会社には登記上必ず本店がありますが、支店を置く場合もあります。こうした支店については登記が関係するというのはご存じない方も多いのではないでしょうか。
また、支店登記が存在することをご存じでも、会社法改正により支店の所在地での登記が不要となったことについてはご存じないという方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、支店登記の廃止について、廃止の対象や、いつから廃止になったのか、今後はどうなるかについて解説します。
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支店の登記とは
まずは支店の登記の概要から解説します。
支店とは?
会社法(以下「法」と表記)における支店とは、本店とは別に裁量を持って営業活動ができる拠点のことをいいます。裁量を持って営業活動を行うため、責任者として支配人を設定することもありますが、義務というわけではありません。
また、支店は営業活動を行う拠点のため営業所などとも機能は近いのですが、一般的な営業所が営業の拠点としてしか機能を有していないのに対し、支店は管理部門など会社運営に必要な機能まで持っていることが多く見られます。
実際に商法上、支店とは「ある範囲において会社の営業活動の中心となり、本店から離れ独自に営業活動を決定し、対外的取引をなしえる人的物的組織のこと」とされています。したがって、営業所はあくまでも営業人員が所属する地理的な面を重視した拠点であるのに対し、法上の支店は意思決定や手続き面の権限を有しているという点が異なるという点は押さえておきましょう。
なお、飲食店の2号店のような営業活動の拠点となるものでも一般的には支店と呼ぶこともありますが、本記事で扱う支店とは異なる点は押さえておきましょう。
支店登記とは?
支店登記とは、本店以外に、会社の支店を設置するための登記です。登記事項証明書(登記簿謄本)にも支店の所在地は記載されることになっています(法第911条第3項第3号)。
なお、支店の設置や廃止は取締役会、もしくは取締役の過半数の賛成によって決めることができます。したがって、登記事項ではあるものの、株主総会の決議は不要です。
ただし、設置した支店を移転・廃止するときには設置するときと同様に登記申請が必要となるため注意しておきましょう。
また、店舗名として「支店」とついているからといって必ず支店登記するというわけではない点にも注意が必要です。例えば飲食店で支店を出店するからといってその支店を登記しなければいけないという訳ではありません。あくまでも、どの店舗を支店登記するかは会社で決めることが可能です。
登記申請の手続きに当たっては、他の登記事項と同じく変更を生じた日から2週間以内に支店設置の登記申請を行います。なお、支店登記は株式会社、合同会社、有限会社でも設置は可能で、会社の種類を問わず可能となっています。
支店登記簿とは?
前述の通り、2022年9月1日より前は本店所在地を管轄する法務局と支店を管轄する法務局が違う場合には両方での登記が必要でした。
会社が設立され登記がなされると、本店所在地の管轄法務局では、本店の登記記録が作成されます。これには、会社の商号、本店の所在地、会社成立の年月日、目的、資本金の額、役員等が記載されています。
他方で、支店所在地の管轄法務局が本店所在地の管轄法務局と違う場合には、支店の登記記録が作成されます。これを一般に「支店登記簿」などといいます。支店登記簿には、商号、本店、会社成立の年月日、支店等が記録されています。
支店の所在地における登記の廃止
従来、支店登記については、本店所在地を管轄する法務局と支店を管轄する法務局が違う場合には両方での登記が必要でした。2箇所に登記申請する分、手間や費用がかかっていました。ですが2022年9月1日以降は会社法改正により本店所在地における支店登記のみで済むことになりました。
では、廃止になった支店の所在地における登記とはどのような制度で、廃止後は支店に関する事項はどうやって確認するのでしょうか。ここからは廃止された支店登記について解説します。
2022年9月1日以降、支店の所在地への登記申請が不要に
前述の通り、本店所在地を管轄する法務局と支店を管轄する法務局が異なる場合には、従来は、会社の本店所在地の管轄法務局への支店登記申請に加え、支店の所在地の管轄法務局への登記申請が必要でした。
しかし、2022年9月1日以降、商業登記法改正により会社法の支店所在地登記の規定が削除されたため、支店の所在地の管轄法務局への登記申請は不要となりました。
少し分りにくいので具体例で説明すると、東京都千代田区に本店、神奈川県横浜市に支店がある場合、従来は東京法務局と横浜法務局の両方に登記申請する必要がありました。しかし、2022年9月1日以降は、東京法務局への登記申請だけで済み、横浜法務局への登記申請は不要となった、ということになります。
支店所在地に申請していた登記はどうなる?
支店登記の廃止以前に登記していた支店側の登記内容は閉鎖されることになります。ただし閉鎖されても記録としては残っています。そのため、閉鎖登記簿(閉鎖事項証明書)から支店登記簿の内容の確認は可能です。また、その他にも閉鎖されて以降に支店状況を確認する際はその会社の本店の登記を確認すれば支店に関する事項は記載されています。
閉鎖された支店所在地側の登記内容を確認する方法
閉鎖された支店所在地側の登記内容を確認する方法としては、最寄りの法務局にて閉鎖登記簿を交付請求する方法があります。
交付請求の方法①:法務局の窓口または郵送で請求する
登記請求の一つ目の方法は法務局の窓口または郵送で請求する方法です。
窓口で請求する方法は、窓口で必要書類に記入し手数料相当額を収入印紙で支払います。収入印紙の額は1通につき600円です。
郵送で請求する場合には、法務局のホームページから申請書をダウンロードした後に記入し、収入印紙を貼り付けして郵送しましょう。記入に当たってはホームページに記入例もあるので参照しましょう。
なお、登記簿謄本には現在事項証明書、履歴事項全部証明書、閉鎖事項全部証明書、代表者事項証明書の4種類があります。今回のケースでは閉鎖事項全部証明書の取得が必要になりますので、間違えないようにしましょう。
交付請求の方法②:オンラインで請求する
その他にはオンラインで申請する方法もあります。登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)で請求することで、登記簿謄本を郵送で送ってもらうことができます。
また、書類の提出の予定がなく、内容を確認するためであれば、登記情報提供サービスを利用することで、ブラウザからPDF形式の登記情報を閲覧することができます。
支店をできるだけ早く確認したい場合は民間のサービスも有効
この他にも登記の内容を確認したいだけであれば、民間のサービスを利用するのも有効です。
GVA 登記簿取得などのサービスならネットから簡単に申請することができます。支払いもクレジットカードでの支払いが可能となっています。閉鎖事項全部証明書には対応していませんが、履歴事項全部証明書を請求すれば支店に関する事項は確認可能です。
最短1分で登記情報の取得が請求できるなど非常にスピーディに対応できるため、情報を確認したいだけの場合には活用すると良いでしょう。
廃止後も支店に関する事項は確認できる
支店の所在地における支店登記は廃止されましたが、支店に関する登記情報を確認する方法は閉鎖事項証明書を取得する方法や本店の履歴事項全部証明書を取得する方法などで確認することができます。
これらの書類は法務局や登記ねっとで交付請求するほかに、GVA登記簿取得などの民間のサービスを利用する方法でも請求できます。
廃止されたからといって支店に関する情報を確認する必要が全く無くなるわけではないので、本記事を参考に必要に応じて支店に関する登記情報を確認していただければ幸いです。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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