支店という言葉は日常的にもよく聞く言葉だと思います。会社の本店と支店をイメージする方もいれば、飲食店の2号店などをイメージする方もいるでしょう。しかし、法的に支店がどのような意味を持つかをきちんと理解できている方は多くないのではないでしょうか。
本記事では、支店とはそもそも何を意味するのか、支店を設置するにはどのような手続きが必要なのか、などの基礎知識に加えて支店登記の内容を確認する方法を解説します。
自分で変更登記をするなら司法書士監修のGVA 法人登記が便利です
必要情報をフォームに入力するだけでかんたん書類作成
費用と時間を抑えて変更登記申請したい方におススメです
【各リンクからお進みください】
①会員登録前に利用方法を確認できる無料体験実施中
②GVA 法人登記の料金案内(専門家に依頼する場合と比較できます)
③オンラインサービスを利用して登記手続きを検討されている方はこちら
支店の登記とは?
まず、支店の登記とは何を意味するのか、そもそも支店とは何かも合わせて確認しましょう。
支店とは?
支店とは、商法上は「ある範囲において会社の営業活動の中心となり、本店から離れ独自に営業活動を決定し、対外的取引をなしえる人的物的組織のこと」とされています。
つまり、支店は、対外的に本店とは独立して裁量を持って営業活動を行う事業所のことで、会社運営に必要な管理部門まで独立して持っている場合が多いです。より広い権限を設定するために支店の責任者として支配人を置くこともできますが、必ず置く必要があるわけではありません。
似た概念として営業所というものがありますが、営業所は、支店ほど独立して活動を行わず、あくまで営業人員が所属する地理的な観点で独立しているにすぎません。あくまで本店の一部として活動します。
飲食店の2号店のような場合に支店と便宜的に呼ぶことがありますが、本記事で取り扱う法的な支店とは異なるものです。
支店を設置したら登記が必要
支店を設置するには、本店に加え支店として登記する必要があります。支店が登記されると、支店は登記事項証明書(登記簿謄本)にも記載されることになります。
支店登記をする場合、2022年8月31日までは、本店と支店の管轄法務局が異なる場合、両方の法務局に登記申請をする必要がありました。支店側の登記は支店登記簿と呼ばれていました。しかし、法改正により、2022年9月1日以降は、本店所在地を管轄する法務局に登記申請をするだけでよくなりました。
支店の設置や廃止は、取締役会の決議、または取締役の過半数の賛成によって決定します。登記事項ではありますが、株主総会の決議までは不要です。
店舗や拠点の名称に「支店」がついているからといって必ず支店登記をしなければならないわけではありません。飲食店の2号店などのように便宜的に支店の名称を用いる場合など、単なる地理的な拠点にすぎないような場合は支店ではなく営業所となります。
支店を設置した場合、他の登記事項と同様に2週間以内に登記申請をする必要があります。会社の種別を問わず、株式会社、合同会社、有限会社でも支店登記をすることができます。
支店を設置する理由やメリット
支店では、会社の意思決定や手続きの権限の一部を委任することができます。そのため、支店ごとの細やかな経営事項についていちいち本店の意思決定を経る必要がなく、経営のスピードアップを図ることができます。
また、内部の意思決定だけでなく、対外的にも本店から独立して営業活動を行うことができるため、たとえば取引先との契約も支店名義で行うことができます。
支店の設置に加えて、支店には支配人を設置することもできます。支配人には、印鑑登録や訴訟代理の権限も付与でき、より広く柔軟に権限を設定することができます。支配人は必ずしも設置しなくても問題ありません。
公共事業の入札や補助金などのルールによっては、その都道府県での登記が条件とされることがあります。入札や補助金のためだけに本店を移転するわけにもいかないので、その都道府県に支店登記をすることが考えられるのです。
地方公共団体の企業誘致、補助金などの目的で企業が現地進出する上で支店登記が必要になる場合や支店登記したほうがよりメリットを得られる場合もあります。支店設置を促進することで、その地域からみると地方税収増加や雇用促進、経済効果(人口増加)などのメリットがあるのです。
支店登記の確認方法
では、支店登記の内容を確認するにはどのような方法があるのか、いくつかのポイントを紹介します。
登記事項証明書(登記簿謄本)で支店登記を確認できる
法務局や登記ねっとで、履歴事項全部証明書を交付請求することでき、これによって支店登記を確認することができます。これがもっとも一般的な登記の確認方法で、役所などへの正式な提出書類として利用できます。
また、登記内容から支店状況の確認をするだけであれば、登記情報提供サービスからPDF形式の登記簿情報をオンラインで請求し、確認することができます。こちらは提出書類としては使えない場合がありますので、用途に合わせて必要な確認を行いましょう。
登記事項証明書の支店欄に記載される内容の例
支店の情報は、登記事項証明書において以下のように記載されます。
真ん中の欄に支店の住所が記載されます。移転があった場合は、古い住所に下線が引かれ、その下に新しい住所が記載されます。
登記申請時に支店番号が1番から順に振られ、住所の上に記載されます。支店廃止などで欠番がでた場合、支店番号はそのままとなります(繰り上げなどはされない)。
右側の欄には、支店が設置されたり移転された日付、登記がされた日付が記載されます。
2022年8月31日以前の支店登記簿を確認する場合
以前は、本店と支店の所在地を管轄する法務局が異なる場合、本店に加え支店所在地を管轄する法務局への登記も必要でしたが、この登記は2022年9月1日に廃止されました。それ以後は、本店所在地を管轄する法務局への登記のみをすることになっています。
それ以前の支店登記情報を確認する場合は、以前の支店所在地で閉鎖登記簿を交付請求するか、本店の登記情報の支店欄から確認することができます。
できるだけ早く確認したい場合は民間のサービスも有効
法務局などで正式な登記事項証明書を発行しようとすると手間や時間がかかる場合があります。
