合同会社の支店登記とは?申請方法や必要書類を解説

支店登記
投稿日:2024.09.10
合同会社の支店登記とは?申請方法や必要書類を解説

合同会社の事業拡大に伴い、支店設置を検討することがあります。しかし、初めて支店登記を検討する方にとっては、手続きや必要書類、そのメリットやデメリットについて不安や疑問があるかもしれません。

本記事では、支店登記の意義や支店設置のメリット・デメリット、具体的な申請方法まで包括的に解説します。後半には申請書の様式・記載例も紹介しておりますので、自身で支店登記をする予定の方はご参考ください。

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合同会社の支店登記とは?

ここでは支店登記を理解するうえで大切な、支店の定義と、一般的な営業所との違い、合同会社における支店登記の意義について解説します。

支店とは?

支店とは、会社において本店とは別に裁量を持って営業活動ができる拠点のことです。営業人員が所属する地理的な面を重視した「営業所」とは異なり、「支店」は、会社運営に必要な管理部門などの機能も持っていることが多く、意思決定や手続き面で権限を伴う点が特徴です。
なお、支店には責任者として支配人を設定することもありますが、必ず必要というわけではありません。

本記事で取り扱うのは、一般的な、飲食店における「2号店」のような支店ではありません。商法上、支店は「ある範囲において会社の営業活動の中心となり、本店から離れ独自に営業活動を決定し、対外的取引をなしえる人的物的組織のこと」と定義されています。

支店登記により法人の支店を設置する

支店登記とは、本店以外に会社の支店を設置するための法的手続きです。この登記は、株式会社だけでなく、合同会社や有限会社でも可能で、その登記内容は登記事項証明書(登記簿謄本)にも記載されます。

支店を設置する理由にはさまざまあります。全国に支店網を持つ大企業はもちろんのこと、特定の自治体との取引や現地での雇用のため、あるいは支店を置く自治体の補助制度を受けるためなど、中小企業でも支店設置のメリットは少なくありません。

以前は本店と支店の管轄法務局が違う場合、両方での登記が必要で、支店側の登記記載内容は支店登記簿と呼ばれていました。2022年9月1日以降は会社法改正により、支店登記は本店所在地における登記のみで済むようになりました。

支店の設置が決定したら、ほかの登記事項と同じく2週間以内に登記申請を行う必要があります。また、支店を廃止したり移転したりする場合も登記申請が必要です。支店の廃止や移転では、株式会社であれば取締役会や取締役の過半数の決定、合同会社であれば業務執行社員の過半数の決定など、所定の手続きを経なければなりません。

なお、店舗名に「支店」が付いているからといって、必ずしも法的な支店登記が必要というわけではありません。たとえば、飲食店の出店などの場合は、会社が判断してどの店舗を支店登記するか決めることができます。

合同会社が支店を設置する理由やメリット

合同会社が支店を設置する理由やメリットについて解説します。

支店を設置するメリット

合同会社が支店を設置する理由やメリットはさまざまです。おもに、次のようなメリットが挙げられます。

1. 権限の委任と意思決定の迅速化
 支店に契約締結、口座開設、融資契約などの権限を持たせることで、現地での迅速な意思決定が可
 能となり、ビジネスのスピードアップにつながります。支配人を支店に配置すれば、印鑑登録や訴
 訟代理の権限も付与でき、より広範囲な権限移譲が可能となります。

2. 入札や補助金への条件対応
 公共事業の入札参加や各種補助金の申請において、その都道府県内に支店があることが条件とされ
 る場合があります。支店登記をすることで、これらの条件を満たし、ビジネスチャンスを広げるこ
 とができます。

3. 優遇措置の活用
 自治体による企業誘致や補助金などの優遇措置では、支店設置を条件としていることがあります。
 自治体による優遇措置を活用し、企業経営を推進することができます。

4. 地域経済への貢献:企業による支店設置は、進出先の地域にとってもメリットがあります。地方税
 収の増加、雇用の促進、人口増加による経済効果など、地域経済の活性化に貢献することができま
 す。企業の社会的責任(CSR)の観点からも評価できます。

このように、支店の設置は単なる事業拡大だけでなく、経営の効率化、新たなビジネスチャンスの獲得、地域貢献など、多面的なメリットがあります。

支店を設置するデメリット

一方で、合同会社が支店を設置するデメリットもあります。次におもなデメリットを紹介します。

1. 登記申請の手間と費用がかかる
 支店を設置する際には、登記申請の手続きが必要となります。この手続きには時間と労力がかかる
 だけでなく、登録免許税などの費用も発生します。特に、法律や手続きに不慣れで、専門家に依頼
 する場合は、時間と労力を軽減できますが、さらなるコストが生じる可能性があります。

2. 維持コストと管理コストの発生
 支店を設置すると、その拠点のためのオフィスなど物理的なスペースが必要となります。人件費に加
 え、オフィスの賃貸料、光熱費、備品費などの維持コストが発生します。

3. 人事面の課題
 支店の運営には適切な人材の配置が不可欠です。しかし、優秀な人材を確保し、適切に配置するこ
 とは容易ではありません。また、本店と支店の間での人事異動や、支店間の連携を円滑に行うため
 の体制づくりにも課題が生じる可能性があります。
 
