就任承諾書は会社設立で誰の分が必要?書き方とひな形を解説

会社設立の必要書類
投稿日:2026.10.02
就任承諾書は会社設立で誰の分が必要?書き方とひな形を解説

就任承諾書は、会社設立時に選任される設立時取締役・設立時代表取締役・設立時監査役など、役員に就任する人ごとに用意する書類です。全員分が必要になるケースもあれば、一部を省略できるケースもあります。

何通必要かは、取締役会を設置するかどうか、発起人が役員を兼ねるかどうかによって変わるため、一律に「○通」とは言えません。あわせて添付する印鑑証明書や本人確認証明書の要否も、対象者ごとに条件が異なります。

本記事では、就任承諾書が必要な対象者の一覧、発起人が兼任する場合に省略できる条件、記載事項とひな形の使い方を、法務局の記載例をもとに整理します。

就任承諾書とは?会社設立で必要になる書類

就任承諾書は、設立時取締役・設立時代表取締役・設立時監査役に選ばれた本人が「その役職への就任を承諾します」と意思表示するための書面です。設立登記の申請書に添付書類として提出します。


法務局が公開している記載例では、次のような文言が示されています。


「私は、令和○年○月○日、貴社の設立時取締役に選任されたので、その就任を承諾します。」


設立時代表取締役・設立時監査役についても、役職名を置き換えて同様の書式で作成します。

就任承諾書は誰の分が必要?機関設計別の一覧

必要な通数は、会社が取締役会を設置するかどうかで変わります。


機関設計

就任承諾書が必要な対象

取締役会を設置しない会社

設立時取締役(全員)、設立時監査役を置く場合はその人

取締役会を設置する会社

設立時取締役(全員)、設立時代表取締役、設立時監査役を置く場合はその人


設立時会計参与を置く場合も、同様に本人の就任承諾書が必要です。


対象者が複数いる場合は、原則として人数分の就任承諾書を用意します。ただし次のとおり、発起人が役員を兼ねる場合は添付を省略できることがあります。

発起人が役員を兼ねる場合は省略できることがある

発起人の中から設立時取締役・設立時代表取締役・設立時監査役を選んだ場合、次の条件を満たせば、別途の就任承諾書を省略できます。


  • 設立時取締役・設立時監査役を選任する決議書に、被選任者が席上でその就任を承諾した旨と、被選任者の住所・氏名の記載があること
  • 決議書に、市町村に登録した印鑑(実印)で記名押印していること


この場合、登記申請書には「就任承諾書は、設立時取締役選任決議書の記載を援用する。」のように記載します。設立時代表取締役についても、設立時代表取締役選定決議書に同様の記載があれば援用できます。


一方、発起人以外の者を設立時取締役・設立時代表取締役・設立時監査役に選んだ場合は、必ず別途の就任承諾書が必要になります。 決議書への記載では代用できません。


なお、就任承諾書の添付を省略した場合でも、印鑑証明書や本人確認証明書の添付は省略できません(次のセクションで解説します)。


就任承諾書の記載事項とひな形

就任承諾書には、次の項目を記載します。


  • 就任の日付(選任された日、または就任を承諾する日)
  • 承諾する役職名(設立時取締役/設立時代表取締役/設立時監査役)
  • 本人の住所(住民票どおりに、「〇丁目〇番〇号」まで略さず記載)
  • 本人の氏名
  • 押印(取締役会の有無・役職に応じて実印または認印。上の表を参照)
  • 宛先(会社名)


住所は「○-○○-○○」のような略記ではなく、印鑑証明書や住民票の記載どおりに書きます。表記が一致しないと、登記申請の際に補正の対象になることがあるので注意しましょう。

設立時の就任承諾書のひな形


こちらは法務局のホームページでダウンロードできる会社設立登記申請書のひな形内の就任承諾のスクリーンショットです。ファイルはこちらからダウンロードできます。


ひな形を使うときは、上記の記載事項が過不足なく入っているか、押印が対象者に応じた印鑑(実印/認印)になっているかをあわせて確認してください。


就任承諾書とあわせて添付する書類

就任承諾書の提出に合わせて書類の添付が必要になる場合があります。対象者ごとに、添付する証明書の種類が異なります。


機関設計

設立時代表取締役

設立時取締役

設立時監査役

取締役会を設置しない会社

(代表取締役の定めがなければ該当なし)

市町村長作成の印鑑証明書

住民票記載事項証明書等の本人確認証明書

取締役会を設置する会社

市町村長作成の印鑑証明書

住民票記載事項証明書等の本人確認証明書

住民票記載事項証明書等の本人確認証明書


取締役会を設置しない会社では、設立時取締役全員が就任承諾書に市町村へ登録した印鑑(実印)を押し、印鑑証明書を添付します。一方、取締役会を設置する会社では、実印と印鑑証明書が必要なのは設立時代表取締役のみで、その他の設立時取締役・設立時監査役は住民票記載事項証明書等の本人確認証明書で足ります。


印鑑証明書は作成後3か月以内のものを求められます。登記申請と同時に印鑑届書を提出する場合、届書に添付した印鑑証明書を援用できるため、二重に用意する必要はありません。

必要書類も合わせて一覧で確認しておきましょう

就任承諾書は、設立時取締役・設立時代表取締役・設立時監査役ごとに必要かどうかが変わり、発起人が役員を兼ねる場合は決議書の記載で代用できることもあります。押印の種類や添付書類も対象者によって異なるため、機関設計を決めた時点で早めに確認しておくと、前もって準備しやすくなります。


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