できるだけ早く登記の内容を確認したいような場合は、民間の登記情報サービスを利用することが考えられます。
GVA登記簿取得などのサービスなら、インターネット上で使い慣れたクレジットカードを利用して登記情報を取得することができます。
利用時間内のPDFの登記情報であれば、当日中に内容を確認することができます。
取得したPDFを証明書として正式に提出することができませんが、登記内容を確認する目的であれば有効な方法です。
支店登記申請の流れ(株式会社の場合)
株式会社において支店登記を申請する流れは以下のとおりです。
大きく2つのステップに分かれる
支店設置は以下の2つのステップに分かれます。
①社内(取締役会)での支店設置決議
②法務局への登記申請手続
①社内(取締役会)での支店設置決議
支店の設置は、取締役会の決議、または取締役の過半数の賛成によって決定します。その際、議事録または決定書を作成します。
他の登記事項は株主総会決議が必要なものが多いですが、支店登記は株主総会決議は不要となっています。
②法務局への登記申請手続
支店登記のための登記申請書類を作成し、登記申請書や議事録など必要書類を添付したうえで法務局に申請します。
前述のとおり、2022年9月1日以降は会社法改正により本店所在地における支店登記のみとなります。(それ以前は本店と支店の管轄法務局が違う場合両方での登記が必要でした)
支店の設置は決議や登記申請の内容がシンプルということもあり、登記申請自体は自分で登記申請書類を作成して行うことは十分可能です。
支店設置登記申請書については、法務局のウェブサイトに以下の記入例が紹介されています。
リンク先の記入例のとおり、法人番号、会社の商号、本店所在地、登記の事由として「支店の設置」、登記すべき事項として「別紙のとおり」としつつ、別紙で支店番号、支店所在地、設置の日付を記載する程度で足ります。
参考までに以下にて記入例のスクリーンショット(1枚目)を掲載します。
支店登記の登録免許税
前述のとおり、法改正以前は、本店と支店の管轄法務局が異なる場合は両方の法務局にそれぞれ登記申請が必要であったため、登録免許税もそれぞれ必要で、本店所在地の登録免許税は支店一つにつき6万円、支店所在地の登録免許税は支店の数にかかわらず9,000円でした。
現在は本店を管轄する法務局に対して登記申請するだけでよいので、登録免許税は支店一つにつき6万円のみです。法改正により申請の手間と費用が軽減されました。
既存の支店を移転したり廃止したりすることも可能で、移転の登録免許税は支店一つにつき3万円、廃止の登録免許税は申請一件につき3万円になります。
登録免許税は収入印紙で支払うことになりますが、高額だと郵便局や法務局でないと購入できない場合があるなど、収入印紙の購入には手間や時間がかかる場合があることがあるので注意しましょう。
支店登記の提出や確認など、用途に合わせて確認方法を選択しましょう
支店登記を確認する方法としては法務局で書面の登記事項証明書を発行することがもっとも正式な確認方法ですが、インターネットで確認することも可能です。
また、GVA登記簿取得などの民間のオンラインサービスもあるので、支店登記の内容をできるだけ早く確認したい場合は、このようなサービスを利用するのも便利です。
【最短7分】株式会社の支店登記(設置・移転・廃止)の必要書類をカンタン作成できます
法人の変更登記は、手続きごとに必要書類が異なるため、どの申請に何の書類が必要なのかを探すだけでも多くの時間が取られてしまいます。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで最短7分・5000円から、オンラインで変更登記に必要な書類の作成ができます。
GVA 法人登記は、株式、合同、有限会社の役員変更や本店移転登記など、10種類以上の変更登記に対応しており、複数の書類作成も可能です。
※支店の設置・移転・廃止の登記は株式会社のみ対応しております。
GVA 法人登記が対応している登記種類
・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション
・支店の設置・移転・廃止
各登記種類の料金は、以下で説明しています。
\ 最短7分5000円~必要書類を作成 /
ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます
登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。
本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。
GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(例)
・登記申請書
・株主総会議事録
・株主リスト
・印鑑届出書
・就任承諾書(役員就任・重任)
・辞任届(役員辞任)
・準備金・剰余金の額に関する証明書(剰余金の資本組み入れ)
・総社員の同意書(合同会社)
・業務執行社員の同意書(合同会社)
さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。
オプションのかんたん郵送パックを利用すれば、書類作成後、押印し郵送するだけで登記申請ができるため、法務局に行かずに登記申請が可能です。仕事が忙しく法務局に行く時間がない方や、効率的に手続きを進めたい方におすすめです。
【期間限定】1,000円OFFクーポン配布中!
クーポン利用手順
①GVA 法人登記の会員登録(無料)
②購入前のクーポンコード入力画面で【 Ug3JNAS7sB 】を入力
\Webでカンタン自分で変更登記/
執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。
GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなくAI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」などのリーガルテックサービスを提供しています。