法人設立届出書の書き方と提出先、設立後2か月の期限を解説

会社設立後の手続き
投稿日:2026.10.21
法人設立届出書の書き方と提出先、設立後2か月の期限を解説

法人設立届出書は、株式会社を設立した日(設立登記の日)から2か月以内に、納税地を所轄する税務署へ提出する書類です。添付するのは定款の写しで、e-Taxでも書面でも提出できます。記載欄は十数項目あり、登記簿や定款を手元に置けば迷わず埋められます。

注意が必要なのは、同じ「法人設立届」が税務署だけでなく都道府県や市町村にもあり、期限がそれぞれ違う点です。東京都の都税事務所は設立から15日以内と、税務署よりかなり短く設定されています。さらに、青色申告の承認申請書(原則3か月以内)や給与支払事務所等の開設届出書(1か月以内)も同じ時期に期限が来ます。

本記事では、提出先と期限の一覧、様式の入手と提出方法、記載欄ごとの書き方、同時期に出す届出の期限と数え方について解説します。

法人設立届出書の提出先と期限

法人設立届出書は法人税法にもとづく届出で、地方税の届出もあわせて、提出先は3か所です。


提出先

期限

添付書類

税務署(納税地の所轄)

設立の日以後2か月以内

定款等の写し

都道府県税事務所

自治体が定める期限(東京都は15日以内)

定款等の写し、登記事項証明書

市町村

各市町村が定める期限

自治体により異なる


「設立の日」は、法務局に設立登記を申請した日です。登記が完了した日ではないため、期限の起算点を取り違えないよう注意してください。期限は2ヶ月ですが、登記が完了するまでの期間を考慮すると実質的な届出書の準備期間は2ヶ月より短くなることに注意しましょう。


なお、東京都の場合、オンライン登記情報提供制度の照会番号と発行年月日を記載すれば、登記事項証明書の添付を省略できます。市町村によってはこの方式に対応していない場合があるため、事前に提出先へ確認しましょう。

様式の入手と提出方法

様式と記載要領は、国税庁の内国普通法人等の設立の届出のページから入手できます。提出方法は次の3つです。


  • 書面:税務署の窓口へ持参するか郵送します。部数は1部です。
  • e-Tax:e-Taxソフトで作成・送信します。初めて使う場合は利用者識別番号の取得が必要です。
  • 法人設立ワンストップサービス:税務署・都道府県・市町村への届出をまとめて提出できます。詳しくは法人設立ワンストップサービスで出せる届出と使い方などをご参考ください。


書面で出す場合、2025年1月から税務署は提出書類の控えに収受日付印を押さなくなっています(国税庁の案内)。金融機関などに提出の事実を示す必要がある場合は、e-Taxの受信通知を残すなど、記録の残し方を事前に決めておくと安心です。

記載欄ごとの書き方

主な欄の書き方は次のとおりです。手元に定款と登記事項証明書を用意して記入します。


記載欄(記載する情報)

書き方・ルール

つまずきやすい点

法人番号

13桁の番号

提出時に指定前なら空欄でよい

本店所在地

登記上の所在地

実際の事務所と違っても登記どおり

設立時の資本金

登記した額

払込額ではなく登記額

設立年月日

登記簿の登記年月日

定款認証日ではない

事業年度

定款で定めた期間

「4月1日〜3月31日」の形式

事業の目的

定款の主な目的と実際の事業

予定している事業も書く

支店・出張所等

すべての拠点

登記していない拠点も含む

設立の形態

該当する番号

法人成りや合併、新設などにより変わる

事業開始(見込み)年月日

開始日または見込み日

設立日と別でよい

関与税理士

氏名と事務所所在地

いなければ空欄

添付書類等

添付した書類の番号

定款の写しを忘れない


「設立の形態」は、個人事業から法人化した場合(法人成り)と、新たに設立した場合などで選ぶ番号が異なります。合併・分割・現物出資による設立を選んだ場合は、確定申告の際に組織再編成に関する書類の添付が必要になります。


法人成りの手続きの全体像は法人化・法人成り手続き 個人事業の廃業届と引継ぎ方法も参考にしてください。

資本金1,000万円以上なら消費税の欄も記入する

設立時の資本金が1,000万円以上の会社は、消費税の「新設法人」にあたり、設立1期目と2期目は納税義務が免除されません。この場合は「消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日」の欄に設立年月日を書きます。


ここに記入することで「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」を別に出す必要はありません。なお、資本金1,000万円未満の会社は、この欄は空欄です。

同時期に出す届出:青色申告・給与支払事務所等

法人設立届出書と同じ時期に、次の届出も提出期限を迎えます。


届出

提出先

期限

青色申告の承認申請書

税務署

青色申告をしようとする年の3月15日、または開業から2ヶ月以内

給与支払事務所等の開設届出書

税務署

開設から1か月以内

源泉所得税の納期の特例の承認申請書

税務署

随時(給与の支給人員が常時10人未満の場合)

棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書

税務署

第1期の確定申告期限まで



特に注意したいのが青色申告の期限です。

原則として申告する年の3月15日までが青色申告承認申請書の期限になりますが、1月16日以降に開業した場合は開業日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出すれば、その年から青色申告ができます。



給与支払事務所等の開設届出書は、従業員を雇わず役員報酬だけを支払う場合でも提出の対象です。役員報酬の支払いを始めることになったら、その時点から1か月以内に提出してください。

期限を過ぎたとき・提出後に確認すること

法人設立届出書の期限を過ぎてしまった場合も、気づいた時点で速やかに提出してください。一方で、青色申告の承認申請書は期限を過ぎると第1期に青色申告の適用を受けられない(白色申告となる)ため、優先して確認が必要です。


提出後に本店所在地や事業年度、代表者などが変わった場合は、税務署に「異動届出書」を提出します。登記の変更を伴う場合は、変更登記もあわせて必要です。


税務署以外にも、設立後には年金事務所への社会保険の届出(5日以内)など、さらに短い期限の手続きがあります。詳しくは会社設立後の社会保険の手続き|5日以内の期限に注意を参考にしてください。


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