを検討する

将来的な持分の相続に備える前に、まず被相続人でないとできない経営なのか、そもそも会社を残した方がいいのかを検討しましょう。もし残さないのであれば払戻請求権を相続し、会社は解散させるという選択肢もあります。

会社を残すなら相続や贈与しやすいように定款・規定の整備をしておく

相続後も会社を残すのであれば、定款の整備が欠かせません。スムーズに引き継ぐように持分の承継規定や、複数の社員を準備し、合同会社として円滑な意思決定をできるようにします。死亡時や生前贈与に対する対策も欠かせません。

専門家への相談も並行して検討しましょう

合同会社に代表される持分会社は、株式会社より手軽に低コストで設立できる使いやすい会社種類ですが、相続や譲渡においては不便な面もあります。
持分と相続の関係など現時点、かつ将来においてネックとなる部分をあらかじめ可視化して、専門家に相談するなど事前に具体的な手を打っておくことが重要です。司法書士など専門家への相談も活用しながら検討しましょう。

GVA 法人登記なら、合同会社の代表社員・業務執行社員等の変更に必要な登記書類を自分で作成、法務局に行かずに申請できます

合同会社の代表社員・業務執行社員等の変更の登記は、手続き状況に応じて、必要な書類が大きく変わります。自分の手続き状況では、何の書類が必要で、どのようなフローで進めていけばいいのかわからず悩み、時間だけが過ぎていく。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

GVA 法人登記なら、必要情報を入力するだけで手続きに必要な書類を最短7分・10,000円で自動作成。法務局に行かずに申請できます。

書類作成だけでなく、印刷や製本、登記反映後の登記簿謄本(登記事項証明書)の取得をサポートするオプションプランも充実。申請に必要な収入印紙もセットで購入できるので、増資額が大きい場合の印紙購入があっても安心です。さらにGVA 法人登記は複数種類の登記も受け付けておりますので、今回の登記に加えて代表社員を入れ替え選任や退任する登記もまとめて対応が可能です。なお、代表社員は、定款で代表社員を定める方法と、定款の定めに基づき社員の互選で、業務執行社員の中から会社を代表するものを定める方法があります。


ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。


GVA 法人登記で作成できる合同会社の代表社員・業務執行社員等の変更に必要な登記書類


  • 登記申請書
  • 総社員の同意書
  • 業務執行社員の決定書
  • 辞任届
  • 就任承諾書
  • 定款(原本証明書)
  • 社員決定書(法人社員が代表社員として就任する場合)
  • 取締役決定書(法人社員が代表社員として就任する場合)
  • 取締役会議事録(法人社員が代表社員として就任する場合)
  • 理事決定書(法人社員が代表社員として就任する場合)
  • 理事会議事録(法人社員が代表社員として就任する場合)


※手続き状況に応じて、作成される書類が異なります。

さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。

オプションのかんたん郵送パックを利用すれば、書類作成後、押印し郵送するだけで登記申請ができるため、法務局に行かずに登記申請が可能です。仕事が忙しく法務局に行く時間がない方や、効率的に手続きを進めたい方におすすめです。

【期間限定】1,000円OFFクーポン配布中!

クーポン利用手順
GVA 法人登記の会員登録(無料)
②購入前のクーポンコード入力画面で【 Ug3JNAS7sB 】を入力



\Webでカンタン自分で変更登記/

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなくAI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」などのリーガルテックサービスを提供しています。

サービス詳細を見る