会社設立の印鑑は何種類必要?実印と印鑑届書の作り方

会社設立の必要書類
投稿日:2026.10.13
会社設立の印鑑は何種類必要?実印と印鑑届書の作り方

株式会社の設立で用意する印鑑は、会社実印(代表者印)・銀行印・角印の3種類を用意できることが理想です。

このうち法務局への登記に関わるのは会社実印だけで、書面で登記を申請する場合はあらかじめ「印鑑届書」を提出しておく必要があります。会社実印のサイズや印鑑届書の書き方は商業登記規則で細かく定められている一方、2021年2月15日の改正でオンライン申請なら印鑑の提出自体が任意になり、オンラインか書面申請かでルールが分かれた点で躓いてしまう人がいます。

本記事では、3種類の印鑑の役割の違い、会社実印のサイズ規定、印鑑届書の入手方法と記載のポイント、オンライン申請と書面申請での提出義務の違いを整理しながら解説します。

会社設立で必要になる印鑑3種類の役割と使い分けは?

会社の印鑑は用途ごとに分けて用意するのが基本です。1本の印鑑を全用途で兼用すると、紛失や悪用があった場合に契約・口座・日常業務のすべてが同時に止まってしまうため、次の3本セットで準備し、保管場所や管理担当者も分けておくのが実務上スタンダードな方法です。


種類

主な用途

法務局への届出

会社実印(代表者印)

登記申請、重要な契約書、登記事項証明書と組み合わせて使う場面

対象(書面申請の場合)

銀行印

法人口座の開設、口座振替の設定、手形・小切手の振出

対象外(金融機関に別途登録)

角印

見積書・請求書・領収書など日常のビジネス文書

対象外


銀行印と角印は法務局への届出義務がなく、形やサイズも法令上の定めはありません。届出が必要になるのは、法人としての意思表示に法的な効力を持たせる会社実印だけです。

会社実印(代表者印)のサイズと形の決まり

会社実印として法務局に提出できる印鑑には、商業登記規則にサイズの制限があります。辺の長さが1センチメートルの正方形に収まるもの、または辺の長さが3センチメートルの正方形に収まらないものは提出できません。つまり、1辺1cm超・3cm以内の正方形に収まるサイズが条件です。また、印鑑は照合に適するもの、すなわち印影がはっきりしていて欠けやかすれがない状態であることも求められます。


形状や材質についての規定はなく、丸型・角型のどちらでも要件上は提出可能ですが、実務上は丸型で「代表取締役印」などと二重に彫刻したものが広く使われています。慣習的に「丸印」と呼ぶこともあります。

印鑑届書は書面で登記申請する場合に提出が必要

登記の申請書または委任状が書面の場合、その前提として、あらかじめ登記所に会社の印鑑を提出したうえで、当該書面にその印鑑を押印する必要があります。この「印鑑の提出」に使う書類が印鑑届書です。


提出方法は次の2通りです。


提出方法

必要書類

書面で持参・郵送

印鑑届書+代表者個人の印鑑証明書

オンラインで送信

電子署名を付与した印鑑届書データ(登記のオンライン申請と同時のみ)


印鑑の提出は登記申請と同時に行っても差し支えないため、設立登記の申請書一式と一緒に印鑑届書を提出するのが一般的な流れです。印鑑届書を提出後に「印鑑カード交付申請書」を申請し、印鑑カードの交付を受けることで法人の印鑑証明書を取得できるようになります。

印鑑届書の入手方法と記載のポイント

書面提出用の印鑑届書の様式は、法務局ホームページ「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書等の様式」からダウンロードできます。様式には会社実印を押印する欄と、届出をする代表者個人の実印を押印する欄がそれぞれ設けられており、両方の押印が必要です。


オンラインで印鑑届書を提出する場合は、法務省が指定する1cmごとの目盛り付き専用様式を使用しなければなりません。様式はA4サイズのまま拡大・縮小せずに印刷し、物体による印章で鮮明に押印したうえで、原寸大かつ600dpi程度の解像度でスキャンしてPDF化する必要があります。手順の詳細は法務省「オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出について」に掲載されています。

2021年2月15日から印鑑届出は任意になったが注意も必要

令和3年(2021年)2月15日施行の商業登記規則改正により、登記の申請をオンラインで行う場合、登記所への印鑑の提出は任意になりました。もっとも、代表者の印鑑証明書が必要などの理由で印鑑を提出する場合には、オンラインによる登記申請と同時に行うときに限り、印鑑届書もオンラインで提出できます。


一方、書面申請(QRコード付き書面申請を含む)の場合や、代理人が委任状を書面で持参・送付する場合は、従来どおり書面による印鑑の提出が必要です。「オンライン申請だから印鑑はもう不要」という理解は、書面部分が残る申請では当てはまらないため注意が必要です。実務上でもまだまだ実印が必要となるシーンは多いため、用意しておくことがおすすめです。

会社実印・銀行印・角印はいつ作ればいい?準備の順番

3本の印鑑は、設立準備の中で次の順番で必要になります。


タイミング

対応

商号(会社名)が確定した後

会社実印を発注(定款認証前でも社名が決まれば注文できる)

登記申請時

会社実印を印鑑届書で届出(書面申請の場合のみ必須)

法人口座の開設時

銀行印を金融機関に登録

事業開始後の日常業務

角印を請求書・領収書等に使用


会社実印は登記申請のタイミングで必要になるため、商号が固まった段階で発注しておくと、設立登記の申請時期に間に合わないという事態を避けられます。それぞれの印鑑が必要になるタイミングは異なりますが、手間や総額を考えると3種類を同時に準備するのが効率的です。

「代表者個人の実印」も忘れずに準備しましょう

印鑑届書には会社実印だけでなく、届出をする代表者個人が市区町村に登録した個人の実印も押印し、発行後3か月以内の印鑑証明書を添付します。個人の実印がまだ未登録の場合は、住民登録のある市区町村の窓口で先に登録を済ませておく必要があります。


個人実印として登録できるサイズは市区町村の条例で定められており、「1辺25mm以下・8mmを超える正方形に収まるもの」とする自治体が多く見られますが、基準は自治体ごとに定められているため、登録前に住民登録のある市区町村へ確認することをおすすめします。


会社実印の準備と合わせて、印鑑届書に必要な書類の全体像は「株式会社設立の必要書類一覧」で確認できます。設立登記に必要な書類のそろえ方は「会社設立の流れと必要な手続き」でも整理しています。


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