設立登記の期限2週間の起算日と過ぎた場合の対応方法

会社設立の登記申請
投稿日:2026.10.15
設立登記の期限2週間の起算日と過ぎた場合の対応方法

株式会社の設立登記の申請期限は、原則として「設立時取締役等の調査が完了した日」と「発起人が定めた日」のいずれか遅い日から2週間以内です。

「資本金を払い込んだ日」や「定款認証を受けた日」を起算日だと思い込んでいる場合、数え方を誤って知らないうちに期限を過ぎてしまうことがあります。起算日の基準は、払込日や認証日そのものではありません。

本記事では、会社設立における起算日の考え方、2週間の数え方、期限を過ぎた場合に生じうる過料の規定、対応の優先順位を整理します。

設立登記の期限「2週間」はいつから数えるのか

株式会社の設立登記については、次の2つの日のうち「いずれか遅い日」から2週間以内に本店所在地で登記しなければならないと定められています。


基準

内容

調査完了日

設立時取締役等が会社法46条の調査を完了した日

発起人が定めた日

発起人が設立に関して起算日として定めた日(定めていない場合は調査完了日のみが基準)


現物出資がなく、発起人が特に日を定めていない一般的な発起設立では、設立時取締役等の調査完了日が実質的な起算日になるケースが多くなります。

起算日を決める2つの基準の内容

基準①:設立時取締役等の調査完了日

会社法では設立時取締役(監査役設置会社では設立時取締役および設立時監査役)に対し、選任後遅滞なく、次の事項を調査するよう義務づけています。


  • 現物出資財産等について定款に記載された価額が相当であること(該当する場合)
  • 専門家による証明が相当であること(該当する場合)
  • 株式会社の設立の手続が法令または定款に違反していないこと


この3点目の調査は、現物出資の有無にかかわらずすべての発起設立で必要です。調査に問題がなければ、設立時取締役等がその旨を確認した時点が「調査完了日」となります。

基準②:発起人が定めた日

発起人は、設立に関して基準となる日をあらかじめ定めることができます。定めた場合は、調査完了日とこの日の「いずれか遅い日」が起算日になります。定めていない場合は、調査完了日のみが基準です。

払込日・認証日と起算日の違いに注意

出資の履行(資本金の払込)が完了していなければ会社は成立せず、設立時取締役等の選任や調査も進みません。そのため、払込完了日と調査完了日は近接することが多く、結果として「払込日の直後」を起算日と扱っているケースが実務上は少なくありません。ただし、法律上の基準はあくまで調査完了日(または発起人が定めた日)であり、払込日そのものではない点は区別して理解しておく必要があります。


また、現物出資や検査役の調査が必要な設立では、調査に時間がかかり、調査完了日が資本金の払込日から数日〜数週間後にずれることもあります。この場合、起算日も後ろにずれます。

期限2週間における初日不算入と満了日の数え方

期間の数え方は民法の一般原則に従います。起算日となる日(調査完了日等)の翌日から数え、2週間後の対応する日の前日が満了日です(初日不算入)。満了日が土日祝日にあたる場合は、その翌日(平日)まで期間が延びます。


例

起算日(調査完了日等)

満了日

平日に起算日がある場合

4月1日(水)

4月15日(水)

満了日が休日にあたる場合

4月1日(日)

4月16日(月)※本来の4月15日が休日等の場合


原則としては登記申請は法務局の開庁日(平日)に行う必要があるため、満了日が休日に近い場合は前もって準備を終えておく必要があることに注意しましょう。土日祝日に当たる日を設立日にしたい場合は、会社設立日は希望日にできる?決まり方と逆算の方法も参考にしてください。

期限を過ぎたらどうなるか

過料の支払いを求められる

会社法の規定による登記を怠った場合、100万円以下の過料に処すると定められています。この過料は会社そのものではなく、登記申請の義務を負っていた当時の代表者個人に科されます。


過料の性質は刑事罰である罰金とは異なり、前科がつくものではありませんが、法律上の義務違反であることに変わりはありません。


実際にどの程度の期間の遅れでどの程度の過料が科されるかは、裁判所が個別の事情を踏まえて判断するため一律ではありません。ネット上の記事では、数週間〜1〜2ヶ月程度の遅れで過料が科された例は多くないと紹介されることもありますが、遅れても問題にならないという意味ではないことに注意しましょう。

期限を過ぎても登記申請自体はできる

登記の申請期限を過ぎたとしても、登記申請そのものができなくなるわけではありません。期限超過を理由に法務局が申請を受理しないということはなく、気づいた時点で速やかに申請することが、遅延を長引かせないための基本的な対応になります。

期限に遅れないための逆算チェックポイント

設立登記は複数の手続きの後工程にあるため、前工程の遅れがそのまま登記準備の遅れにつながります。逆算の目安は次のとおりです。


順序

工程

確認すること

1

定款の作成・認証(株式会社の場合)

公証役場での認証日を確認する

2

出資の履行(資本金の払込)

払込日・払込先の口座・払込を証明する書類を確認する

3

設立時取締役等の選任

発起人決定書等での選任日を確認する

4

設立時取締役等の調査

調査報告書の作成日(=調査完了日)を確認する

5

登記申請書類の作成・製本

押印・添付書類の不足がないか確認する

6

登記申請(法務局への提出)

調査完了日(または発起人が定めた日)から2週間以内か確認する


4の調査完了日が確定した時点で、逆算した満了日をカレンダーに記入しておくと、期限の見落としを防ぎやすくなります。

期限を確認した上で次の手続きを進めましょう

設立登記の期限は、資本金の払込日ではなく「設立時取締役等の調査完了日」と「発起人が定めた日」のいずれか遅い日から2週間です。期限を過ぎても申請自体はできますが、100万円以下の過料の規定があるため、気づいた時点で早めに申請することが基本的な対応になります。


申請先・必要書類・郵送申請の可否など、登記申請そのものの手順は「会社設立登記の申請方法における提出先と2週間の期限を解説」で解説しています。また、そもそもの設立日(登記申請日)をいつにするかを検討している場合は、会社設立日は希望日にできる?決まり方と逆算の方法も参考にしてください。


会社設立全体の流れを確認したい場合は、株式会社設立の流れ9ステップ|登記申請の方法と費用もあわせてご覧ください。


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