株式会社にとって株主は最も重視すべき存在の一つです。株主は投資家であると同時に、与えられた権利を行使して、経営や人事など会社の重要事項を決定する権利を有しています。
本記事では持株比率に応じた株主の権利についてその性質や概要を解説しています。また、権利を行使するための要件や権利を制限する方法についても紹介しています。
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株主の権利
この章では持株比率について概要を説明します。また、株主には基本的な権利が3つあることも合わせて解説します。
株主の3つの権利
株主の基本的な3つの権利として、剰余金配当請求権・残余財産分配請求権・株主総会における議決権が挙げられます。
また、これら3つの権利は、自益権もしくは共益権のどちらかに大別されます。
たとえば、剰余金配当請求権・残余財産分配請求権は自益権(株主の各個人の利益になる権利)で、株主総会における議決権は共益権(株主全体にとって利益になる権利)の典型例です。
持株比率(議決権比率)とは?
持株比率とは株式会社の発行済株式総数に対するある株主の所有株式数の割合のことです。発行済株式総数とは株式会社が既に発行している株式の数のことです。
株式会社では持株比率によって、行使できる権利が異なります。1株だけで行使できる権限(単独株主権)もあれば、一定数の株式でなければ行使できない権限(少数株主権)もあります。
なお持株比率という言葉は議決権比率という言葉とほぼ同じ意味で用いられます。厳密には株式会社は議決権のない種類株式を発行できるので持株比率と議決権比率とは違う概念なのですが、業務上、持株比率と議決権比率とが同じ意味で用いられるケースも少なくないと考えられるので、この記事では持株比率=議決権比率として説明を行っています。
持株比率ごとの名称の違い
この章では持株比率ごとの株主の名称の違いについて説明します。厳密に定義されている言葉とそうでない言葉があるので文脈をよく確認して用いましょう。
主要株主
主要株主とは、金融商品取引法によると、持株比率10%以上の株主のことです。
大株主
大株主という言葉には明確な基準はありません。株主の内、多数の株式を保有する者を指すことが多いです。
筆頭株主
筆頭株主とはある株式会社で最も持株比率が高い株主のことです。
親会社
親会社とは株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるもののことで、子会社の経営権を持っています。例えば、持株比率が50%超である法人株主のことです。
他には自身が法人であり以下のケースに該当する場合に、自身は親会社となります。
他の会社等に対して持株比率が40%以上であり、かつ、次の(1)~(5)のいずれかの要件に該当する場合
(1)他の会社等の議決権の総数に対する自己所有等議決権(次のa)~c)の合計)が、他の会社等の議決権総数の50%を超えている場合
- a)自己の議決権
- b)投資・人事・財務・技術・取引等において緊密な関係にあることにより、自己の意思と同一の議決権を行使すると認められる者が保有する議決権
- c)自己の意思により、同一の議決権を行使することに同意した者が保有する議決権
言い換えると、自分の持株比率と、自分と同じ議決権行使をする一定の株主の持株比率を合計すると、50%を超えるような場合です。
(2)自社の取締役・執行役員・使用人または使用人であった者の数が、他の会社の取締役等の数の合計の50%以上である場合
簡単に言い換えると、他会社に役員を派遣している場合です
(3)相手会社の重要な財務及び事業の方針の決定を支配する契約を締結している場合等
(4)他社からの資金調達の総額に対して融資(債務保証・担保提供を含む)を行った場合や他社等からの資金調達の総額に対する自社からの資金調達(債務保証・担保提供等を含む)の割合が50%を超えている場合
自社が提供する資金には自社と出資・人材・資金・技術・取引等の面で密接な関係にある者が提供する資金も含まれます。
(5)その他、他社の財務および事業の方針の決定を支配していることを示す事実がある場合
他の会社に対する自己所有「等」議決権が50%超で、かつ、上の(2)~(5)を満たす場合
これは重複規定のように見えるかもしれませんが、自己所有「等」議決権の割合である点がポイントです。極端な話、自社の持株比率がゼロでも、上記のbとcの持株比率50%を超えれば、親会社に該当します。
持分法適用会社
持分法適用会社(読み方:もちぶんほうてきようがいしゃ)とは、原則的には、関連会社(ある企業等が投資・人事・財務・技術・取引その他の関係を通じて、子会社でない他の企業の財務及び営業又は事業の方針の決定に重要な影響を及ぼす能力を有している会社)などのことです。
