決算期はいつにすべき?事業年度・決算月の決め方と判断材料4つ

会社設立の事前準備
投稿日:2026.10.20
決算期はいつにすべき?事業年度・決算月の決め方と判断材料4つ

決算期(事業年度)は、設立時に会社が自由に決められます。事業年度の期間は1年以内であれば何か月でもよく、決算月は定款に定めるのが一般的です。決める際の判断材料は、事業の繁忙期、税金・届出の期限、資金繰り、決算作業の体制の4つです。

ただし、設立日から最初の決算日までが短いと、設立直後に届出や申告が重なります。決算期は後から変更できますが、株主総会の決議による定款変更と税務署などへの届出が必要になるため、設立の時点で見通しを持っておくと手戻りを防げます。

この記事では、事業年度の基本、判断材料4つの中身、決算月ごとの法人税の申告期限の早見表、第1期で起きやすいつまずき、定款への書き方と変更の手続きを解説します。

事業年度・決算期とは

事業年度とは、会社が収益と費用を集計し、利益や税額を計算するための区切りの期間です。決算期とも呼ばれ、期間の最後の日が決算日、その月が決算月です。


法人税法では、法令または定款等で定める会計期間を事業年度とし、1年を超える場合は1年ごとに区切ると定めています。会社法上の計算書類も、事業年度ごとに作成します。会社計算規則でも事業年度は1年を超えられません。


個人事業主の所得は暦年(1月1日〜12月31日)で固定ですが、法人は期間を自由に決められます。たとえば2026年10月1日に設立し、決算月を3月とした場合は次のようになります。


  • 第1期:2026年10月1日〜2027年3月31日(6か月)
  • 第2期:2027年4月1日〜2028年3月31日(12か月)


設立日から最初の決算日までが第1期で、第1期だけ12か月より短くなるのはよくあることです。

決算期を決める判断材料4つ

決める際に確認したい4つの材料を並べます。ご自身の事業に当てはめてご検討ください。

判断材料①事業の繁忙期と閑散期

決算日の直後には、売上と費用の締め、在庫の確認、請求書や入金の突き合わせが一斉に発生します。


確認したいのは、売上が集中する月、在庫を数える時期、取引先の締め日です。繁忙期の直後に決算日を置くと、忙しい時期と決算作業が重なってしまいます。

判断材料②消費税・税務届出の期限

新しく設立された法人は、設立1期目と2期目に基準期間がないため、消費税の納税義務は原則として免除されます。ただし、事業年度開始時の資本金が1,000万円以上の場合や、特定新規設立法人に該当する場合は免除されません。適格請求書発行事業者の登録を受けた場合も、この免除は受けられません。


免除される期間は第1期と第2期の長さに連動するため、決算期の設定によって免税の期間が変わります。


第1期の長さは届出の期限にも影響します。以下の表もご参考いただき、自社の場合、どんな手続きがいつ必要になるかをイメージしておきましょう。


届出書類

提出期限

法人設立届出書

設立登記の日から2か月以内

青色申告の承認申請書(第1期から)

設立の日から3か月を経過した日と第1期の終了日のいずれか早い日の前日まで


青色申告の承認申請書は「いずれか早い日」が期限なので、第1期が3か月に満たない場合は、第1期の終了日の前日が期限になります。

判断材料③納税のタイミングと資金繰り

法人税の確定申告書は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出します。


つまり、決算日から2か月後の月末までに納税資金が必要です。売上の入金や仕入・設備の支払いがどの月に出るかで、納税時点の手元資金は変わります。

判断材料④決算・申告作業を進める体制

決算を誰が進めるかも、決算月の判断材料です。自社で経理を行うなら月次の締めの日程、専門家に依頼するなら依頼先の対応時期を確認します。よくあるのが税理事務所の繁忙期による決算月への影響です。


また、株式会社は事業年度の終了後に定時株主総会を開く必要があります。決算書の提出を求められる時期とも重ねて確認しましょう。

決算月ごとの申告期限の早見表

決算月ごとの法人税の申告期限は、次のとおりです。決算日が月末の場合の例で、期限が土日・祝日に当たるときは翌営業日になります。


決算月

法人税の申告期限

同じ時期に重なりやすいもの

3月(3月31日)

5月31日

多くの企業が年度末とする月

6月(6月30日)

8月31日

夏季休暇の時期と近い

9月(9月30日)

11月30日

年度の半ばで比較的重なりが少ない

12月(12月31日)

翌年2月末

個人の確定申告期間(2月中旬〜3月中旬)と近い。3月と同じく多くの企業が年度末とする


設立初年度で起きやすいつまずき

たとえば、決算月を3月にして、2027年3月10日に設立したとします。第1期は3月10日から3月31日までの22日間になります。この場合、青色申告の承認申請書の期限は、設立から3か月後の6月10日ではなく、第1期の終了日(3月31日)の前日である3月30日になります。設立届出書の期限(2か月以内)もあり、設立直後にまとめて準備が必要です。


また、第1期が短くても、売上がなくても、第1期の決算と確定申告は必要です。


逆に、決算月の翌日付近に設立すると、第1期はほぼ12か月になります。最初の決算まで日数がある分、経理の記録は設立日から長く積み上げることになります。

決めた決算期の定款への書き方と後からの変更

決算期は、定款に事業年度として記載するのが一般的です。記載例は次のとおりです。


第○条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。


定款全体の記載事項は、株式会社の定款の作り方・記載事項の全項目とひな形を解説で確認できます。


決算期は設立後に変更できます。変更するには、株主総会の特別決議で定款を変更し、変更後は、税務署や都道府県・市区町村への異動届出書の提出が必要です。事業年度は登記事項ではないため、決算期の変更だけで変更登記は必要ありませんが、本店所在地や事業目的などほかの事項を同時に変更する場合は登記申請が必要になる場合があります。


決算期を変更すると、変更前の事業年度の終了日から新しい決算日までが1つの事業年度になります。設立時点で判断材料を整理しておくと、変更の手間を避けられます。

決算期を決める判断ポイント意識しておきましょう

決算期は、設立時に自由に決められます。判断の材料は、①事業の繁忙期、②消費税や届出の期限、③納税と資金繰り、④決算作業の体制の4つです。個別の事情は、税理士などの専門家にご相談ください。


決算期以外に設立前に決めておく項目は、会社設立前に決めること10項目の印刷できるチェックリストにまとめています。


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