登記事項証明書(登記簿謄本)の取り方、費用と最短の方法を解説

会社設立後の手続き
投稿日:2026.10.21
登記事項証明書(登記簿謄本)の取り方、費用と最短の方法を解説

会社設立登記をすると、さまざまな手続きで登記事項証明書(登記簿謄本)の提出を求められる機会が増えます。

登記事項証明書(登記簿謄本)は、法務局の窓口、書面の郵送、オンライン請求の3つの方法で取得できます。手数料は窓口請求が1通600円、オンライン請求は郵送受取が520円、窓口受取が490円です。

どの方法が適当かは、「何通必要か」「いつまでに必要か」「法務局に行けるか」で変わります。設立後の手続きでは、年金事務所やハローワークなど、提出先ごとに1通ずつ必要になります。そのため、通数の見積もりと、発行日の期限(年金事務所は提出日前90日以内)の確認も必要です。

本記事では、会社設立後に必要になる場面に加えて、3つの取得方法の比較、通数別の費用の計算、受け取りまでの流れ、取得時の注意点について解説します。

登記事項証明書は設立後、何の目的で必要になる?

登記事項証明書は、会社の商号・本店所在地・役員・資本金などの登記内容を、法務局が証明する書類です。「登記簿謄本」という呼び名は昔の紙の登記簿の名残で、現在は同じ内容の書類を登記事項証明書と呼びます。登記事項証明書の代表的な書類が「履歴事項全部証明書」です。

代表的な設立後に必要になる場面は、次のとおりです。

  • 年金事務所:健康保険・厚生年金保険の新規適用届に添付します。原本のみでコピーは受け付けられず、提出日前90日以内に発行されたものが対象です(日本年金機構の案内による)
  • ハローワーク:雇用保険適用事業所設置届に、法人の場合は商業登記簿謄本を添付します
  • 法人口座の開設:金融機関から提出を求められることが一般的です



提出先が複数あるため、設立直後は2〜5通が必要になることが多くなります。届出先と期限の全体像は、会社設立後にやること13項目と提出期限の早見表リストで確認ください。

取得方法は窓口・郵送・オンラインの3種類

3つの方法を、手数料・受取方法・請求できる時間帯で比較します。

方法

手数料(1通)

受取方法

請求できる時間帯

窓口で請求

600円

窓口

平日8:30〜17:15

書面を郵送で請求

600円+返送用の郵送料

郵送

書面を送付

オンラインで請求

520円

郵送

平日8:30〜21:00

オンラインで請求

490円

窓口

平日8:30〜21:00


窓口は、全国の登記所のほか、法務局の証明サービスセンターでも利用できます。登記所は、登記申請のように会社の本店所在地を管轄する法務局である必要はありません。全国どこの登記所でも、他の法務局が管轄する会社の登記事項証明書を請求できます。

また本記事の表では触れていませんが、GVA 登記簿取得など上記の他に民間企業が提供するサービスもあります。会員登録が手軽にできるなどメリットもありますので、ニーズが合う場合はこれらの利用も有効です。

通数別の交付請求にかかる費用

1通あたりの手数料は上の表のとおりですが、実際の費用は通数で決まります。3通必要な場合を例にすると、次のようになります。

方法

3通の費用

窓口請求

600円×3=1,800円

オンライン請求(郵送受取)

520円×3=1,560円

オンライン請求(窓口受取)

490円×3=1,470円


費用面では、通数が増えるほどオンライン請求との差が広がります。一方で、窓口で請求する場合は、少し待てばその場で受け取れるという点がメリットです。

登記事項証明書を最短で受け取る方法

受け取りまでの流れを、オンライン請求と窓口請求で分けて整理します。

オンライン請求は、次の3ステップです。

  1. 「かんたん登記・供託申請」などのWebブラウザ上のサービスで、必要事項を入力して請求する
  2. 手数料をインターネットバンキングで電子納付する(Pay-easy対応のATMでも可能。収入印紙は不要)
  3. 自宅・会社への郵送、または最寄りの登記所・証明サービスセンターで受け取る



窓口受取は、電子納付が済んだあとに受け取れます。午後5時15分以降に請求した場合は、翌業務日の午前8時30分以降の受付になります。窓口請求は、登記所で申請書を書いて提出し、その場で待つ方法です。窓口で請求したその日に受け取れるのが一般的です。

「最短」を重視する場合は、窓口請求が候補になります。「手間と費用を抑える」場合は、オンライン請求で窓口受取が候補です。

取得時につまずきやすい4つのポイント

実務上、請求の段階で迷いやすいポイントがいくつかあります。

  • 発行日の期限:年金事務所は提出日前90日以内に発行されたものが対象です。早めにまとめて取得すると、期限切れで取り直しになる場合があります。ほとんどの手続きで期限指定があるので注意しましょう。
  • 原本が必要な提出先がある:例えば年金事務所はコピー不可です。複数の提出先へ同時に出す場合は、提出先の数だけ原本が必要になります。
  • 登録住所と事業所の所在地が違う場合:年金事務所への提出時に、賃貸借契約書の写しなど、事業所の所在地を確認できる書類の添付が必要になる場合があります。
  • 提出先ごとに指定が違う:提出先によって、必要な証明書の種類(履歴事項全部証明書、現在事項全部証明書など)や発行期間の指定が異なることがあります。請求前に提出先の案内で確認しましょう。

設立後の手続き全体での位置づけ

登記事項証明書は、設立後の手続きの多くで共通して使う書類です。税務署への法人設立届出書では定款などの写しを添付し、年金事務所とハローワークでは登記事項証明書を添付する、という違いがあります。

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