本店所在地及び資本金決定書はいつ必要?記載例で解説

会社設立の必要書類
投稿日:2026.10.13
本店所在地及び資本金決定書はいつ必要?記載例で解説

会社設立の手続きで必要となる本店所在地及び資本金決定書は、定款に本店の詳細な住所(丁目・番地)や資本金の具体的な額を記載していない場合に、発起人が改めてこれらを決定したことを証明するために作成する書類です。
一律に必要になるわけではなく、定款の記載内容によって要否が変わります。

多くの定款では、本店移転の際に定款変更の手間がかからないよう、本店所在地を「〇〇市」など最小行政区画までしか記載しません。資本金についても、定款には「設立に際して出資される財産の最低額」だけを定め、実際の資本金額は別途決めるケースが一般的です。そのため、自分の会社の定款でこの書類が必要かどうか判断に迷うことがよくあります。

この記事では、これらの決定書が必要になる条件と不要になる条件、記載すべき項目、記載例について解説します。

本店所在地及び資本金決定書とは?

株式会社の設立登記を申請する際、定款の記載だけでは登記に必要な情報がすべて揃わないことがあります。その場合に、発起人が追加で決定した内容を書面にしたものが「発起人決定書」と呼ばれる書類群です。このうち本店所在地と資本金の額を扱うものは、実務上「本店所在地及び資本金決定書」「本店所在地決定書」「資本金決定書」などと呼ばれ、設立登記申請書の添付書類として法務局に提出します。


法務局が公表している添付書面の記載例でも、本店所在場所の決定や、資本金の額に関する発起人の同意は、定款とは別の書面として整理されています。

本店所在地及び資本金決定書が必要になるケース

次のいずれかに該当する場合は、決定書の作成が必要です。


  • 定款の本店所在地が「〇〇県〇〇市」など最小行政区画までの記載にとどまり、番地まで定めていない場合
  • 定款が「設立に際して出資される財産の最低額」のみを定め、資本金の具体的な額を記載していない場合


どちらか一方だけに該当する場合は「本店所在地決定書」または「資本金決定書」として作成し、両方に該当する場合は1通にまとめて「本店所在地及び資本金決定書」とすることが多くなっています。


なお、定款の本店所在地を最小行政区画までにとどめる会社が多いのは、同一区画内で本店を移転する場合に定款変更の手続きを省略できるためです。区画外への移転であれば、いずれの記載方法でも定款変更や本店移転登記が必要になります。

不要なケースは、定款に地番と資本金額を記載している場合

定款に「東京都港区南青山一丁目1番1号」のように地番まで記載し、かつ資本金の額も具体的な金額で定めている場合は、この決定書を作成する必要はありません。定款の記載だけで登記に必要な情報がすべて揃っているためです。

記載する項目(本店所在地・資本金額・作成日・発起人)

本店所在地及び資本金決定書には、次の項目を記載します。


項目

記載内容

作成日

発起人が決定を行った日

会社の商号

定款どおりの正式名称(「(株)」などの略称は不可)

本店所在地

番地まで省略せずに記載(漢数字表記が一般的)

資本金の額

具体的な金額を記載

発起人

全員の住所・氏名を記名


本店所在地は「1-1-1」のようなハイフン表記ではなく、「一丁目1番1号」のように、登記簿の表記に合わせて記載します。

決定書の記載例(テンプレート)

法務局の記載例や実務上の書式をもとにした記載例は次のとおりです。会社の実情に合わせて内容を調整してください。


本店所在地及び資本金決定書


令和〇年〇月〇日、〇〇株式会社創立事務所において発起人全員が出席し、その全員の一致により次のとおり決定した。


1 本店所在地は、〇〇県〇〇市〇〇一丁目2番3号とする。

2 資本金の額は、金〇〇円とする。


上記の決定事項を証するため、発起人の全員は次のとおり記名する。


令和〇年〇月〇日 〇〇株式会社

発起人 〇〇県〇〇市〇〇一丁目2番3号 〇〇 〇〇
発起人 〇〇県〇〇市〇〇一丁目2番3号 〇〇 〇〇


発起人が1名の場合は、「発起人全員が出席し」の部分を「発起人が出席し」に変更します。

決定書作成時の注意点

  • 押印は不要
    以前は発起人の実印による押印が必要とされていましたが、現在は記名のみで足りる扱いになっています。もっとも、金融機関への提出など他の用途で実印が必要になる場合もあるため、迷う場合は司法書士など専門家に確認してください。
  • 作成日の決め方
    実務では定款の作成日と同一にする運用がよく見られますが、決定書の性質上、確定的なルールがあるわけではありません。日付の決め方に迷う場合は、司法書士など専門家に確認したうえで作成してください。
  • 本店所在地は正確に記載
    番地やビル名の記載漏れは、登記申請時の補正の原因になります。省略せず正確に記載しましょう。
  • 会社名は定款どおりに記載
    「株式会社」を省略せず、定款に記載した正式名称をそのまま使用します。


なお、本店所在地や資本金以外にも、設立時取締役の選任など、定款に記載がない事項については別途書面が必要になる場合があります。取締役の選任に関する書類については「発起人の決定書はいつ必要になる?記載事項やひな形も解説」でも解説しています。

他に必要な書類の全体像

本店所在地及び資本金決定書は、設立登記に必要な書類の一つです。発起人の人数や機関設計、現物出資の有無によって、ほかに必要な書類は変わります。ケース別の必要書類の全体像は「株式会社設立の必要書類一覧」の早見表も合わせて参考にしてください。


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