株式会社から合同会社への組織変更・登記手続き

自分で行う変更登記
投稿日:2024.09.04
株式会社から合同会社への組織変更・登記手続き

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株式会社から合同会社への変更とは?

株式会社と合同会社は、会社の組織体制や運営方法が全く異なります。ですから、それぞれの会社形態に応じたメリットとデメリットがあります。これらを考慮し、一度株式会社として活動していたものを合同会社へと移行することも可能です。

このように、会社の種類を株式会社から合同会社、又は合同会社から株式会社へと変更する手続きを組織変更と言います。なお、似た用語として組織再編という言葉がありますが、これは合併や分割、株式移転などの手続きを総称して使われます。ですから組織変更とは混同しないように注意しましょう。

                         

どんなときに合同会社への変更が発生するのでしょうか?

株式会社から合同会社への組織変更では、まず組織変更計画書の作成を行います。そしてこの計画につき、株主総会の承認を受け、計画で定めた効力発生日が到来したときに組織変更の効力が発生します。

この効力発生により株式会社は解散し、新たに合同会社が設立されます。

                         

合同会社への変更時に登記をしなくてはならない理由 

組織変更では、組織変更計画書で定めた効力発生日から2週間以内に、合同会社の設立の登記と、組織変更により消滅する株式会社についての解散の登記を申請しなければならないと定められています。

登記申請を怠ると裁判所から過料の制裁を受ける可能性があります。

商業登記の制度というのは、商号や本店、事業目的、資本金、役員等、会社にとって重要な事項を公示することにより、会社の信用の維持を図り、取引を安全かつ円滑に行うことを目的にしているため、会社の実態に変更があった場合は速やかに登記簿に反映させる必要があるのです。
                        

登記完了までの流れ

組織変更の手続には多くの手順を踏む必要があります。

一般的なケースでは、登記申請までにおおまかに以下の手続が必要になります。

①業務執行機関(取締役会等)での決定

②組織変更計画書の作成

④官報公告の申込、掲載

⑤債権者への個別催告

⑥株主等に対する通知又は公告

⑦株主総会や種類株主総会での組織変更計画の承認

会社の事情によっては株券提供公告など、さらに多くの手続が必要になります。

そして組織変更計画書や株主総会議事録、公告・催告したことを証する書面等、場合に応じて登記に必要な書類を取り揃え、当事会社を管轄する法務局に登記申請する必要があります。

不備がなければ、申請後1~2週間ほどで登記が完了します。

                        

株式会社から合同会社への変更登記を自分で行うことは可能?

インターネットや書籍で調べたり、法務局に何度も足を運んで相談するなど、多くの時間をかければ、不可能とは言い切れませんが、組織変更の登記には多くの専門的知識が必要なため、自分で行うことはかなり難しいと言えます。自力で進めた場合、数か月かかることもあるでしょう。

前述のとおり、組織変更の登記を申請するまでに多くの手続が必要になりますので、組織変更計画書に記載しなければいけない事項は何か、官報公告はどのようにしてするのか、債権者への催告や株主への通知事項など、自分で不備なく行うには調べることが膨大にあります。すべての手続を終わらせたつもりでも、その手続きに瑕疵があれば、予定していた組織変更の効力発生日に組織変更ができないという事態になってしまいます。

また、登記の手続きは、必要な書類一式を揃え、管轄する法務局の審査を受け、不備なく通す必要があります。申請書はどのように記載すればいいのか、収入印紙はいくらなのか、どこの法務局に提出するのか、申請書以外に必要な書類は何か、どの書類に何の押印が必要か、これらの情報はインターネットでも調べることは可能ですが、非常に膨大な情報となりますし、正確な知識を身に付けるのは困難です。

時間を掛けて調べても法務局の補正指示があれば、都度出向いて直す必要があります。それだけの時間と労力をかけても、登記の知識は司法書士以外には本業で役に立つことはほとんどないでしょう。

ですから、自力で行うことは可能と言っても、必要以上に登記手続きに手間や時間がとられ本業に支障がでては本末転倒ですから、これらを踏まえた上で検討する必要があると言えます。
                

合同会社への変更登記を自分で行うメリットとデメリット

メリット

  • 費用を削減できる

自分で登記手続きをする場合、司法書士に支払う報酬は発生しませんので、費用を抑えることができます。

デメリット

  • 手続きに時間を割く必要がある

組織変更の手続は、債権者保護手続きに1か月の期間を置く必要がありますので、専門家がスムーズに行ったとしても2か月ほどの期間がかかります。それを自分で行おうとすると数か月かかってしまうかもしれません。手続きの流れを把握し、スケジュールを組むだけでもかなりの時間が必要になるでしょう。

  • 法務局へ出向くケースもある

登記の申請手続きでは、法務局の審査は厳しいため、司法書士でも書類の不備で補正を受けることがあります。補正とは法務局による書類審査上で不備があった場合の通知です。補正通知があった場合は、内容によっては法務局に出向いて書類の内容を訂正する必要が出てきます。管轄の法務局によっては半日作業となります。

  • 詳しく調べても本業には役に立たない

会社登記はもっぱら会社の基本的な事項を公示する機能となりますから、経営者であれば当たり前に把握している内容です。しかし、その登記手続きは専門性を極めており、本業ではほとんど使わない知識ばかりですから苦労して調べても見返りは非常に少ないと言えます。

  • 費用削減できるといっても頻繁に必要な手続きではない

会社の組織変更登記は頻繁に必要な手続きではありませんから費用削減の効果としては微妙と言えるでしょう。

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・株主総会議事録
・株主リスト
・印鑑届出書
・就任承諾書(役員就任・重任)
・辞任届(役員辞任)
・準備金・剰余金の額に関する証明書(剰余金の資本組み入れ)
・総社員の同意書(合同会社)
・業務執行社員の同意書(合同会社)

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執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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