以下のような場合には、財務上又は営業上若しくは事業上の関係を考慮して、他の企業の財務上又は営業上若しくは事業上の意思決定に重要な影響を及ぼすことができないことが明らかでない限り、企業は子会社ではない他の企業の財務上又は営業上若しくは事業上の意思決定に「重要な影響」を有するものとみなされます。持株比率15〜20%だと、単独で行使できることは多くありませんが、他の株主との関係性によっては大きな影響を与える可能性があります。
- 持株比率20%以上で、かつ、子会社でない場合
- 持株比率15%以上20%未満で、かつ、役員関係などの一定の条件を満たす
- 持株比率15%以下だが、投資・人事・財務・技術・取引等において緊密な関係にあることにより、自己の意思と同一の議決権を行使すると認められる者の持株比率と、自己の意思により同一の議決権を行使することに同意した者の持株比率とを合計すると、20%以上となること、かつ、役員関係などの一定の条件を満たす
少数株主
少数株主とは親会社及びその親会社が支配している別の子会社以外の株主のことです。
持株比率や持株数に応じて行使できる権利
この章では、持株比率や持株数に応じて行使できる権利について具体的に詳しく説明します。
なお、下記の比率以外に、株主総会における質問や発言権が話題になることがあります。この場合は議決権に必要な単元株(会社ごとに異なる)を満たすことで株主総会に参加し質問や発言ができるようになります。
持株数が1株以上
- 議事録閲覧権・・・株主は株主総会・取締役会・監査役会等の議事録を閲覧できます。
- 株主代表訴訟・・・一定の株主は役員などが他の役員などに対する責任追及などの訴えを起こさなかった場合、自ら原告となり、会社の役員などに対して、代表して訴えを起こすことができます。
持株比率が1%以上
- 株主総会での議案請求権・・・持株比率が1%以上または300個以上の議決権(定款で減らすことが可能)を有する一定の株主は、取締役に対し、株主総会に提出する特定の議案を通知するよう求めることができます。
持株比率が3%以上
- 株主総会の招集・・・持株比率の3%以上(定款で減らすことが可能)を6か月以上前より継続して保有する株主は、取締役に対して、株主総会の目的である一定の事項および招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができます。
- 会計帳簿の閲覧及び謄写請求権・・・持株比率の3%以上(定款で減らすことが可能)を保有する株主は、会計帳簿・資料の閲覧・謄写について、会社の営業時間内であればいつでも、理由を明らかにして請求することができます。
持株比率が33.4%以上(1/3を超える)
- 特別決議への単独否決・・・持株比率が1/3超(これを下回る割合を定款で定めた場合はその割合)の株主は単独で株主総会の特別決議を否決できます。
- 株主総会特別決議の可決要件・・・当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(1/3以上の割合を定款で定めた場合はその割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の2/3(これを上回る割合を定款で定めた場合はその割合)以上に当たる多数
持株比率が50%超(1/2を超える)
- 株主総会の普通決議・・・持株比率が50%超の株主は単独で株主総会の普通決議を可決できます。
- 決議できる議案の例:役員報酬変更・剰余金の配当・役員や会計監査人の選任・取締役の解任など
持株比率が66.7%以上(2/3を超える)
持株比率が2/3超(これを上回る割合を定款で定めた場合はその割合)の株主は単独で株主総会の特別決議を可決できます。
- 決議できる事項:株式併合・定款変更・M&A(合併・会社分割・事業譲渡・株式交換など)・増資・解散など
持株比率が90%以上
- スクイーズアウト・・・持株比率90%以上(これを上回る割合を定款で定めた場合はその割合)を一定の方法で保有している特別支配株主は、対象会社の承認を得るなど一定の手続きを経て、対象会社および特別支配株主以外のすべての株主に対して、対象会社の株式を特別支配株主に売り渡すよう請求することができます。
持株比率が100%
株式総会の全ての決議を単独で可決できます。一人会社や会社の単独創業者のIPO前などの状態です。
まとめ
ここまでで持株比率ごとの影響、重要性について解説しました。
議決権比率を維持することにより、さまざまな権利を行使することができます。そのため、まずは何%の株式を保有することでどのような権利が行使できるのかを明確にしておくことが重要と言えるでしょう。
特に経営陣の持株比率が3分の2を下回る場合は、他の株主の影響が大きくなる可能性があります。経営権を維持するために他の株主と良好な関係を築くことが大きなポイントです。
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