発起人の決定書はいつ必要になる?記載事項やひな形も解説

会社設立の必要書類
投稿日:2026.10.01
発起人の決定書はいつ必要になる?記載事項やひな形も解説

社設立の手続きを進めていると、「発起人の決定書」や「発起人会議事録」という書類名を目にすることがあります。定款で決めきれなかった事項を発起人の合意で確定させるための書類ですが、どのようなケースで必要になるのか、何を書けばよいのか分かりにくいところです。


本記事では、発起人の決定書が必要になる場面、記載事項、記載例(ひな形)について解説します。

発起人の決定書(発起人会議事録)とは

発起人の決定書とは、株式会社の設立にあたり、定款に具体的な定めがない事項について、発起人の合意で決定した内容をまとめた書面です。


発起人が複数いて話し合いの場を設けた場合は「発起人会議事録」「発起人の同意書」、発起人が1名で話し合いを要しない場合は「発起人決定書」と呼ばれますが、内容や役割に違いはありません。

発起人の決定書はいつ必要になる?

発起人の決定書は、必要になるケースとならないケースがあります。代表的なケースは次のとおりです。特に本店所在地を最小行政区画にするケースは多いので確認しておきましょう。

  • 定款で本店所在地を市区町村までしか定めていない場合:定款には本店所在地を最小行政区画(市区町村)まで記載すれば足りますが、その場合は別途、発起人(の過半数)の決定で番地までの所在場所を定める必要があります。
  • 定款で設立時取締役を定めていない場合:発起人の決定書(設立時取締役選任及び本店所在場所決議書)で選任します。
  • 金融機関から提出を求められる場合:発起人会議事録は設立登記申請の添付書類には該当しませんが、出資金の払込に際して金融機関から提出を求められることがあります。



反対に、本店所在地の番地や設立時取締役を定款で具体的に定めている場合は、発起人の決定書を別途作成しなくても手続きを進められます。

発起人が1名の場合と複数の場合で書き方が違う

発起人が複数いる場合は、発起人全員(または議決権の過半数を有する発起人)が出席し、その全員一致の決議によって事項を決定した旨を記載します。


一方、発起人が1名の場合は話し合いの場を設ける必要がないため、「発起人○○は次のとおり決定した。」という形式で決定事項を記載すれば足ります。

発起人の決定書の記載事項

発起人の決定書には、主に次の内容を記載します。

  • 作成日、会社名(商号)
  • 出席状況(発起人全員出席、または議決権の過半数を有する発起人が出席した旨)
  • 決定事項(本店所在地の番地までの所在場所、設立時取締役の氏名・住所など)
  • 発起人全員の記名・押印



押印に使用する印鑑は、発起人全員の個人の実印です。作成後は、印鑑証明書と併せて保管しておきましょう。

発起人の決定書のひな形・記載例

発起人の決定書(発起人会議事録)の単体の様式(フォーマット)は法務局から配布されていませんが、法務局が公開している「商業・法人登記の申請書様式」ページの記載例(PDF)の中に、「設立時取締役選任及び本店所在場所決議書の例」として発起人の決定書に相当する書式が掲載されています。実際に作成する際の参考にしてください。

法務局の記載例・様式ダウンロードはこちら:

・株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)記載例(PDF) ※「設立時取締役選任及び本店所在場所決議書の例」を掲載

・株式会社設立登記申請書(取締役会を設置する会社の発起設立)記載例(PDF)

・商業・法人登記の申請書様式(法務局トップページ) ※様式一覧・最新版はこちらで確認可能


まとめ

発起人の決定書は、本店所在地の番地や設立時取締役を定款で定めていない場合などに必要となる書類です。定款内で本店住所を「東京都港区」までの記載とした場合などに正確な住所について決定した書類として必要になるため、会社設立においては意外に登場する機会が多いです。


記載事項自体はシンプルですが、押印は発起人全員の実印が必要になるなど、実務上注意すべき点もあります。会社の状況や定款内で何をどこまで定めるかといった方針によっても記載する内容が異なりますので注意が必要です。


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