4. 本店との調整コスト:支店が増えると、本店との情報共有や意思決定の調整に時間とコストがかか
 る場合があります。特に、重要な経営判断を行う際には、本店と支店の間で十分な協議が必要とな
 り、意思決定のスピードが遅くなる可能性があります。

ただし、これらのデメリットは、適切な計画と管理によって最小限に抑えられます。また、一度設置した支店を移転・廃止することも可能であり、後になってから状況に応じて柔軟に対応できます。

合同会社の支店登記申請の流れ

支店登記の申請手続きはシンプルです。社内での決議から法務局への申請まで、その流れを詳しく説明します。

支店登記の手続きは2つのステップに分かれる

合同会社が支店登記を申請する場合、次のステップで進めます。

1 社内での支店設置の合意を書面に残し、必要書類として登記申請に添付する
2 支店設置後2週間以内に、書類一式を作成して法務局に登記申請する

それぞれについて、以降の章で詳しく解説します。

①社内(業務執行社員間)での支店設置決議の手続き

合同会社において支店設置を決定する際の社内手続きは、次のとおりです。

1. 業務執行社員間での会議体での決議

  • 支店設置を決定します。
  • 業務執行社員の過半数の一致が必要です。


2. 決定書の作成

  • 決定書を作成します。
  • 決定書には、決定した日付、決定事項、決定した業務執行社員などを記載します。
  • 決定書は、登記申請時の必要書類として提出します。


社内での決議が完了したら、次章の登記申請に移ります。

②書類を作成し、法務局に登記申請する

支店登記の申請手続きは、次のとおりです。

1. 登記申請書の作成 ※様式・記載例は後述します。

  • 登記申請書に必要事項を記入します。
  • 記載事項には、会社名、本店所在地、支店所在地、登記の目的などが含まれます。


2. 必要書類の準備 ※登記申請書に加え、次の書類が必要

  • 支店設置を決定したことを証する書面(業務執行社員の決定書)
  • 委任状(代理人が申請する場合)


3. 法務局への申請

  • 作成した登記申請書と必要書類を、管轄の法務局に提出します。


前述しましたが、2022年9月1日以降は、会社法改正により本店所在地の法務局での支店登記のみとなっており、登記手続きが簡素化され、企業の負担が軽減されました。

支店登記の登録免許税

合同会社の支店登記には、登録免許税が必要です。現在、新規に支店を設置する場合、支店一箇所につき6万円の登録免許税がかかります。この費用は、登記申請の際に納付します。また、支店を移転する場合や廃止する場合は、それぞれ3万円の登録免許税が必要となります。

2022年9月の会社法改正以前は、本店と支店の管轄法務局が異なる場合、両方の法務局で登録免許税を支払う必要がありました。つまり、新規支店設置の場合、本店所在地で6万円、支店所在地で9000円の登録免許税が必要でした。しかし、法改正後は本店所在地の法務局での登記のみとなり、費用面でも大幅な負担軽減となっています。

登記申請書を自分で作成する場合、基本的にはこの登録免許税のみが費用となります。しかし、司法書士などの専門家に依頼する場合は、別途報酬が発生することに注意が必要です。専門家に依頼することで手続きの負担は軽減されますが、費用面では増加することになります。

なお、登録免許税の納付には通常、収入印紙を使用します。収入印紙の購入には予想以上に時間がかかることがありますので、注意が必要です。

合同会社の支店登記の必要書類・書式

合同会社の支店登記に必要な書類の解説と、申請書のサンプル・記載例を紹介します。

支店登記の必要書類

支店設置の登記申請は、決議内容がシンプルであることから、自身で手続きを行うことができます。多くの場合、専門家に依頼しなくても、必要な書類を自ら準備し、申請することができます。支店登記に必要な書類は、次のとおりです。

・ 登記申請書
 法務局所定の様式を使用し、会社名、本店所在地、新設支店の所在地、登記の目的などを記入しま
 す。申請書に収入印紙を貼付します。

・ 支店設置の合意を証する書類
 通常は業務執行社員会の議事録。支店設置の決議内容、日時、参加者などを記載します。

・ 委任状
 司法書士など代理人に申請を依頼する場合に必要

これらの書類を準備して登記申請します。自己申請する場合でも、不明な点は法務局に問い合わせて確認するなどすれば、手続きを進められます。

自分で支店登記を申請するための書式・記入例

改正以前は支店所在地の管轄法務局へも登録免許税が必要でしたが、現在は不要で、申請の手間が軽減されています。「合同会社支店設置登記申請書」の様式と記載例が公開されていますので、下記を参考にしてください。

出典:静岡法務局「合同会社支店設置登記申請書(様式)」



出典:静岡法務局「合同会社支店設置登記申請書(記載例)」

支店登記は手間が軽減され活用しやすくなっている

合同会社の支店登記は、2022年の法改正により大幅に簡素化されました。本店所在地での一度の登記で済むようになり、費用と手間が削減されています。支店設置は、権限委譲による意思決定の迅速化や地域経済への貢献など多くのメリットがあります。

登記手続きも、社内決議と必要書類の準備さえ整えば、自己申請も十分可能です。この記事を参考に、スムーズな支店登記に役立てていただければ幸いです。


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執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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