2020年8月現在、コロナウイルス感染拡大の影響に伴いテレワーク・リモートワークが推奨されておりますが、このような状況下で書類に印鑑を押す必要のない電子契約が注目されています。
電子契約と一言で言っても事前の準備が必要となりますが、今回は電子署名に必要な電子証明書について説明したいと思います。
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電子証明書には法人を証明するものと個人を証明するものがある
電子証明書には、代表者の実印に代わるものとして法人・会社を証明する電子証明書、個人の実印に代わるものとして個人を証明する電子証明書があり、電子文書に電子署名をした際に添付して送信する必要があります。電子証明書は電子署名を証明する為のものですので、電子証明書単体で使用されることはありません。
法人を証明する電子証明書について
法人が使用できる電子証明書には以下のものがあります。
- 商業登記認定局が発行する電子証明書
- 地方公共団体が運営する公的個人認証局が発行する法人代表者に係る電子証明書
- その他民間認証局等が発行する電子証明書
この中でも商業登記認定局が発行する電子証明書は一番効力があり様々なシーンで利用することができますので、「会社・法人を証明する電子証明書=商業登記認定局が発行する証明書」と覚えておけば間違いないでしょう。商業登記認定局が発行する電子証明書のことを「商業登記電子証明書」と呼びます。
<商業登記電子証明書の主な使用用途>
登記・供託オンライン申請
- e-Tax(国税電子申告・納税システム)
- eLTAX(地方税電子申告)
- 社会保険・労働保険関係手続(e-Gov 電子申請システム )
- 特許のインターネット出願
- 自動車保有関係手続のワンストップサービス
- 総務省 電波利用 電子申請・届出システム
- 防衛装備庁 電子入札・開札システム
- オンラインによる支払督促手続(督促手続オンラインシステム)
- 政府電子調達システム(GEPS)
- 電子自治体における各種の申請・届出システム
詳しくは法務省の電子証明書取得のご案内をご確認下さい。
公的個人認証サービスによる電子証明書について
個人を証明する電子証明書の代表的なものとしてマイナンバーカードに搭載される電子証明書(公的個人認証サービス)があります。署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の2種類があり、それぞれの特徴は以下のとおりです。
<署名用電子証明書>
電子文書へ電子署名をした際に、その署名を証明する証明書として使用します。
<利用者証明用電子証明書>
インターネットサービスへログインする場合などに使用します。ログインした人が本人であることを証明することができます。
詳しくは総務省の公的個人認証サービスによる電子証明書をご確認下さい。
民間事業者における公的個人認証サービスの活用について
法改正により、平成28年1月より民間事業者においても公的個人認証サービスを活用できることとなりました。詳しくは総務省の民間事業者における公的個人認証サービスの活用についてをご確認下さい。
電子契約は民間業者のクラウドサービスも便利です
現在はクラウドサインのようなクラウドサービスによる電子契約サービスもあります。この様なサービスを利用する場合は従来の電子文書による契約時のように電子証明書を添付する必要がなく、代わりに第三者(クラウドサイン)が電子署名をする便利なサービスです。
法務省が商業登記に利用可能な電子署名サービスにクラウドサインを指定したことにより、クラウドサインを利用して作成した電子文書を登記申請に使用することが可能となりました。
詳しくはクラウドサインの電子契約サービスをご確認下さい。
商業登記申請には商業登記電子証明書が必要です
ここまで法人・個人の電子証明書の説明をしてきましたが、オンラインで商業登記申請をする場合の電子証明書について説明をしたいと思います。
商号登記をオンラインで申請する場合は電子書類に法人・会社を証明するための電子署名をする必要があり、その電子署名を証明する為の「商業登記電子証明書」が必要となります。
また、添付書類として株主総会議事録などが必要な場合は議長および出席取締役全員の電子署名が必要となり、電子署名を証明するための電子証明書が必要となります。
このように商業登記をオンラインで申請する場合は、法人・会社を証明する電子証明書と、個人(取締役)を証明するための電子証明書が必要になる場合があります。
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・商号変更
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・剰余金等の資本組入れ
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・印鑑届出書
・就任承諾書(役員就任・重任)
・辞任届(役員辞任)
・準備金・剰余金の額に関する証明書(剰余金の資本組み入れ)
・総社員の同意書(合同会社)
・業務執行社員の同意書(合同会社)
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まとめ
今回は電子証明書について説明させて頂きました。電子書類による契約の取り交わしは便利な反面、理解していないと対応が難しいものです。これからの時代、相手会社から電子書類での契約を要求された場合にいつでも対応できるようにしておくことが必要かもしれません。最後までお読みいただきありがとうございました。
執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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